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Web制作/Web活用支援のこと

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Web/Web活用支援について考えたこと、学んだことをストックしていきます。
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#Webマーケティング

オーダーメイド系/リノベーション系/リプレイス系。製造系BtoBサイトのWeb制作における3つの区分。

HubSpotでのWeb活用を前提とした「製造系BtoBのWeb制作」では3つの区分があると思うようになりました。 オーダーメイド系 リノベーション系 リプレイス系 オーダーメイド系のWeb制作Web活用未着手の中小企業向け 課題や方針がまだ明確化しておらず、Web活用自体が未経験な中小企業に向いています。制作前の戦略策定に大きく時間を割き、「何のためのWebサイトなのか、事業のどこにどう貢献させるのか、勝ち筋となりうる商材や市場はどれか、必要な社内のリソースや知見

3年後のWebサイトリニューアルを前提とした提案をする。

その会社の規模や状況に適したWebサイトというものがあります。Webだけ独立して考えることはできません。Webはリアルの受け皿だからです。だから、最近はWebサイトの提案をする際に「3年後のリニューアル」も一緒に言及したりしています。同じ理由でデザインギャラリーを見ながら「どんなイメージですか?」とクライアントに尋ねるようなことはしません。デザインだけ理想に近づけてもリアルとかけ離れていたら意味がないからです。 Web活用についての知見や経験がお客様の社内にない場合、最初か

Web問い合わせの「質」をA社様はなぜ変えられたのか。

Webサイトリニューアル前は「製品の金額を教えて」「部品壊れたので見積もりください」といった連絡しか来なかった設備系製造業のA社様(しかも受注にならない)。リニューアルして4年経った今では「◯◯をしたいのですが御社の何を導入するのが最適でしょうか」「GX推進で工場の電化を計画しています。良いご提案はあるでしょうか」といった相談が毎日のように届くようになりました。しかも国内の大手企業から。 最大の成果は「相談相手」として見られるようになったこと 問い合わせの件数が20倍以上

「信用できそう」と思ってもらえるWebサイトが必要になってくる。

何かを購入する前にいろいろ検索して調べるのだけど、情報量も多いし相反する意見が多すぎて選ぶことがストレスになったりしませんか。ぼくはなります。唯一無二の絶対正解なんてないから当然なんだけど。パソコンとか家電とか家具とか長く付き合うものはなるべく外したくないなあ…という気持ちもありつつ、買ったら買ったで何だかんだありながらも使い続ける自分も知っているんですよね。イヤホンを買うのに店頭でAかBかCかと一時間くらい悩んだのに、実際に購入して使い始めたらもう何とも思わない。BやCのこ

企業のWeb活用はそもそも業務なのか問題

創業117年の缶メーカー側島製罐株式会社、六代目の代表取締役・石川さんのnoteを読んで、本当にそうだなあと大いに共感しました。 ちょっと長いですが引用させていただきます。 掃除は始業前なのか問題に対して、「まずは真っ直ぐ正しくやってみて歪みと向き合っていくことが大事じゃないでしょうか」という着地に大いに納得。真っ直ぐやろうぜ。が一番ですよね。JBNの掃除タイムもかつては朝の始業前でしたが、今は業務時間内に組み込まれています。 企業のWeb活用はそもそも業務なのか問題前

「戯曲は人間が何かを始めるきっかけであり、またそういうものを全て戯曲である」と仕事を結びつけて考える。

製造系BtoB企業のW社様のWebサイトを絶賛設計中。いいところまで来ているし顧客も不満はないようだけど、芯となる核が不在な感じ。W社ならではの「選ばれる理由」がまだ言葉にできていない。何も言われてないけれどこのまま進めるのが気持ち悪い。同僚とあれこれ話して、これなんじゃないか?と思える切り口を見つけてワイヤーにして顧客に再提示してみると「これだ」と皆さんの顔が明らかに変わる。その後の話し合いがスルスル進む。そういうことならこういうのもあると関連する情報が色々出てくる。はっき

Webサイトにおける目的とその成果は「こうありたい状況への変化」を語るもの。

顧客企業の課題解決のためにWebサイトを制作する際は目的設定が超重要ですよね。ただ、べき論にならないようにぼくはすごく気をつけています。事業に貢献するための目的設定とべき論は似て非なるものだと思っています。ここの違いは説明が難しくて人によって感じ方が違うと思うのですが。 ぼくの場合、目的は必ず成果とセットで語られるものであり、成果とは状況の変化を指します。もちろん数値的なKPIはあるのですがそれは変化を把握するための指数であって。状況の変化とは「AAの目的を達成したら、営業

