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デジタルマーケティングの未来を花王に見つけた話

花王といえば皆さまご存知、国内トイレタリー市場No.1の大企業です。代表的な商品はビオレ、メリット、クリアクリーン、バブ、めぐリズム、アタック、リセッシュなどなど。美容からヒューマンヘルスケア、ホームケアまで幅広く商品展開をしています。

また、東京ディズニーランド(スプラッシュマウンテン)やディズニーシー(トイ・ストーリー・マニア)のオフィシャルスポンサーを務める事からも、花王=マーケティング上手という印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。

ただ、花王=デジタル?という人も多いと思います。
今回、私が調べていく中で、花王はAIや音声といった派手な施策はないものの、本質的なデジタルマーケティングへの取り組みを進めている事が分かりました。本記事ではそちらを簡潔に紹介していきます。

そもそも花王のマーケティング課題って何?

業績だけ切り取ると増収増益の花王ですが、花王のデジタルマーケティングセンター 石井龍夫氏はインタビューでこんな事を語っています。

花王のかつての勝ちパターンは「お客様の声に基づく商品作り」と「大量のテレビ広告」だった。しかし、それだけでは商品が売れなくなっている。
(web担当者forum 2017年記事参照)

答えは非常にシンプルで「テレビ広告では情報を届けづらくなっている」ということだ。実際、同インタビューで「CMの投資対効果が2010年から悪化している」とも回答している。

理由は説明するまでもないが、若年層を中心としたテレビ離れです。
花王の扱う商品は一般消費財なので、認知度が売上に直結します。その為、花王は国内TOP3に入るGRPを投下し続けてきましたがその効果も薄れてきたということです。

マス→スモールマスにマーケティング戦略をシフト

花王は、消費者が利用するメディアに合わせて、広告費用をマス→デジタルに上手くスライドしています。
ただし、花王の上手いところはこれだけで終わらないところ。表面的に接触するチャネルを変えるだけではマーケティングは成り立ちません。

いきなりですが、花王の歯磨き粉って何個あると思います?

、、、答えはなんと29個!
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花王は、デジタルメディアの特性である「細かいペルソナを的確にターゲティングできる」という点を活かし、商品もペルソナ毎に細分化して開発しています。

また、あくまで個人的な仮説ですが、商品開発のフローも大きく変更していると思います。
普通、ペルソナから考えて商品を開発しますが、先にメディアを選定し、そのメディアの生態系に合ったペルソナ設定&商品開発をしている可能性もあるかと。

今まで  : ペルソナ設定 → 商品開発 → メディア選定
これから : メディア選定 → ペルソナ設定 → 商品開発

具体的な例として、
「リーゼ プリティア」という髪染め商品では、Twitterにいる「漫画」「アニメ」「声優」といった趣味を持つユーザーが多く髪染めアイテムを使っているという事が調査で分かったそうです。

そこで、通常より多いカラーバリエーションを展開し、対象ユーザーのニーズを満たす商品を開発しています。
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更に、プロモーション用のコンテンツとして自社でアニメ番組まで制作。
このアニメが流行っているかは置いておいて、一貫した素晴らしいマーケティング手法だと私は思います。

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纏めると花王の素晴らしいところは2点。

1つは、メディアのデジタル化に合わせて製品~プロモーションまでを一気通貫で変革していること。
2つ目は、デジタルメディアを起点としたマーケティング戦略を考えていること。

これぞアフターデジタル時代に求められるマーケティング活動ではないでしょうか。

今回は以上です。
前回のゼクシイの記事が好評だったので、第二弾も書いてみました。

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