東京工業大学(東京科学大学)大学院 数学系(解析) 受験体験記

正直なところ、東工大数学系の受験体験記は先輩方が書かれたものを含め多くあるので、目新しさはない情報がほとんどかとは思います。しかし、先輩方含め、ネット上には順当に賢い人が順当に合格しているものが多いように思えるので、「出来の悪い人間がもがいた記録」としてはいいのかなと思い書きました。
というのは建前でただ自己顕示欲を満たしたいだけです。

一応目次も用意したので興味があるところだけ読んでいただいて、参考にしてもしなくてもいいです。
また文体が安定していませんが、そこはまともな国語教育を学士課程の入学試験に課していない弊学を恨んでください。

自己紹介

今(2024年9月現在)は東京工業大学数学系の学士4年です。10月に東京科学大学に所属が変わります、めんどくさい弊学の新たな門出に乾杯ですね。解析学系の研究室でゼミをやっています。

出来の悪い人間を自称しているのは普通に何個か単位を落としていて、別に取れてる単位もそこまで成績が振るっていないという意味です。具体的にはB3のGPAが2を切ってたと思います。周りは普通に単位を取りこぼすことなく、そこそこの点数をとりながら人間生活できていたので、少なくとも自分は出来る側の人間でないと思ってます。

院試の概要

こんなものをわざわざ読んでいる方は把握されている方も多いかとは思いますが一応書いておきます。

2025年度は8/16に1日目として数学の筆記試験が2科目、英語の筆記試験が1科目行われました。8/17に筆記試験の合格発表があり、そこで筆記試験を通過できた人が8/18に2日目として口頭試問に進み合否が判定されます。1日目の筆記試験の詳細は以下の通りです。

数学(午前)
線形代数2問、微積2問、集合位相1問(全問必答)
(大体B2までの知識範囲内で解答可能)
数学(午後)
ガロア理論、多様体、ルベーグ積分などの専門に関する問題が8問(2問選択)
(基本B3までの授業で扱った内容で解答可能)
英語
割と緩めの数学についての話題が書かれた英語が1題。

午後の問題に関しては例年、自分の専門分野(代数、幾何、解析)から2題or専門から1題+他分野で自分が得意orサブウェポンとして用意してきた分野の問題(複素解析とかホモロジー群など)で解答する人が多い印象です。

ただし来年度以降変更される可能性は十分考えられるので、これを鵜呑みにせず、必ず大学から発表される募集要項等を参照してください

自分の院試対策の流れ(時系列順)

院試対策会期(12月〜3月くらいまで)

ただでさえもできない自覚があった私は、12月頃に院試対策のDiscordサーバーを作りました。これは例年と比べるとかなり早くて普通はB3の4Qが明けてからとかだと思います。にもかかわらずメンバー集めが結構上手くいったのでそのまま午前の対策に移りました。

マジで気が早い

基本的なスタンスとしては1週間に1年分の午前の過去問を解いて、解答を持ち寄って発表して検討みたいな流れでした。何も考えずにその時公開されていた2023から遡る形で解いていきましたが、これが思ってたより解けません。集合知の力で解けることが多かったのでめちゃくちゃありがとうという感じでした。

が、僕は生活リズムが終わっていたので5週目くらいで行かなくなりました。(言い出しっぺなのに)
言い訳としてはバイトもやってたし大学は遠いし朝どころか昼すら弱いしとか、色々ありますがどれも自分のせいです。

結局対面の検討会みたいなところに顔を出すことはそこからほとんどなく、午前の過去問を教科書で調べながら解いてわからなかったものも含めて解きっぱなしにしてしまうみたいな状態が3月くらいまで続きました。

ゼミ忙殺期(4月〜7月下旬)

