
想像ファースト。つくる人のためのオゾン荘
はじめに
いつも生暖かく見守っていただいている皆様への現状報告のような記事を書きます。
まず今年の6月24日、Ozoneの創業記念日に「生き延ビル」というビルをつくるプロジェクトを立ち上げました。
詳細は上記記事にまとめてありますので、本記事で詳細は割愛いたします。(割愛ってよくみるとすごい漢字ですね)
さて、こちらの現状です。
結論から言うと、ビルは高くて買えませんでした。
調べているうちに、最低でも2千万ほどの購入予算と、数年維持管理できるだけの安定した企業体力がないと難しいことが分かりました。
また、生き延ビルは岡本太郎でいうところの「岡本太郎美術館」です。
でもOzoneはまだ岡本太郎でいうところの「太陽の塔」を作れていないんじゃないかとも思いました。
であるならばまずは「太陽の塔」(的な代表作)あるいはそれを創るに至れる場を拵えるところから始めようとなり「生き延ビル」プロジェクトのフェーズ1として「Ozone荘」を創ることにしました。
そして、ありったけの資産をかき集めて、買ってしまいました。家。



場所は神奈川県南足柄市。
Ozone自体も本社をここに移すことになります。
周りはのどかな里山。日本の原風景が広がっています。
野生の果樹園が至る所にあり、美味しい湧き水が湧き出て、最寄駅までも、滝までも、車で10分ほどの距離です。
音であらわすとこんな感じ。



コンセプトは「想像ファースト。つくる人のためのオゾン層」
詳細は後日まとめてシェアできればと思いますが、ざっくりいうと
・アーティストインレジデンス
・シェアアトリエ
・会員制別荘(シェア隠居)
・リトリートセンター
・カフェ&バー
などの機能を持つ場所になっていきそうです。
そしてもちろん「逃げBar 」も敷地内に移転します。(今のところ納屋のひとつを逃げBarにする予定)

空間展開予想
空間は生き延ビル構想時と同様、Ozoneの過去作を並行世界として常設展開していく予定です。







(画像はあくまでイメージです)
たぶん内装が完成するまでは数年かかりそうなので、つくりながら招き、開く場になっていきそうです。
このようにそれぞれの部屋に物語があり、既にたち表した世界の名残や文化があり、一度絶えたはずのハレがケに転じた逆転並行世界となっています。
想像ファーストの暮らし
コンセプトについてです。
ご存知の通り(?) Ozoneは”そうぞう機会の最大化”というパーパスを眼差し続けているわけですが、Ozone荘はそのための余裕や猶予をつくる場になります。
フェスティバルという形式で作品づくりを続ける中で、多くのアーティスト、クリエイターと関わってきましたが、作品制作一本で生きている人は本当に一握り。
別に、創作一本で生きられなくてもいいとは思うんです。
いろいろやりながら、たまに創作する、がちょうどいい人だっていると思います。
一方で
「食べるためには働かなきゃ」
「まずは仕事しなければ」
「仕事で時間がなくて」
なども大変よく聞く言葉です。
想像ファーストに生きることは、なかなか難しい。
しかし才能あるつくり手が不景気如きに埋もれてしまうのは、そうぞう機会の損失です。
労働の主な目的は賃金ですが、賃金の主な目的はなんでしょう?
家賃、食費、光熱費、通信費、などですかね。
あと最近だと推し活のためとか。
Ozone荘は、そのうちのだいたいを保障できる場にしたいなと思っています。
具体的にいうと「未・住・食」を保障します。
「未」は未知の未です。
未知の体験をつくることはOzoneのお家芸なので
暮らしの中や、イベントの中で、様々な未知に遭遇していただけます。
「住」はその名の通り、家を買ったので、住めます。暮らせます。
「食」はですね、荘から徒歩2分ほどの場所に果樹園付きの農地を借りました。

自分で耕し、自分で育ててもらうことにはなりますが、お米も野菜もこちらで自給可能です。
あと山に入れば猪や鹿はわんさかいます。食べたい人は狩猟免許取ればそれも自給可能。川で釣り糸垂らせば、川魚も釣れる土地です。
水は美味しい湧き水が徒歩圏内にこんこんと湧き出ています。
・
Ozone荘はそうぞう機会の最大化のため、つくる人のためのオゾン層としてそうぞう機会を守り、想像ファーストの暮らしを営める膜です。
・
想像ファーストの暮らしとは娑婆からの退却(Retreat)を孕むものです。
日常的な暮らしと距離を置いた空間での滞在は元々いた世界を俯瞰的に眺めることができます。
俯瞰的に眺める中でそれを訝しみ、また慈しみ、理想地を想像し、守るべきものと変えるべきものが整い、明日から日常を力強く生きるセッティングの時間にもなるでしょう。
退却というと逃避を許容する場であった逃げBarと通ずるところでもありますが、今回はBarから家になったので、滞在可能時間が大幅に延びます。
それにより一時的退却のみならず、娑婆からの完全脱却も可能になります。
・
想像ファーストの暮らしとは、プロトピア的生活を示唆するものでもあります。
プロトピアは、ユートピアの理想主義やディストピアの悲観主義に対し「昨日より今日が少し良くなる」漸進的な進化を目指す未来観です。完璧さを追求せず、現実的な課題を改善しながら、多様性や持続可能性を重視した社会の発展を実現する考え方です。
大きなビジョンなき現代において本来ローカルにプロトピア的生活が営まれて然るべしなのですが、前述の通り余裕も猶予もない日々の切迫感の中で、プロトピアに最も必要な訝しむことや慈しむことといった想像力を扱える機会が不足しています。
AGIへのカウントダウンが始まりそのグラデーションの只中にいる現代において必要なのは課題解決能力ではなく、課題の先にある良いビジョンを想像し、それが良いことであるという実感を抱けるに至る力です。
「良さ」の質感とでも言いましょうか。例えば全宇宙の量子配列を自由に操作できる技術を得たとしても「どうしたいか?」「何が良きことか?」をテクノロジーは教えてくれません。
足るを知るは美しく保存すべき精神性ですが、Ozoneの謳う”そうぞう機会の最大化”は全宇宙がプログラミング可能になった遥か先の未来も想像範囲に含んで目指す指標であり、常に未知を生成し、新鮮に世界を冒険し、まだ見ぬ希望を探す旅であり、その道程で耕された土こそが未来に必要な遺すべき資産だという考え方です。
下記はOzone DAOを制作した際のステートメントですが、今回にも通ずるものがあるので再掲。


