グラデーション

１０月１日８０日目。

少し気を抜けばこういう雑念を綴る時間を取れなくなってしまう。５月を最後に日々のことを振り返ることなく、夏が終わり秋も半ばとなってしまった。

どんな仕事にも納期があって、わかりやすく納期の近いものから手をつける。日々訪れる小さな納期を越えながら、粛々と日々を過ごす。考えなければいけないことを考えて、結論を出す。決して刺激にあふれた毎日というわけではないけれど、それなりに良い日々だ。

さいきんの日々といえば、遡上する鮭を毎日のように撮っている。

この時期、日本海から遠別川上流へと向かって遡上する鮭。河口でしばらく周遊して海水から淡水に体を慣らしてから上流へと上がっていく。川の流れに逆らって、水面を跳ねる様子は何度見ても心を打つなにかがある。

「それなりに良い日々」を過ごしていても、どこか退屈さを感じることがある。気分転換に窓を眺めて、夕陽の気配を感じた時は迷わず海岸へ。

予想が的中して満足な夕陽を見ることができる確率は５割ほど。今日は予想が的中した。

偶然、真っ赤に染まる空と海、犬の散歩をする女性のシルエット。シルエットがあるかないかで写真の印象がグッと変わる。

退屈な日もあれば、刺激が強すぎてげんなりする日も、最高に楽しい日もある。暮らしのグラデーションはあとあと振り返ると実感するもので、たまには雑念を昇華しなくてはな、と思う。