ここまで読んでいただくと察しがつくかもしれませんが、上の対策会と同じような理由+出来ないことを直視したくないというカスみたいな理由で、授業もサボりがちだったので根本的に数学の基礎的なところがスカスカの状態でした。
具体的に言えば、実解析寄りの人間なのに優収束定理とかが使いこなせないとかそのレベルです。
多分解析学やってる人ならこのヤバさがわかると思います。

4月に入ると数学系では研究室に所属して、各分野の専門書を用いてゼミ(非数学科で言うところの輪読会+αみたいなもの)を行います。
当たり前ですがどれだけ基礎的な入門書であろうが、B3で習ったことを当然知っている(何なら習っていないことすら知っている)ことを前提としてゼミの本は書かれていることがほとんどなので、私は読むのに滅茶苦茶苦労することになります。要領のいい方でもないので、何度もいろんな教科書なりPDFなりを参照しまくり発表準備をして、毎回不備が見つかって落ち込むことを繰り返してました。因果応報ですね。

こんな状況だったので院試対策としての勉強はほとんどできませんでした。ゼミには同期が1人いたので、同期の発表週は多少午後の過去問にも手をつけていましたが、前述の理由で人の倍準備に時間がかかるのであくまでもゼミ準備を優先していました。
ただし詳しくは後述しますが、結果的にこの期間が一番院試対策として効果があったように感じています。

ついでにこの期間にバイトを辞めています。

院試直前期(7月末〜前日まで)

教授のご厚意で院試対策のために、2Qの終わりより少し前倒しでゼミを一度中断という形になりました。(これがなかったら多分死んでた)
ここから今までゼミに使っていた時間を全て院試対策に充てることになります。

当初は1日に大体1〜2年分くらいの過去問を午前午後どちらも時間制限なしで解いていました。(わからないならさっさと諦めても良いし、わかるなら諦めずにどれだけ時間を使って解いても良いみたいなスタンス)
そこから必要知識の整理と周辺の細かい命題を拾いつつ、解答の清書と自分なりにポイントを分析して書き起こしました。

午前に関してはまがいなりにも対策会と過去問演習をやっていたので、5年分くらい解いた段階で「知識自体にそこまでの不足はないな」くらいまでにはできました。

問題は午後の専門科目でした。
解析系の午後の選択科目は、複素解析ルベーグ積分関数解析微分方程式の4分野であり、過去5年ほどは全分野一題ずつ、それより遡ると関数解析と微分方程式が交互に出る期間があるという出題傾向でした。
前述の通り午後は2問選択しなければならず、勉強不足の中で仕上げることを考えると、上記4分野のどれか2分野をメインに据えて力点を置き仕上げつつ、他2分野をサブ教科として程々に対策をするというのが自分にとって最善と判断しました。
最終的に自分はルベーグ積分と関数解析をメインとして他をサブに回すという選択をすることにしました。その理由は以下の通りです。

1.複素解析がとても苦手で仕上がる気がしない
2.加えて複素解析は年によって(特に近年は)難易度、テーマがバラついている(主観)
3.関数解析は比較的難易度、テーマが安定している
4.関数解析とルベーグ積分は専門により近い
5.微分方程式は割と情報が少ない

後から考えてもこの選択肢以外は自分にはないと思っていますが、もし参考にされている方がいれば以下の点で上の選択は「危険」であると言うことも補足させてください。

1.前述の通り関数解析は出題されない年がある
2.複素解析は毎年出題されている
3.簡単な年ベースで比べると複素解析が一番簡単(らしい)

もしこのnoteを読んでいる来年以降数学系の院試を受けたい方で私と同じような学習状況にあったとしても、もし試験までに十分な時間があるなら、存分に時間を使って絶対に複素解析も完成させるべきです。(当然ですが)

