人類最後の祝祭へのお誘い-体験小説「RingNe」第3章のあらまし-
*はじめに
2046年、人々は電脳世界へ引っ越すことができるようになりました。それによって地球上から物理的な存在としての人類は次々に消え、物理世界や電脳世界の管理はAIの仕事となっていきます。
しかしその中には電脳世界への引っ越しを選ばず、物理的な存在のままに自然な終わり方を選んでいく人たちもいました。しかし人口が減るにつれ、社会機能は脆弱になり、医療も崩壊し、感染症により人々の死亡率は高まり続けています。
地球上の多くの人が”電脳世界へ引っ越し永遠の生を得る”か、”最後まで物理世界に残り自然な死を得る”か、最後の決断に迫られていました。
そこでとある人が呼びかけました。
「最後に、祝祭をしよう」
このまま少しずつ人口が減って何もできなくなる前に、多くの人が集まるからこそできて、命の根源的な祝福を分かち合う手段として、最後の祝祭を提案したのです。
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こんな空想の世界線における「人類最後の祝祭」を
2025年 9月20、21、22日に神奈川県 南足柄市の廃校キャンプ場「CAMPiece」を貸切、開催します!
本作のあらまし
空想の世界の物語を、実際にその世界にいるような感覚で共に制作し、体感する作品形態を「体験小説」と呼びます。
今作は「RingNe」という体験小説用に書き下ろした原作小説の第3章を現した体験企画です。
イベントは「イマーシブギャザリング」という体験小説における新たな形式にて開催いたします。聞きなれない名詞が多く恐縮ですが、、1つ1つ、紐解いていきますね。
-イマーシブとは-
直訳すると「没入」です。昨今話題を呼んでいるイマーシブフォートなどで展開される「イマーシブシアター」という没入型演劇で聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ざっくりいうと”物語の世界に入り込んだような没入体験”を双方向的な行動によって味わえる、というようなものです。
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-ギャザリングとは-
「集い」を意味する言葉です。運営がいて、来場者がいるのではなく、主客のない純粋な集いです。特定のコンセプトのもとその期間を共に過ごすことを言います。
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-イマーシブギャザリングとは-
上記2つの意味を単純に繋げると「没入型集会」となります。
冒頭の文章のような世界に実際にいるつもりで、それぞれが自由に企画し、立ち居振るまい、暮らす集会です。最後の祝祭という設定に没入し、あなたが表現したいことや、実際にその現場にいたらこうするだろうなぁ、ということを自由闊達に表し、その連なり、重なりから1つの空想世界を一時的にでっち上げ、体感します。
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例えば「最後は皆の前でライブがしたい」「焚き火を囲んでこれまでの人生を語り合いたい」「大好きな料理を皆に振る舞いたい」「1人で小説を書いて過ごしたい」「何もせず終わりを待ちたい」など、死生観は人それぞれにあります。
その様々なリアルが、廃校を舞台に各教室や校庭や体育館など、それぞれが過ごしたい場所で自由に表現され、3日間の暮らしの中で、実際に”2046年、人類最後の祝祭”をつくりあげよう! 没入体験しよう! というある種「架空の、でも確かにその場に存在する別世界を共につくってしまおう」というお誘いです。
(上記は世界的に有名なギャザリング「Burning Man」の模様)
それは誰かが作った非日常的な世界ではなくて、この企画に関わる人たちだけが味わえる、ここでしか生まれない、唯一無二の特別な世界の体験となります。世界中どんな国に行っても味わえない、特別な異世界体験です。
そして実は冒頭の文章は小説の一部であり、このイマーシブギャザリングには原作となる物語があります。それが「RingNe」という、本記事の筆者である、体験作家のアメミヤが体験小説用に書き下ろしたSF小説です。
(下記より全文無料公開中)
「RingNe」は過去2年間、場所を同じく南足柄市内でイマーシブフェスティバルとして開催してきました。
