動画2

前田裕二×明石ガクト「動画2.0」 -心に刺さる動画・サービスとは-


こんばんは。稲垣(@Yuki56ee)です。
今日は、NewsPicksアカデミアのイベント”前田裕二×明石ガクト「動画2.0」”に行ってきました。

非常に刺激を受けた良い講演でしたので、僕の考察も交えつつ、しっかりとまとめていきたいと思います。
尚、文末に僕のメモを記載していますので、内容だけざっくり知りたい方はそちらをご参照ください。

動画2.0とは

まず本日のテーマ動画2.0とはどういうことかを説明します。

動画2.0はこれからの時代に適合した動画の在り方のことです。
最初に結論からいうと、動画2.0については現段階では答えは出ていません。

ですので、そもそも動画2.0が考えられるようになった背景3つをここではご紹介します。

①スマホとSNS動画の普及
従来動画のプラットフォームはテレビでした。
それがyoutubeの普及によりインターネット上で動画がよく見られるようになりましたが、
劇的な変化はスマホ普及後にSNSで動画が見られるようになったことです。

これにより、動画の見方が変わりました。
これまでは、動画をしっかりと見ることが主流でしたが、SNSで流れてくる動画をなんとなく見るというスタイルが出てきました。
これにより、縦型動画が出現してきたりと動画の表現方法も大きく変革をしてきています。

②動画の価値の変化 -インプレッションからエンゲージメントへ-
これまで動画はどれだけ沢山の人に見てもらうことができたか。要するにインプレッションが価値になっていました。
しかし、3秒見ればカウントされるインプレッション数に本質的な価値があるかといえば非常に怪しいです。
そのため、エンゲージメントが昨今重視されるようになってきています。
エンゲージメントとは、その動画に「いいね」や「コメント」がついたり、シェアがされたりと、
どれだけその動画が心に刺さったかを図る指標です。

この現象に対して今回の講演では、「幅」と「深さ」という説明がされています。
これからの動画は、どれだけリーチしたのかという「幅」とどれだけ刺さったかという「深さ」の二軸と、「課金」と「広告」の2軸でマトリクスを組んでマネタイズを考えていく必要があるというのが前田さんの以下のスライドです。


③動画の民主化

昔は動画を作ることができるのは、一部の限られたスキルを持った人だけでした。
それが、現在ではスマホでもハイクオリティの動画が作れるようになってきており、
結果として動画メディアだけではなく、古い出版社や一般人もプレイヤーとなり得ます。

そうなると、大切なのは技術ではなく、動画を使って何を伝えるのかということになってきます。


SHOW ROOMの勝算

上記を踏まえた上で、今回改めてSHOW ROOMの前田さんの話を聞くと、
やはりSHOW ROOMは非常に強いなと感じました。
※ちなみに、SHOW ROOMは以下の画像の通り、日本での動画配信アプリの収益ナンバー1です。

前田さんが語っていたSHOW ROOMの成長の理由は以下3点です。

①アライアンスが得意
②数値分析が得意
③信頼と支え合いの連鎖

僕はこの中でも、②数値分析が得意という点が最も重要だと感じました。

前田さんが講演で語っていた内容でもありますが、
従来のエンタメ業界というのは数値分析が非常に苦手です。

歌手や作家の人気というのは、センスやカリスマ性といった文脈で語られがちで、非常に属人的なため、再現性が難しかったのです。

しかし、SHOW ROOMでは、
配信時間はいつなのか、視聴者はどれぐらいいるのか、離脱率はどれぐらいあるのか、演者に対してどれだけのコメントがついているのか、いつ・どのタイミングで課金がされているのか、
といったことを数値化することができます。

この数値を分析することで、どうして人気になったのかを言語化することができ、結果として再現性が高まります。

エンタメ業界で再現性の高いプレイヤーは非常に少ないため、ここにSHOW ROOMの勝算があるのだと思います。


深く刺さる動画(コンテンツ)とはどういうものか

深く刺さる、つまりはエンゲージメントの高い動画とはどういうものか。
これに関しては以下の明石さんのスライドが非常にわかりやすいです。

このスライドには4つのEがあります。

・Entertaining(新しいカルチャーやトレンドを求めている人へ)
・Enlightening(未知な世界、脳が刺激される体験を求めている人へ)
・Emotional(新情報を得て、喜怒哀楽を感じたい人へ)
・Empowering(日々の頑張りをより加速したい、自分の可能性を信じたい人へ)

明石さん率いるONE MEDIAの動画では、上記の要素を必ず入れて動画をつくるそうです。
これにより見た人の心に刺さる、圧倒的にクオリティの高い動画を作るというのが現在のONE MEDIAです。