話を対策に戻すと、ここで午後の解く分野を決定したことである程度効率的に過去問を1周することができるようになりました。

やり続けるうちに過去問がなくなってからは教科書の問題や演習書の問題を多少やりつつも、過去問の2周目以降をひたすら続けました。この際には、午前の問題を、1周目の肌感覚から「1:解けた」、「2:微妙」、「3:わからなかった」に分類して3の問題はどれだけ時間が無くても毎日目を通し、3の問題を2に、2の問題を1にできるまで周回することをメインにしていました。午後の問題はあまりにもスムーズに解けたものを除いてメインに据えた分野の問題を毎日5年分くらいを解き直すようにしてました。
その結果前日には午後の問題を8年分くらいノンストップで解答が書けるようにはなってました。これがいいことかどうかは全くわかりません。

ちなみにこの年は前日から台風が接近しており、電車が止まるかもしれないという別の恐怖もありました。
前日から大学近くに宿泊することも検討しましたが、金銭的な面と心理的、環境的な面を考えて家から早めに大学に向かうことにしました。

当日(1日目)

前述の台風のせいで早起き×ストレスで満足に寝れないという最悪の相乗効果で最悪寄りのコンディションでした。
少しでも眠くならないように控えめな量の朝食とエナドリを摂って会場に向かいましたが、緊張が祟って途中駅のトイレで少し吐いてしまいました。(駅員さんにめっちゃ謝りました)

試験開始の15分前くらいから説明が始まり、想像よりも多い受験生の量に圧倒されながら試験が始まりました。

※以下では試験内容に多少触れます※
※中日以降では触れないので適宜飛ばしてください※

1科目目:数学(午前)

出題分野をパラパラ確認しイレギュラーな年ではないことがわかったので多少安心しつつ解き始めました。

過去問では微積が一番感触が良かったので微積から手をつけました、がどちらもぱっと見の理解しづらさに焦り全く手がつきませんでした。
大問4(1)はなんとなく逆関数なのはわかるけど証明しづらい、大問5(1)は必要条件はパッと出るけど十分を示すのが少し辛そう。ただ計算問題な雰囲気は感じる(実際十分ではなかった)というような手応えで、ひとまず手が止まるまで両方解いたものの満足いくような解答は書けませんでした。

得意の微積が1周目では成果がほぼないことに焦りを覚えながら、次にめくっていた時に簡単そうだった線形代数へ移りました。
大問1(1)は作業、(3)は(2)を解ききればすぐ言える内容だったので(2)が問題。少し発想が要りそうだったので一度飛ばす。大問2はまっっっっったくわからん、適当な基底で表現行列を取ろうとするもに9次の正方行列になり発狂しかける、ほぼ白紙でスルー。

ここまで全く成果を残すことなく、誰になんと言われようと間違いなくテンパりながら集合位相の問題へ。これが自分にとってはかなり簡単だったので冷静さを取り戻すことができました。(1)(2)は即答、(3)は連結な気がしつつもあんまり上手く示せないが多分解けそう、(4)は定期テストか演習の問題で似たような問題があった気がするな〜と思いながら解きました。

ここまででの感触を鑑みて大問1(2)、大問3(3)、大問5を解ききることに集中しつつ、大問4は思いついたらor他が煮詰まったらやる、大問2は完全に捨てることを決意して進めました。正直細かい解いた順番は覚えていませんが、大問1(2)が最終的に完答でき、トータルで2完半くらいの点数になりそうかなという形でタイムアップになりました。

個人的な感触としては、振り返ってみれば簡単かもしれないが試験場で解くことを考えると、結構な人が解けてないのでは?というようなものでした。難化であってくれみたいな気持ちが前面に出た感想です。

午前の試験が終わってからは同期と一緒に、お昼を食べながら本館を練り歩いていました。その途中の雑談の中で優秀な同期たちも苦しんでいたことが窺い知れて、少し安心しました。(最低ですね)

2科目目:数学(午後)

