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【帰国子女受験】国語・現代文の解きかた

さて、今日は入試の中でも一見対策のしづらい国語(中学以降でいうところの現代文)について。

帰国子女で現地育ちだとどうしても日本語が不得手な人もいますが、実は国語で問われているのは日本語というよりも、もっと本質的な読解力です。

日本育ちの子でも同様で、人によっては「現代文はセンスだ」とか、現代文の成績は読書量で決まるから今更対策しても、という人がいます。

確かにセンスも読書習慣も重要です。
しかしセンスや経験がなければ現代文は解けないのか、というともちろんそんなことはありません。
センスは大事ですが、センスがなくても、ないなりの解き方があります。

現代文で問われていること

現代文の解法に移る前に、そもそも現代文とは一体何を学ぶ時間なのか。
学校や塾の現代文の時間では何が学べるのか、というお話を。

端的に言えば、

・文章の論理構造を把握する能力
・論理構造を踏まえて筆者の主張を過不足なく理解する能力

が問われているのが現代文です。平たく換言すれば読解力。

よく「現代文の時間なんて教科書を読むだけで意味がないじゃないか」という人がいます。

確かに、塾や学校の授業で習うのは語句の意味、本文の背景知識、そしてよくわからないけれど先生が板書した筆者の主張...

当然、これらを覚えるだけでは意味がありません。
なぜならあなたの先生が書き出してくれた特定の文章について構造を覚えただけだから。
残念ながら入試出てくるのは全く違う文章ですから丸暗記が何の役にも立ちません。
数学の例題の解法を暗記しても意味がないのと同じです。

ではそもそも現代文の時間は何をする時間なのか。

それは、

国語の教科書や入試問題という良質な文章を使って、
文章の論理構造を把握し、
それを抽象化して学びに変える

という作業をする時間です。

ですから授業では、取り上げられた文章題について、その問題の解説(どんなお話だったのか、何が言いたかったのかなど)を聞いてうなずいて終わらせるのではなく、どういうプロセス(過程)でその答えにたどり着いたのか、そしてその思考法をまったく別の文章題にどう応用するのか、という解法を授業内で学ぶことが非常に大切なんです。

簡単に言えば

具体(教材の解説)→抽象(文章読解の技術)

の作業が大事。

逆に言えば、文章の解説しかしてくれない先生では成績があがらない。その場ではわかった気になりますけどね。

要するに他の科目(算数・数学など)と同じように問題演習から解法を学べばいいのです。

入試現代文の解法

現代文では何が問われているのがわかったところで、以下では特に自分で問題集に取り組んだり、学校や塾の予習・復習の際に、どうやって文章の論理構造を把握する能力を身につけるのかについて書きました。

ちなみに塾や学校の先生によってこの「解法のテクニック」は変わってきます。ただ論理構造の把握・論理的文章の読解というゴールさえ達成できれば手段となるテクニックは何でも良いので、ぜひ自分のスタイルを確立させてください。以下はあくまで一例です。

なお、中学・高校受験で出題されるパターンは

①論理的文章(説明文、意見文)
②文学的文章(小説文、韻文、古文←中受では出ない)
③語句(漢字、慣用句など)、口語文法

の3パターンがありますが、ここでは①の論理的文章に限ります
(便宜的に論理的文章と書きましたが実際には②の小説なども基本的には同じ解き方で解けます)。

Step 1: 話題が何かを捉える
 繰り返し出てくる言葉に注意です!そういった言葉は、□(しかく)で囲っちゃってください。まずは「この文章は一体何の話をしているのか」を把握することが大事です。

Step 2: 類比に注目 
同じような主張をしているところには線を引き、矢印でつなぎます。
基本的に筆者は言いたいことを様々な方法で、具体例や対比を交えながら繰り返します。

Step 3: 理解できなかった文や知らない言葉にも線を引いておく
 
 意味がわからなかった文、そして自分が知らない語彙で注がないものはチェックしておきましょう。語彙や漢字の知識が足りないのであれば辞書などで調べて補強するべきです。

これらはつまり、平面な文章を立体的にしてみる作業です。

そして、何とか最後まで読みきったその時に、
今度は問いと向き合います。

問いで聞かれていことは、本文のどこに、どういう論理構造で書いてあるのか。
自問自答し、答える習慣をつける。

『鉛筆を置いたまま読むな!』とはよく言われますが、大切なことなんで何度でも言います。
線を引きながら読む習慣をつけ、最後に筆者の主張したかったことを頭の中で答えられるようにする。

これが、解法につながる文章の読み方の、基本中の基本です

まとめ

現代文は、文章の論理構造の把握を問われている科目です。
であればこそ、授業や自習では常に文章の構造を意識しながらとくべきです。

最初は骨の折れる作業かもしれませんが、高校・大学、そして社会に出ても必要とされる読解力の基本を今のうちに身につけておきましょう。

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