コンテンツの活用法の知見は事業会社と制作会社でたぶんそのうち逆転する。

2年前にWebサイトを制作した製造業の社長様からこんなご相談をいただきました。 「社員が頑張って記事を書いてくれているのは嬉しいのだけど、やっぱりユーザー目線での記事を書くのはまだ難しそうなんですよね。お客様側の課題とか潜在的なニーズを想像して書くのがWebコンテンツは大切だと思っているのですがどうも上手くできないみたいで。JBNさんがやっていたテーマの見つけ方とかユーザーのニーズを掘り起こし方とかが必要なんだな…と実感しました。ついては社員のコンテンツ制作の支援を改めてし

Webコンテンツにおいて「ネタがない」と言うのを禁止にしている理由。

Webコンテンツが書けないという方はたいてい「ネタがない」と言います。しかも、書かない人ほど言う。違うんですよね。ネタは毎日の仕事の中にすでにあります。顧客からの問い合わせメールや電話や同僚との会話の中に。ないのはそれを見つける目です。ぼくはネタという言葉が嫌いなので「切り口」と呼んでいます。同じ製品でも角度を変えれば切り口はいくつもあるはずです。 顧客の立場 既存客に説明する場合 新規客に説明する場合 検討中の見込み客に説明する場合 製品の機能 Aの機能にフュー

Webサイトの集客力。

地方中小企業で機器メーカーのA社様。企業サイトとは別にオウンドメディアを3年前に新設して、Web活用支援を伴走。1年前に企業サイトから製品サイトを独立させて制作。公開直後と比べるとセッションが14倍になっていました。 「14倍!スゲー!」と思いそうになるけど、月のセッションが数万ないとWebで戦えない。というか、営業の役に立つWebサイトとはなかなか言えません。 「Webサイトはアクセス数ではありません!キリッ!」みたいな考え方はぼくも否定しないけれど、それと同時に集客で

自社を想起してくれるユーザーを増やす。

BtoBサイトの活用をしているとある時点からダイレクト流入が増えることがありますよね。グラフ画像で見るとブルーの領域です。 1年前と比べると5倍に増えている。ダイレクト流入が増えると、それと比例するように新規リードや問い合わせが増える。まったくの新規企業ということはほぼなくて、すでに数人はリード化している企業であることがほとんどです。 交わされているであろう会話(妄想) つまり、ユーザー企業の中で下記のような会話が交わされていると思われる。妄想ですが。 「◯◯について

「コンテンツディレクター」という職務を一般的にしていきたい。

製造業様のWebサイトを絶賛制作中。事業部ごとのトピッククラスターとピラーコンテンツを設計しています。 未知の業界のことなので知らない専門用語だらけだし、4部門ごとに進めるので頭がパンパンに。最低でも1部門50記事はサイト公開までに書いてもらうつもりなので、4部門で合計200記事になります。それらを全部設計して、顧客と協議して、内容を詰めて、書いてもらって、書いてくれないからお尻を叩いて、褒めて、育てて、ブラッシュアップして、校正して、手直してして、Webページにしていく。

Webサイトは「カオス → 整然」のルートを通って作られる。

仕事の肝のひとつは「複雑/カオスな状態をシンプル/整然とした状態にトランスフォームすること」だと思っています。バリューの源泉ともいえる。仕事は準備が八割とよく言われますが、その大半が整理整頓なのかもしれません。複雑な状態を複雑なままにパスするのは仕事じゃないし価値を生んでいない。 Webディレクターは「複雑/カオスな状態をシンプル/整然とした状態にトランスフォームすること」にとても近い職務だと思います。企業の各Webサイトを作るには「カオス → 整然」のルートを通らざるを得

「Webサイトのリノベーション」という考え方。

住宅にリノベーションがあるようにWebサイトにもリノベーションがあっていいと思うんですよね。全部を壊して新築するだけが能じゃないし、顧客企業のニーズも「新しいWebサイトがほしい!」という訳ではない。 営業に役立つ問い合わせを増やしたいとか、顧客管理のデジタル化を進めたいとか、建て増しを続けて迷宮のようになってしまった管理ツールを一本化したいといった様々な顧客のペインに寄り添うことが大切で。結果的にWebサイトリニューアルになったとしても、「今回の主題はリノベーションである