前述の雑談も経て、これ次第ではまだワンチャンスあるぞと思いながらスタートしました。

まず問題をペラペラめくると、イレギュラーを発見しました。

微分方程式が出題されていませんでした。

他の関数解析、ルベーグ積分、複素解析は出題されており本当に命拾いをした感覚でした。微分方程式じゃなくて関数解析が出題されなかったらと思うとゾッとします。先述しましたが、もし数学系院試を解析系で受験予定かつ、時間が許すのであれば絶対に複素解析は完成させるべきです。

一通りゾッとし終えたあとは複素解析が留数定理でパッと殴れるタイプでもなかったので、いつも通り関数解析→ルベーグ積分と解いて行きました。

関数解析は閉区間上の連続関数に関する少し変なノルム空間(後で同期から教えてもらいましたがHölder空間というらしい)でした。
(1)(2)は|f(0)|が邪魔くさいだけでそんな大したこともなく解くことができ(3)に進みました。コンパクト性についての問題だったので、使える道具的に有界列にアスコリアルツェラの定理で部分列の収束先の候補を出して示すしかないかなと思いましたが、上手くC^\betaノルムで有界になることができず断念。最終的に|f_n(0)|の収束部分列をとってとか色々やりましたが上手くいかず、やった跡だけを残して終わりました。

ルベーグ積分は(1)が見るからに優収束定理を使う問題で、優関数の取り方にクセが少しあるタイプの問題でした。先の関数解析に少し時間を使ってしまったことで下書きなしで始めざるを得ず、無理に条件を使おうとした結果筋の悪い長々とした解答を書いてしまいました。(後の解き直しではいらない条件だろうと結論づいた)
結果(2)(3)に割り振る解答スペースが少なくなり、かなり微妙な解答を書いて終わらせました。今思い返すと(1)の書き直しをするか下書きしてもよかったかもしれません。

結局午後は取れなきゃいけない問題は全部取ったかなくらいの感覚で終わり、ただこれ以上どうすることもできなかったかなというような心持ちでした。

3科目目:英語

特に言うことがないレベルの問題が出ました。強いて感想をあげるなら、「これ英語の試験か?」と「辞書あると英弱でも英語って読めるんだな」くらいです。よっぽどのことがなければ英語がネックになることはないと思います。(鵜呑みにして失敗しても保証はしません)

試験後

1日目を終えた感想としては「英語で落ちることはないが、数学の出来は、難易度が例年並と仮定するならかなり落ちた寄り、少なくとも上位層ではないだろう」というものでした。ただし絶対に落ちたとも思えない出来ではあったので解き直しをしっかりしなきゃなと思ったと思います。

筆記試験後は解析系を専門としている同期たちで集まり午後の軽い答え合わせ解き直しをしました。そこですごく筋の良い答案を見て感心したり、関数解析の最後はアスコリで行けたみたいな話もされて少し凹みながら、勉強になるなぁと思っていました。
ただ難易度自体はめちゃくちゃ低かったわけでもなかったっぽいなとは思いました。特に複素解析はかなりキツかったっぽいです。(詳しくはよくわかりません)

解析のメンバーと分かれて家に帰った後は午前の軽めの解き直しをオンラインでやりました。オフラインで別にやってるグループが作成した解き直し答案も眺めながら、半分感想戦みたいなことをして早めに寝ました。

中日(筆答の合格発表)

何度も落ちる夢を見て全く寝れませんでしたが、やるしかないので友人と解き直しをしていました。

昨日の振り返りだけでもある程度解き直しが済んでしまったものが多かったので、不安なところをブラッシュアップしつつ、Discordに投げるなどして集合知を頼りました。自分では思い付かない不備を指摘してくれるのでとても助かりました。

解き直しを続けてはいましたが、筆答の通過発表が17:00なので16:00くらいには友人と解散をし、その発表を待ちながら1人で解き直しをすることにしました。ただ1日目の向かう途中で吐くようなメンタルの人間が平常心でいられるわけもなく、酷く不安で全く解き直しができず、吐きそうになりながらブラウザの更新をしながら待ちました。