過去2年間で入れ替わり立ち替わり、合計300名以上が共犯者(共に体験小説を制作するアートコレクティブのような関係)として参加してきました。
アーティストやダンサー、演出家などクリエイティブ技能を持った人もいれば、普段はサラリーマンや主婦をしているという方もいて、参加者層は10代〜60代まで多種多様です。(それだけ、フェスティバル制作は全ての人が個性を活かせる場なのです)
毎年公募を行い共犯者を集い、新規の方と既存のメンバーがいい塩梅で新陳代謝し、入り混じっています。
(下記noteは2年目の開催まえに書いたnoteです)
共犯者の様々なレビュー
体験小説という作風のユニークな点の1つは、実際に開催時やその制作プロセスにおいて起こった現実が、終演後に新たに原作小説に追記され、空想世界の小説と現実世界の体験が、入り混じった物語が最終的に現れるというところです。
例えば『RingNe2章』では作中に登場するダイアンサスという組織を深掘りする中で、祭りの名称が変わり、新たなコンテンツが出現し、新たな登場人物が生まれ、新しい物語が追記され、その交わりの中で、本編の主人公の立ち居振る舞いや、最後の結末や台詞が変わったりもしました。
つまり体験小説は、物語の世界を現実に現すだけでなく、皆さん自体が小説の世界の登場人物にもなるということです。
ちなみに「体験小説」という作風は今作「RingNe」以外にもイマーシブシアターや展示、短編から長編まで多種多様な形で作ってきました。過去どんなものがつくられてきたのかは、下記のコンセプトムービーをご覧ください:)
整理すると、2025年に開催する「イマーシブギャザリング RingNe」は「体験小説 RingNe」の3章目であり、開催形式としてはこれまでのようにフェスティバルではなく「イマーシブギャザリング」という新形態になります。
体験小説について更に詳しくはこちら
そして!
2025年9月に開催する「イマーシブギャザリング RingNe」に共犯者として皆さんをお誘いしたい! というのが本記事の目的です。
それにあたって、もう少し詳しく、本作の詳細をお伝えできればと思います。
*本作の特徴
①主客混然
本作はギャザリングですのでサービスを提供する運営も、ただそれを享受するだけのお客さんもいません。自分も含めて全員が参加費を支払い、主客混然となり、自分たちのために自分たちで最高のギャザリングを共につくります。
具体的には今回、チームとして担う「職」と共犯者それぞれが個人的に行う「植」と2つの役割を、皆さんそれぞれに担ってもらおうと考えています(ネーミングはまだしっくりきていないので、もっといい案あったらぜひ教えてください・・・)
「職」はギャザリング全体のためにチーム制で動く役割です。
現状下記8種類の大カテゴリーと16種類の中カテゴリーで考えていて、技術や経験問わず、それぞれの関心領域にあわせて参加時に1つ選んでいただこうと思っています。
「植」は全体の動きとは別で、個人として人類最後の祝祭で行いたいことや、表現したいことです。
個人で何かを出店したり、パフォーマンスしたり、作ったりも良いですし、もちろん「何もしない」とか「好きな人と共にいる」とか、個々の死生観に基づいて、それぞれのリアルをそのままで大丈夫です。
また「植」も個人単位でなくチームで何かを作ったりしてもOKです。(チームで大きな屋台を作るとか、村を作るとか etc…)
②非中央集権
今作に関わる共犯者集団を「RingNe DAO」と呼称します。
す。DAOとは自律分散型組織の略称で、将来株式会社に変わる組織形態として世界的に期待されているものです。
具体的には全員がオーナーシップを持つことで既存のピラミッド型の組織形態と異なり、中央がいない自律分散的な意思決定を行うことができます。
今回の運営はDiscordというチャットツール上で主に行いますが、これまで必要だった中央的な動きはAI botによりまかない、資金の流れは常に透明化され、僕らは割り当てられた予算内でそれぞれのセクションごとに制作進行していきます。(Discord使ったことのない方や、テクノロジーが苦手という方も、1からご案内していきますので、安心してください)
またDiscord上でスタンプによりトークンエコノミーを発達させ、日本円ではない「徳」により循環するオルタナティブな経済システムも開発中です。