Retreat & Imagination.
Ozone荘はそんな場です。
これまで手がけてきたハレの場ではできなかった守のそうぞう機会を最大化します。
これからのこととお願い
どのようにしてOzone荘に関われるのか、具体的な方法は現在取りまとめ中なので、こちらもまとまり次第、noteの記事にしようと思います。
取り急ぎ現在決まってきたことを発表します!
①来年2月7日~3月2日の期間でご祝儀を募ります。
上述のようなイメージしている内装を実現するために新しいクラファンの形式を開発しました。並行世界、共につくりましょう!
突然ですが、、、
— アメミヤユウ/体験作家🫧2/12はダンス風呂屋 (@amemi_c5) February 4, 2025
まったく新しいクラファンの新形態をつくってしまいました。
プラットフォームを使わず、お金を集めず、金額にかかわらず好きなリターンを選べるので、資本主義の基本原理からちょっと外れています。
あと3日でお披露目。
Ozone荘の並行世界、共につくりましょう🫧#Ozone荘 pic.twitter.com/jgKAGeScUK
②2月8日にオープニングイベント開催決定!

だいたい11時ごろから始まって、夜20時ごろには終わるイメージ。
コンテンツはまだ未定ですが、ひとまずOzone流の地鎮祭を執り行い、家の中ではRetreat roomでサウンドバスやサイレントフェスが展開されてたり、キッチン好きに使ってもらって、至る所で飲み食いできて、人と人、人と場を繋げられたと思っています。近くの湧き水を使ったコーヒーやハーブティーも出したい。
ひとまず参加できそうな方は下記のLINEオプチャまでご入室お願いします!
こちらの中で住所やアクセスについてもお伝えできればと思います〜。
乗り合いとか送迎とか色々手段はあるので、車持ってなくても大丈夫です!
③その他お力賜りたい事項
・家購入でOzoneの体力ゲージは瀕死寸前、火の車。まずはOzoneを生き延びさせなければということで、お仕事ください!
下記、Ozoneでできるお仕事一覧をまとめたカタログになりますので、ご高覧の上、何かお力添えできそうなことがあればお気軽にお問い合わせください!カタログ内に、さらっとまだ未発表の新規事業も載せています。

下記はOzone荘に欲しいものをまとめたウィッシュリストです。
Ozone荘へのクリスマスプレゼント、お待ちしてます!
おわりに
最後に、Ozone荘において多用している「膜」という概念について。
これは「なめらかな社会とその敵」においても論じられているように、様々な領域を仕切る柔らかく透過的な境界を表す概念です。
硬直的な壁ではなく、外部からの影響や資源を部分的に取り入れつつ、内側の秩序や特徴を維持する「半透膜」にして「玉蟲色」のシャボン玉のような膜。
膜は完全な統合や閉鎖を避けながら、様々な要素が適度な距離を保ち、相互に影響し合いながら共存するための柔軟な仕組みであり、生命がエントロピーの増大に逆行し秩序を保つため、つまり生きるための基本的な構造です。
世界の遍く概念は双生するため、内が生まれれば外が生まれ、味方が生まれれば敵が生まれ、この世が生まれればあの世が生まれるわけですが、細胞膜からブレーン宇宙論におけるこの宇宙そのものに至るまで、様々な層を貫き、内と外を淡く隔てつつも、両者が絶えず行き交う半透性の境界こそが、あらゆる領域にひそやかに潜み、生命と宇宙の秩序を紡ぐ「膜」という普遍的な仕組みなのだと思っています。
Ozone荘は12の区画それぞれを膜として扱い、過去、現在、未来、虚構、現実がエンタングルメントし重なる並行世界を展開します。すべての膜の境面は半透であわい、ありて、ないようなものです。
それは小説の段落のようになめらかであり、物語り得る奥行きと変化を与えるもの。
同時にOzone荘全体も1つの膜であり、様々な膜の群体、ブレーンランドスケープやハウスインスタレーションのような単一のオブジェクトとも、システムとしての本質を持つ系や環境そのものとも捉えられます。
継ぎ目のない”あわい”として外界に接しながらも、そこはこれまで耕されてきた文化の堆肥が発酵する領域であり、想像を阻害する恐れからつくり手を守り、新たな想像の苗床へ地力を与える、幽玄夢幻の複合並行膜世界(Entangled membranes)
Ozone荘、膜開けです。
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続きの記事を更新しました。
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