そうしたまま17時を迎えましたが、更新しても更新しても全く合格者のリストがサイトに掲載されません。しかも最悪なことにXでは続々と筆答を通過した人のポストがなされていきました。この時私は「あぁ受かった人には個別に連絡がいっているのか」という絶望に打ちひしがれていました。
「これからどうしようか」とか「本当に箸にも棒にもかからなかったのかな」とか色々な思考がぐるぐるしましたが、そこでDiscordから通知がなったところで我に帰りました。優しい友人が筆答の合格者リストのファイルを共有してくれたのです。

マジでそんなもんどこにあったんだって思ってる顔

サイトとの相性なのか、真偽は定かではありませんが、実際色々な人が更新してもファイルを見ることができなかったらしいです。(マジでなんで?)
余談ですが、後で調べたところ先輩で全く同じ杞憂をされている方がいました。

ここでようやく合格者に通知がいっているわけではない可能性があることがわかり、本当に震えながらファイルを開き、自分の番号があるのを確認しました。
割とその後しばらくの記憶がないんですが、本当に安心してボロボロ泣いたのだけは覚えています。嬉しいと言うよりは安堵というか救われたみたいな気持ちが強かったです。

そこからしばらくして落ち着いてから口頭試問の対策に本腰を入れて取り組み始めました。ただ、1人だと不安で押しつぶされそうだったので、そこはかとなくXで人を募ってVCを繋げて雑談しながら改めて午後の解き直しをしてました。

当日(2日目)

当然のようにストレスで何度も起きて早起きする羽目になりました。落ちた夢も受かった夢も見た気がしますが覚えていません。

一応口頭試問の形式だけお話ししておくと、2025年度では対面での口頭試問でした。(去年とかはZOOMだったっぽいです)
ざっくり受験生が午前と午後に分けられて、各時間帯の集合時間15分前までに集合場所の教室で待機、その後順番に呼び出されて口頭試問が行われます。
例年は成績で午前午後が分かれたりで内容の違いなどがあったらしいですが、今年度に関してはその傾向はなかったように思います。
服装に関しては社会通念上問題ない範囲であればなんでもいいと思います。私はTシャツにデニムで行きました。

口頭試問の時間は午後(解析は例年より筆答の突破者が少ない(?)ので全員午後でした)だったので、時間的にはかなり余裕がありましたが、大学に行って同じく午後に口頭試問を控えている同期と話したり、解き直しの再確認をしながら口頭試問の開始時刻を待っていました。

Xを眺めていると午前中で口頭試問が終わった人たちが続々と浮上してきており、刻一刻と近づいていく感覚で頭がおかしくなりそうでした。

そうこうしているうちに試験時刻が近づき、どれくらいの時間がかかるか未知数だったので、一応昼食を済ませ、待機教室で同期と話しながら待っていました。同期の中では受験番号が一番遅かったので、最終的に1人になったのはめちゃくちゃ心細かったです。代数の午後の試験の同期たちがいなかったら発狂してたと思います。

口頭試問の内容は割と当たり障りのない内容で、終わってみれば拍子抜けでした。
筆記の出来と志望教官を選んだ理由くらいの本当によくある内容といった感じでした。
ただ教員と向かい合っているときはガチガチに緊張していたのでもしかしたら変なことを口走っていたかもしれません。

顔が可愛くないこれになってました

これで一応本命の院試がひと段落という形になったので、ほどほどに同期と雑談をしつつ家に帰って泥のように眠りました。

結果

無事第一志望の研究室に所属できる形で合格できました。
マジハッピー。
合格発表までクソ長かったので何回か情緒不安定になったのがしんどかったです。

院試を振り返って

感想

まずは終わってホッとしたというのが本音です。
院試の焦りとストレスは凄まじく、特に終盤の1ヶ月くらいは気が狂いそうな思いで勉強していました。私はアトピー持ちなのですが院試前の1ヶ月だけで信じられないくらい悪化しました、ストレスって怖いですね。