面白かったのが、前田さんは刺さる(エンゲージメントの高い)動画の作り方として、下記の2種類に分類していたことです。

①圧倒的にハイクオリティな(他人の物語的な)動画を作る
②何故か心惹かれる(自分の物語的な)動画を作る

明石さんのONE MEDIAは①、SHOW ROOMは②です。

②がどういうことかと言うと、視聴者が能動的にアクションができるようにサービスや余白を設計するということです。
SHOW ROOMはライブ動画配信プラットフォームですが、
スマホの画面には、演者だけではなく、視聴者もアバターとして映ります。
そうすることで、視聴者側も見られているという意識が生まれ、何か行動をしなきゃいけないという気持ちになります。
これによってエンゲージメントが高まるという設計です。

また、余白については、サービスをガチガチに作り込まないということです。
例えば、SHOW ROOMは非常に機能が豊富なのですが、チュートリアルがありません。
そうすると何が起こるかというと、ユーザーが使い方を工夫したり、優しいおじさん的なユーザーが案内役として現れてきます。
これによって、また能動的な行動が生まれ、自分が共に生み出したコンテンツという意識からエンゲージメントが高まるという設計です。


クリエイターのツールとしてのVR

前田さんは動画の視聴デバイスとしてVRが現段階で普及するかというと、懐疑的な見方をしています。
ヘッドマウントディスプレイを被るという行為が日常に浸透するとはまだ想像できないという見方です。
例示として、女性が化粧崩れるのに、お昼にわざわざヘッドマウントディスプレイを被る姿がイメージできないということを話されていました。

この点は全く同意です。
先の記事でもあげた網膜投影型技術の進化などで、メガネ型、あるいはコンタクトレンズ型にならない限り、日常への普及は難しいと思います。

ただ、非常に面白かったのが、企業やクリエイターが作品を作るツールとしては可能性が高いと考えていることです。
実際に今でもヘッドマウントディスプレイを被りながら、仮想空間上で自分のキャラを作ったり、キャラのMV(ミュージックビデオ)を作ることができます。
これが従来のパソコンだと、動作を制御したり、出来を確認するのには高い技術が必要ですが、VRであれば素人でも直感的にできます。

最近SHOW ROOMで誕生したキャラクターも、知らないうちに演者が勝手にMVを作っていて驚いたというエピソードが紹介されてました。

この点は非常に可能性があり、面白いと感じました。


動画2.0黎明期の戦略

動画2.0黎明期の戦略として、非常に示唆に富んでいたのが、
クリエイターは中で育てるべき。という明石さんのお話です。

現在、動画が見られる環境というのは、プラットフォームの違いやデバイスの違いなどが組み合わさり多種多様です。
テレビ・スマホ・パソコン・YouTube・Netflix・Hulu・SNS・WEBメディアなど、思いつく限りで羅列しても際限がありません。

そんな中で、見る人の環境に合わせた動画作りという点に関しては、正解がまだありません。

スマホの縦型動画も最近はありますが、それも過渡期の技法でスクリーンサイズが変わればそれまでです。

そうなると、動画2.0の世界で正解を探す過程では、既存業界の正解を外部から持ってこられても邪魔になってしまいます。

もしかしたら、今までと全く違う分野のクリエイターがこれから動画製作者として名を馳せていく時代が来るのかもしれません。


まとめ

最後にモデレーターの佐々木さんが、前田さんに「エンタメ3.0」を書きましょうよ!と無茶ぶりをしていましたが、
僕もこの講演を聞いてこれからのエンタメが非常に面白いと感じることができました。

質問コーナーで前田さんに「LIVE配信プラットフォーマーでこれから勝つ企業はどんな企業か」という質問をさせて貰ったんですが、
そのご回答も非常に面白かったです。
※その質問毎日聞かれて、今日も2回目だよと言われてしまいましたが(笑)

その回答は、
「世界観やストーリーがユーザーに届くサービス・企業が強い。」
という内容でした。
また、
「代表の顔が見えていたり、なぜそのサービスが立ち上がったのかが説明されているサービスは、SHOW ROOMだけ」
と自信も垣間見ることができました。

その後明石さんが言っていましたが、今はサービスの思想までもが消費者が選ぶ際の基準になっている時代です。

今後、僕が作っていくサービス・コンテンツもその点を大事にしていきたいと思います。
ご回答いただき、ありがとうございました。

それでは、また!