(この辺りの詳細は文章だと分かりづらい&膨大になってしまうので説明会時にご説明します)
※DAOへの加入にあたって入会金や契約の類は一切ありません。いつでも入って、いつでも抜けられますし、匿名のまま参加することも可能です。
③264日間のイマーシブ体験
2046年「RingNe3章」の世界は2025年1月1日よりスタートします。作中同様、人類の絶滅が見え、祝祭の制作が始まるのが1月1日です。
2025年1月1日以降、僕らは2046年「人類最後の祝祭」を制作中のRingNe世界にいる住民たちとして、互いに関わり合います。
なので本作は実質的に、祝祭の準備期間中も含めた264日間のイマーシブ体験となります。
例えば「電脳世界に行く前に皆で富士山に登りたい」とか「本番に向けてバンド組もう」とか、本番前の時間から「人類最後の時間」としての没入体験が始まる可能性もあります。
或いは人類が絶滅しないためにはどうすればいいか、と策を講じる始める一派が現れるかもしれませんし、今からシェルターを作ろうという人たちが現れるかもしれません。体験小説は本番のみならず、そのプロセスの全てを作品として包括しています。人によっては開催までの時間こそがむしろ、変え難く重要な体験になることもあるでしょう。
なので2025年1月1日から始まる本作に参加することは、最大500名の一斉終活と言い換えることもできます。(タナトスや希死念慮の扇動といった趣旨、演出は一切ありません)
共犯者それぞれ人生でやり残したことを叶える時間としても、本作を活用してもらえればと思います。
今世で今作と同じシチュエーションを迎える確率は低そうなので、恐らく人生で最初で最後の変え難い歴史となるでしょう。
また制作期間中は「職」を跨いで共犯者間で交流できる機会をたくさん作りますので、最後の時間を迎えるにあたって良い巡り合わせがあるかもしれません。
*八職について
ギャザリング全体のためにチーム制で動く役割「職」について、大カテゴリー8種の具体的な内容を記していきます!が、やっていくうちに増減可能性ありなのでご了承くださいませ。
🎧音:
体育館のステージはライブやDJなどパフォーマンス系のステージにする予定です。そこで必要な音響や照明機材の選定や調達、当日のPAやステハンなどの演出業務や、出演希望者のタイムテーブルの調整や情報回収等、音楽フェスのステージ担当的なポジションです。
イベント制作に興味があり、音楽や舞台芸術が好きな人におすすめ。
🎋飾:
ステージやエントランスゲートなど会場内の美術をつくり世界観を演出したり、来場者が迷わないようにサイン(駐車場ここですよとか、本部ここですよとかが分かる看板や布など)を作成するポジションです。
デザインや美術の作成、世界観を表現することが好きな人におすすめ。
📗物語:
イマーシブギャザリングのイマーシブ要素を担当します。RingNe3章の文間を読み解き、物語の世界を現実に表すための仕掛けや、ディレクションをしていきます。例えばギャザリング内でイマーシブシアターを催したり、全参加者に共犯してもらうため人類最後の祝祭を迎えるまでの日々の没入感を高めていきます。
イマーシブ体験や、演出に興味がある人におすすめ。
🤝運営:
RingNe3章が成立するために、全体調整をしていくポジションです。例えば新規の方への説明会の実施や、役割が未定の方への案内。コミュニティマネージャー的に内部の関係性が良くなるような動きも担当します。当日は受付や本部も担い、皆の頼れる統括役となります。やることは多いですが、イベント制作全般が学べて、最も多くの人と関われる重要な役割です。
全体管理やイベント制作の学びを得たい方や、人が好きな方におすすめ。
🔈広報:
共犯者を増やしてギャザリングを大きくしていくためのPR施策の実施やSNS運用、PRに必要なデザイン等をしていくポジションです。RingNeのPRやブランディングを担います。
広告やSNSが好きな方におすすめ。
🍽️食:
3日間共犯者たちの胃袋を満たすためのまかないを作ったり、フード系の出店の管理をするポジションです。家庭科室にたくさんのコンロや調理器具、カトラリーがあります。人類最後の祝祭をどんな献立にするのか考え、食材調達から調理まで担当します。
料理や食べ物に関わることが好きな方におすすめ。
🏕️生活:
参加者の生活全体のケア、調整をするポジションです。例えばテントの配置やレイアウト、ゴミ箱の設置などの美化や、シャワーの順番管理や、会場内焚き火の管理等、生活全般のサポート、調整をします。