やってよかったこと/別にだったこと

ここまで色々書いてきましたが、院試対策としてよかったことや別にそこまでだったかもなみたいなものを列挙していきます。あくまで自分基準ではの話なので、適宜自分で試しつつ取捨選択した方がいいとは思います。

  • 院試対策会 : やってよかった
    途中までしか行けてませんが集合知の強さは凄まじいです。対策会に直接行けずとも院試を受ける人間のコミュニティとして使えたので午後とかの問題でも疑問点とかを積極的に議論できてよかったです。

  • ゼミ準備 : やってよかった
    特別院試のためにやったわけではないですが、当たり前に数学力がつくのでおすすめです。午後の問題の発想の中には、初見殺しにも見えるものも混じっています(少なくともそう感じた)が、専門分野では頻出の手法だったみたいなことがあったりするので、その辺が手癖になるのもよかったです。

  • 過去問演習 : やってよかった
    当然やるべきだと思います。院試と言えど試験なのでやっぱり傾向っぽいものはある気がします。

  • ankiでの知識インプット : やってよかった
    特に午前の集合位相で大いに役に立ちました。試験時間の関係上、問題で問われた内容に関してどれだけ定義や同値な性質を連想して、良さそうなものを選べるかみたいな勝負になるので、ankiである必要はありませんが何かしらの手段で定義性質の継続的な復習を、効率よく回転率高くやっておくと良いと思います。

  • 教科書の演習 : どちらとも言えない
    簡単な問題は基礎的なところの確認にはもちろんなる、がこれが点数に直結するかは断言しづらい。難しい問題は院試より難しいものもちらほらあるので時間効率は悪いけど力にはなると思う。当たり前だが普段の学習で取り入れてやるのは大アリ。(というよりやるべきだと思う)

  • 演習書 : 別にやらなくてもよかった
    「大学院への解析学演習」を少しつまんだが、正直チョイスが悪かった感が否めない。解説が妙に難解なことと、著者の別著書を参照させることも多くうーんという感じだった。ただ解ける問題の幅は広がる気がした。

他にも細々としたことは色々ありますが、数学に関連することで大きなものだとこれくらいだと思います。数学に関連しないやって良かったことで言うと「1日1回は陽を浴びる」とか「バイトを辞める」とかでしょうか。

あとはやってよかったことというよりはやればよかったことにはなりますが、普段の授業とかはちゃんとやるべきでした。当たり前に。

最後に

ところで院試勉強中何度もストレスで「就活すればよかった」と思いました。
院試が終わった今冷静に考えてみると、「なんだかんだ数学を使った仕事をしたい」、「また将来の夢やキャリア像を考えたとき、少なくとも修士は欲しい」、「やっぱり数学が好き」等の理由から、院試を受ける他ないと思えますが、院試前にもうちょっと進路について真剣に向き合っていれば、こんなこと無駄なことを考えなくても済んだのかなと思います。

もしこれを読んでいる院試を目指している方がいれば、本当に応援しています。辛いことも多いかもしれませんが、本当に頑張ってください。

あと、もし院試の略解(主にルベーグ積分と関数解析)が欲しい人がいれば比較的新しめの年度の問題を清書したものを(完成すれば)送るのでXで連絡ください。よっぽど身元も所属も人間なのかもわけわからん人とかじゃなければ送ると思います。

また、いろんな場面で迷惑をかけたゼミの同期のN君、ほぼ全ての分野で解答を作り上げてくれたI君、解析系の過去問や解き直しにて頭のいい解法や考察を授けてくれたN君、T君。午前の問題の対策会や解き直しなど様々なところで惜しみなく協力してくれたH君、I君、K君、S君。他にも本当に色々な人にお世話になりました。この好意を裏切ることないようこれからも頑張ります。

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