【以下講演メモです。殴り書きなのはご容赦ください】

明石さん
- [ ] 2014.からワンメディア。
- [ ] PVやインプレッションを無視した経営を行ってきた。
- [ ] メディアとしての価値とはなにか。それが、「あなたの一日、人生、そして世界観を揺さぶるような体験を」というコピー。
- [ ] 山手線のキュリオスの反響が強い。
- [ ] 動画のアテンションが強い。動画を話しながらした、今の僕の話は入ってこなかったと思う。
- [ ] 世の中は動画に向かっているが、ただ動画をやればいいというのは危険な話。
- [ ] ワンメディアのシェア率が高い。
- [ ] エンゲージメントは4つのEに言い換えられる。
- [ ] リテラシー低い人でも、動画(ビジュアルストーリーテリング)は伝わる
- [ ] バズったツイッター。映画の価値について。映画が好きな人に対して響いた。自分が好きなことには興味ある。
- [ ] テキストの時代は終わる。テキストと動画は限りなく混ざり合ってくる。
- [ ] ショウルームはファンクラブのビジュアライジング。
- [ ] ただ動画をやるのではなく、何をビジュアライジングして伝えていくのかが大事。
- [ ] テレビについて。好きな番組はフリースタイルダンジョン。
- [ ] 今後の動画のプラットフォームについて。→これまではYouTubeだが、テキストを見る場所に、特に決まりがないように、動画もどこでも見れる。区分けをせずに、そこにどんなユーザーがいるのかを知るのが大事。

前田さん
- [ ] これから動画のあり方は2通り。今までは幅を取っていくこと(pv)。これからは深さを取っていく必要。
- [ ] 深度の取り方は2種類。⑴圧倒的なハイクオリティな動画を作る。⑵なぜか心惹かれる動画を作る。ショウルームは⑵。明石さんは⑴
- [ ] ショウルームはライブ配信サービス。能動的に参加するのが前提のサービス。
- [ ] 視聴者の可視化が特徴的。視聴者が写っていることで、何か行動をしなきゃという気持ちにさせる。
- [ ] 収益は日本の動画配信アプリNo.1
- [ ] ショウルームが成長してるのは、⑴アライアンスが得意。⑵数値分析が得意。エンタメのヒットの問題点、直感のところを言語化できないから再現性低い。継続可能性が低い。⑶信頼と、支え合いの連鎖。オーガナイザーがクオリティコントロール
- [ ] 他人の物語型の動画と自分の物語型の動画は得意とする領域が違う。
- [ ] 若者は速度制限が鍵。作り手は大人だから見落としがち。
- [ ] 通信の制約があるうちは、幅×広告のマネタイズよりも、深さ×課金のマネタイズの方が成功確度が高い。5G後には、幅×広告ビジネスが成立し、さらに、深さ×広告の世界が出現。
- [ ] ワンメディアは、普通の動画よりも深く10倍刺さるから、価格も10倍というのが成立してきている。
- [ ] 自分が今からやるならスライド右下やる。
- [ ] ショウルームはどうするか。エンタメは第三世代へ。
- [ ] 第一世代は複製可能となり没落。
- [ ] 第2世代はキャパ問題で、客数×単価問題で頭打ち。
- [ ] 第三世代は直接支援で無限に広まる。
- [ ] 認知と人気の違い。

ディスカッション
- [ ] 余白を作るのが大事。
- [ ] ショウルームも最初台本用意する他人の動画型やって失敗。
- [ ] ペルソナ優しいおじさん。40〜50歳。
- [ ] ショウルームは機能豊富だけど、チュートリアルがない。自分達が行動を定義するより、遊びを残して入れている。
- [ ] ショウルームを暖かくする為のルールは厳守。