細かいケアが得意な方や、キャンプが好きな方におすすめ。
🚗車:
駐車場の管理をしていただくポジションです。例えば誰の車か分かるように駐車許可書を作って名前と電話番号を書いてもらい管理可能にしたり、当日はちゃんと全員が入るように整列して駐車してもらうよう案内したり、参加者間の車の乗り合いをサポートしたり、場合によってはマイクロバスを手配したりします。こちらも参加者の足を担うとても大切な役割で、終わった後にはきっと大感謝されます。
車が好きな方、人のために何かすることが好きな方におすすめ。
*参加方法や予算管理について
まず、今回の参加費は下記のようになります。
【早割】通常チケット(3日間通しキャンプサイト付き):100枚・¥10000
【早割】1Dayチケット(1日入場キャンプサイトなし):100枚・¥8000
【通常】通常チケット(3日間通しキャンプサイト付き):100枚・¥13000
【通常】1Dayチケット(1日入場キャンプサイトなし):200枚・¥11000
合計500枚です。それぞれ駐車券もつきます。内訳の理由としては、キャンプは基本校庭内のみとなるのですが、そのキャパがmax200となります。あとは駐車場の関係から各日+100名の1Day参加者がmaxくらいなので、この内訳となっています。ちなみに早割は年内2024年12月31日中までで、それ以降の余剰枚数は通常チケットの枚数へ加算されます。
加えて今回の会場費が¥594,000となりますので、開催2ヶ月前にはチケット販売を締め切り、その時点での総予算から会場費とチケット手数料を差し引き、その他の余剰分を各セクションに割り振っていき、予算とする形になります。
また「植(個人的なコンテンツ)」や交通費については基本全て持ち出しとなりますが、会場費等を差し引いた予算が、各セクションの申請予算を割り振ってもまだ余る場合は、全体で協議の上コンペ的に運営予算が必要な「植」にグラントする可能性もあります。
チケットの購入方法はPeatix(チケット管理サイト)からの販売を予定しています。2ヶ月前には締め切るので7月20日が締め切りです。
早く購入するほど、早くから関係性が作れるし、イマーシブ体験ができるので、おすすめです!ぜひ1月1日から共にはじめましょう!
Peatixはまだ公開していないので、参加予定の方はこちらのLINEグループまでご参加お願いします。
*会場について
取り急ぎこちら会場視察時の写真一覧です。
https://www.canva.com/design/DAGSgRaClhk/L17zPhi2YrwCNbVG250FGQ/view?utm_content=DAGSgRaClhk&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=editor
なんと学校の校章がRingNe2章のロゴと同じ。
基本的に電気ガス水道、Wi-Fi、使えます。
音出しもdb規制ないそうです。(夜は20時に大きな音はSTOP/小さな音はOK)
レンタル備品も豊富なので、下記よりチェックしてみてください!
アクセスはこんな感じです。
最寄駅から徒歩だと厳しい距離なので、皆で乗合しながら集まれるといいなぁと思います。(予算が出ればマイクロバスのチャーターも)
*何のためにやっているのか
完全非営利でこれだけのことをやっていると背景が怪しまれると思うので、全て明かします。
体験小説という作風は、僕の人生哲学や世界観の集大成のようなもので、それを作り続けること自体が1つの存在証明というか、生きていていい理由に感じています。
体験小説は長編だと1作に3年かけているのですが、更に言うと2016年から14年間かけて全12作をつくるグランドプランがあります。
その中で「RingNe」は生命というものに向き合って書いた作品です。
デフォで無常感が過ぎる性質のため、生きることにあまり前向きではなかったのですが、人が生きていていい理由や、生命がもし美しいとしたらそれはなぜかをRingNeを通して考えていくうちに、ただ物理を観察するのではなく、それを物語れる情緒を大切にしてみたいと思い始めました。
そしてRingNeでは生命の三幕構成「生→在→滅」を「巡→祝→美」と解釈して、ただ生まれて滅するだけではない物語を書きました。
それは”人が植物に輪廻する世界”というテーマで描き始めた本作における植物の生命感覚から学んだものでもあります。明確に死の基準がなく、種の単位で生きる植物たちの完全性に人の社会も生き方ももっと倣うことができるのではないかと思いました。
現代の一般的な死生観は死んだら終わりで、その喪失の悲しみはなかなか癒えないものですが、RingNeで描いた世界では生命は流動的な状態そのものです。死後、植物になることが明確に分かってしまった故に、植物の生命権が向上し、その在り方に倣うようになります。
一方で植物と対比して、人で在ることの価値を再考する動きも出てきます。生命が流動性ならば人で在る状態とはどんな意味があるのでしょう。
体験小説はアートの領域でいうとリレーショナルアート(関係性の芸術)というジャンルが割りかし近いのですが(明確には違う)体験小説における物語とはある種ブラックホールのような質量そのものです。
質量は重力を生み、引力を生みます。その重力は地球とは異なるため、相対性理論により時間の流れも変わります。時間や重力が変われば、人々の営みも関係性も変わります。
これは形而上的なメタファーではなくて、たとえば紙を紙幣として価値あるものとして流通させることや、民主主義の仕組みそのものだって、ある物語を共同で信じているからこそ、その重力に引き寄せられているからこそ、成立するものです。
現在成り立っている今の地球の歴史とは別の物語を作ることで、時間も空間も別な特殊な関係性を、体験小説の期間内は体験することができます。それはブラックホールのように恒常的なものでも強烈な重力でもなく、日常生活に併走する微弱な重力です。
それ故に、この世界と共存しながら2つの世界を同時間軸で体験できるのが体験小説の1つの魅力だと思っています。人には想像力があるので、フェーズによって質量を自ら高め、強烈な重力にのめり込むこともできるし、吸い込まれないように静観することもできます(でも中にどっぷり没入した方が絶対に面白いです)
たとえば昨年のRingNeは2045年が舞台だったため、共犯者たちは2024年の身体と2045年の思想がごっちゃになりながら制作期間を過ごしていました。その結果、空想の設定が日常に影響したり、植物との関係性が変わったり、通常生きている中ではあり得なかった身体知や発見を獲得することになりました。
この特殊な時間と関係性を共に過ごすことは、ある種もう1つの歴史を共に紡ぐことでもあり、マルチバース的に同時間軸で別の世界線を想像し創造できる営みは実に人間的であり、それをプリミティブに共同体験することで僕らは今ここでない世界の体感を、確かにすることができます。
そのクオリア、その歴史は、体験小説以外で起こり得ることはなく、人類の想像力の貴重なサンプルとして文化人類史にストックできるばかりか、この体験を経て娑婆の世界に帰った人々がこれから何をしでかすのかという未来への希望まであります。
そして何より、架空の世界の文間を想像して、創造する営みは、愉しいものです。この愉しさを多くの人たちと分かち合いたい。共にもう1つの世界を創り、あるかなき歴史を共編したい、と思います。
そうやってよりよい世界の形を想像し、小さなコレクティブの中で新陳代謝を起こしながら創造し、プロトピア的に改善を進める様は、大きな希望となる物語を失った現代に必要な遊び方なのだと思います。
2度と体験できない、またとない世界を生きるために。
*よくありそうな質問
いまリリースしたばかりなので当然まだ質問はないのですが、想定で先回してお答えします。またいただいた質問は随時こちらに追加していきます!
①個人的なコンテンツ(植)は何をやってもいいの?
できる限りOKにしたいのですが2025年の法律には則ってくださいませ。会場側でのチェックもあるので、事前に内容の提出が必要です。また他の人の危害を加えてまでの自由は、この世界でこれだけ共に暮らしてきた中では起こりづらいかと思いますので、ストーリードリヴンでいい感じにやっていきましょう。
基本的にはなんでもOKにしたい心持ちでいるので、まずは自由に考えてみてください。
②何もスキルや表現できることがなくて不安
ギャザリングは綺麗事じゃなくて本当に全ての人に必ず最適な役割が見つかる場だと思っています。そういう人こそぜひ飛び込んでみてほしいです。コンテンツはソロじゃなくてもDAO内で面白そうなコンテンツにサポートで入る形でもOKですし、自分で全部やらなくてはいけないことは決してないので、安心してまずはご参加ください!
③どれくらいの参加時間が必要なの?