8k×スマホ×5G時代
- [ ] 明石:ネットフリックス倍速で見ても丁度いい。観る人の環境に合わせる動画もニーズが出てくる。
- [ ] 前田:VRを視聴側として使うのは難しい。普及フェーズにはまだ至らない。ランチタイムに女性社員みないし。僕らはVRを入力で使っている。バーチャル空間上でバーチャルYouTubeを作っている。
- [ ] 佐々木:小さい画面で何が変わるか。
- [ ] 明石:画面の大きさでクリエイティブもたしかに変わるが、両方使えるように技法自体も変わっていく。クロスカッティング、ゴッドファーザーでシーンが交互にに切り替わる技法が使われた。当時映画館で見た人の半分は、そのシーンの意味を分からなかった。それは文法がなかったから。これからは文法が理解されるようになってくる。
- [ ] 前田:だとすると、作り手が使い分けをしているのは過渡期だからか。PPAPの小坂さんはデバイスによって音変えてる。これも過渡期だろうか。
- [ ] 明石:Huluとアマゾンプライムとネットフリックで1番違うこと。Netflixだけが、吹き替えも字幕も別ファイルで、観ながら字幕の切り替えできる。
- [ ] 佐々木:Netflixに死角はあるか。
- [ ] 明石:自社制作に全フリしてるから、パブリッシャー寄りになっている。競合がテレビ局だったのが、違う競合になってきた。そこでどうなるか。
- [ ] 前田:だれがお金出してるか大事。テレビはスポンサー。Netflixはユーザー。クリエイティブの中では超大事。制約の数が少ないから有利。
- [ ] 明石:僕らもスポンサーから貰ってるから刺さる笑。ミニシアター最近作って、全部自費でやった。なかなか難しい。自分達の作りたいものとお客さんが求めるものがずれる。
- [ ] 明石:Netflixは全米で一番のデータサイエンティスト集団を抱えている。そこでヒット作を考えている。要は、いかに人の心に刺さるかが大事。何故なら拡散されるから。川村元気、集合的無意識を顕在化する。
- [ ] 前田:君の名はも、3.11の文脈の中で、被災後の後ろめたさを昇華させるところに天才性を感じました。
- [ ] 前田:制約が、ある時にクリエイティブになれるという文脈もディスカッションしたい。
- [ ] どんな企業が勝者になるのか。
- [ ] 明石:映像っぽい映像や動画っぽい動画だけがプレイヤーだけじゃなくなるよ。動画メディアだけじゃなく、古いパブリッシャーもプレイヤーになる。News pickもそうだし。なので、どこが勝つかわからない。
- [ ] 前田:ストーリーを持ってる企業が勝つと思っている。ストーリーの定義は、聞いた後に拡散したくなるか。可処分精神を奪うのが必要。ストーリーに可処分精神奪われる→拡散したくなる→拡散される。ショウルームで人気ある子もストーリー性がある。朝5時半に毎日配信している人とか話したくなるる。
- [ ] 明石:それはワンメディアでいう4つの要素のところの、emotional。僕らの動画は4つの要素を入れ込むようにしてある。
- [ ] 佐々木:日本大学の報道ばかりなのは何故。
- [ ] 明石:正義感を振りかざしwinというemotionalを沸き起こすから。
質問:ライブプラットフォームで勝つのは。
- [ ] 前田:運営者の顔が見えるサービス。これが一番大事。インターネット上ではサービスの想いをユーザーがめっちゃ気にする。
質問:tiktokについて
- [ ] 前田:まずやってみれば?
- [ ] 明石:流行ってるから流行ってる。

- [ ] 前田:ショウルーム中国からのユーザー増えてる。バーチャルキャラクターを導入した結果、頑張って中国人が解読しようとしだした。余白の設計が自然とあった。共感というものが、守られていれば、自然と海外に広まる。
- [ ] 明石:アニメのキャラだからという理由ある?
- [ ] 前田:ある。中国でも初音ミクのようなキャラクターがバズっている。その文脈でショウルームに入ってきて、中国語の字幕を作ったりしてくれてる。
- [ ] 前田:あと、演者が、勝手にMV作るという現象も起こってきている。モーションキャプチャーのハードルが下がった。VRをインプットデバイスとして使うというのがそれ。
- [ ] 明石:ワンメディアも字幕色々つけるとすげぇ見られる。でも僕らが作る動画を何故海外の人が見たいというストーリーをどう作るかざ大事。
- [ ] 前田:ローカライズしすぎちゃだめ。
- [ ] 佐々木:クリエイター内部でもつか持たないか問題を
- [ ] 明石:過渡期黎明期においては、中で育てる必要ある。既存の業界の正解持ってこられても違う。正解が見えた段階で外から連れてくる。
質問:心に刺さるストーリー作るには。どうするか。
- [ ] 前田:自分が受けて側として、自分がどんな体験を受けたかを感じる。消費者としてどう感じるかを意識して積み重ねる。供給者側として、想像力を働かせる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フォロー頂けるとめちゃくちゃ嬉しいです!!

Twitterでも気軽に絡んでください。
twitter:https://twitter.com/Yuki56ee?lang=ja

また、以下興味ある方は是非ご連絡を!

ママ特化インフルエンサーPRサービス
「ママグラマー」:https://www.mamagramer.com/

大学生向けメディア「ガクナビ」運営:http://gakunavi.site/
※手伝ってくれる学生大募集中です!!

バーチャルYouTuber専門事務所
「バーチャライズ」:http://www.virtual-tuber.com/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

初の投稿でまさかのサポートを頂き感動しました。頂いたサポートは当面は貴重な生活費として使わさせて頂きます!

ありがとうございます!
81
PLAYER ONE株式会社 代表 動画制作をしています。 企業からの受託制作の他、YouTubeチャンネルの企画・撮影・編集も行っています。 最近自身のYouTubeチャンネルも始めました。https://bit.ly/2KILNHA

この記事が入っているマガジン

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。