1月1日から本番までというと「仕事との両立が・・・」と不安に思われる方もいるかと思います。「職」というネーミングが悪いと思っているのですが、いわゆる仕事的な忙しさはないようにしたいです。
各セクションごとのチーム制になるので、それぞれ無理のない範囲でできることをやって進めていただければと思います。月2程度の全体ミートアップもありますが、基本参加は任意です。(後半の重要な時期になると情報共有のため参加をお願いすることもあるかと思いますが、、、)
ただ傍観者としての参加はご遠慮いただきます。あくまで共に作り上げる共犯者としてのご参加をお待ちしています!
④どういう人が参加しますか?
これまでのRingNeは唯一無二のコンセプトに惹かれて赤ちゃんから壮年まで多種多様な人々が、海を超え山を越え参加してきました。ボリュームゾーンで言うと2〜40代ほどで、会社と兼業しながら適度に携わる人もいれば、自己成長や経験のためにフルコミットする人もいます。今回はキャンプなので、アウトドアや音楽や文化祭のような雰囲気が好きな方が多く集まるのではと予想していますが、なんか面白そうと思った人が来ているので、そう思ったら来てください。
⑤参加するにはどうすればいいですか?
こちらのnoteを読んでいただいて参加したいと思ってくださった方は、こちらのLINEグループに取り急ぎご参加をお願いいたします!
その後、オンラインでの説明会日程を随時LINEグループで共有しますので、お手隙のタイミングで説明会にご参加いただき、コミュニケーションを経た上で参加されるかどうか、参加できるかどうかをお互いで決めていければと思います。
*大まかなスケジュール
今後のざっくりしたスケジュールイメージです。詳細は皆で決めていきましょう。
*おわりに
最後に、体験小説のステートメントです。
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またとない世界で生きるために。
川の流れのように無常、無変の生きる営み。 どこから見ても常に変わっていて、どこから見ても何も変わっていない この無変無極の場に、儚さや虚しさという情念が過る。
僕たちは言葉を用いて世界をフレーミングして 群れを成し、共に信じることで、 この情念に飲まれず耐えてきた。
それは今も尚、流れ続ける川の流れに攫われないように 必死にこしらえる救命道具。それを物語と呼ぶ。
オオツノジカのツノのように過剰に成長してしまった人の意識は 存在しない賢者の石を探すように、意味を探し始めた。
人がこの宇宙にいる意味、私が生まれた意味、この仕事の意味。 それはまるで幻のように美しい瞬きを残しながら。
その特殊な指向性が僕らの世界を生み出した。 自然は精霊になった。天の川に恋が生まれた。天地は神が創ったことになった。 大地は区画され価値になった。樹木は紙幣となり経済というルールができた。 無変無極の悠久な無に、魂が吹き込まれ、アニメーションとなった。
物語ることで意味を宿したこの宇宙の想像譚を 何度でも繰り返そうとつくったのが体験小説である。 川の流れに飲まれないように、神なき世界でも土着的に新たな希望が生産され続けるように。 神が生まれるまでのメソッドを応用し、神話を語り、儀式を行い、聖典を共編し、身体的に刻まれる 確かな体感を共に過ごすのである。
それを3年間できっちり終わらせる。宗教に発展させない。依存先にならない。 短期的な世界の始まりと営みと終わりを、最大化されたそうぞう機会の中で アートコレクティブにおける関係性の芸術として社会と接続する。
その3年間は小さな世界の文化になり歴史となり、その世界の崩壊と同時に住民たちは大きな世界に紛れ、やがてその物語にも影響を与え得る。
常に代謝し、開かれ、その時関わる人々の人生と交わる小さな世界とその歴史は まだ見ぬ未知の可能性を開き続け、忘却の海をまなざし続け、僕らと世界の物語を再編し続ける。
物語と世界のそうぞう、その反復の摩擦で時折散る火花のような一瞬の希望 そんな微かな光の中に、僕らが古代から探し求めていた幻のように美しい意味なるものがある気がしている。
またとない世界で生きるために、またとない世界を生きる。 空想と現実を一緒くたに、夢幻的に成立する未知の世界を共編する。
人類最後の祝祭というまたとない世界を共に創り、味わいましょう。
皆さんのご共犯、お待ちしています。