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【保護者インタビューvol.5】「人生の予行練習」「人と関わりあう基礎」が出来る場所

子どもたちの親御さんに、お話してもらうインタビュー第5弾。

今回インタビューしたのは、オンラインクラスに通うゆずるの保護者、せいこさん&けいすけさん。

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以下に紹介する、ゆずるの保護者さんです。

ゆずる:5月からオンラインクラスに通っている、年長さん。ドキドキした時、困った時は仲間に気持ちを伝えてくれます。その後は何度でもチャレンジして、チーム全体に勇気をくれる!インプロゲームの『わたしは木です』をおうちでたくさん練習して、最近ではオリジナルのアイディアをどんどん出して、観ている人を楽しませてくれています。


ーー「インプロ」という言葉を聞いた時、どういうものかご存知でしたか??

せいこさん(以下、せ):
ゆずるが「役者になりたい」と言うので、習い事やワークショップなど単発でできることないかな〜と調べていたら、「インプロ (即興劇)」を見つけました。

そこで、「へ〜演劇に、台本のない即興っていうジャンルあるんだ〜」って。
けれど、即興演劇って何なのか、何のためにやるのかなどは一切知りませんでした…。

ゆずるがまだ小さいので、文字が読めなかったりして、台本があるのは難しいですが、これならその場の雰囲気で乗り切れるのかな…??と、、。

(インプロとの出会いを楽しそうに語るおふたり)

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ーーゆずるがインプロしてるところを見て、思ったことがあれば教えてください。

せ:初めてのインプロ中、あたふたしてしていたり、迷っている姿を見ていましたが
終わった後に『もう1回やりたい!』と言ったことにまず驚きました。
上手くできるから楽しいんじゃないんだな、と。

私達から見て成功体験でなさそうなものでも、ゆずるにとっては楽しくて、その時間を成功体験に感じていました。
上手くいかないと投げ出してしまったり、飽き性なタイプなのに、毎週インプロを楽しみにしています。
あとは、意外にも集中力があることに驚きました!

ーーゆずるファミリーから見た”インプロ”

せ:即興演劇は、人生の予行練習をすることが出来るんだなと思いました。
コミュニケーションが上手い人って、『もともと出来る人』なんだと思っていたけれど、練習が出来るんだな、と。
演技を通して相手の気持ちを想像してみるってことにも繋がっていますよね。

それに、現実世界では自分が思いついたままに行動すると、浮いてしまっていじめられたり、受け入れられなかったり、、
だから浮かないようにそつなくこなしたいって言う願望が生まれると思うんですけど、ワークの中であれば、思い切りチャレンジできるし、許される。練習ができる。
演技を教育に活かすってことを考えたことはなかったんですけど、私たちにとっても新たな発見でした。

私は仕事で看護師をしてるんですけど、看護師は、よく「ベットサイドでは女優」と言われるんです。
どんなに大変でも、患者さんに焦点を当てて、必要なケアを行う。プロとして対応するってときに、「自分たちは女優だから!」って日常的に言うんですけど、
演技って遠い話じゃなくて、自分たち大人にも必要なんだなと思いました。
それを小さい時から身につけられるってことは、これからいろんな人がいる社会の中で荒波に揉まれても生きていくことができる力を獲得できるのかなあと思います。
自分も、インプロのワークショップの中で出ていた関わり方や声かけが、職場で新人指導をする時の参考になっていたりして。
なので、インプロ を続けていくことはゆずるにとって凄く有効かなと感じているし、私たちも、インプロを知る人を増やしたいなというか、こういう習い事が当たり前になって欲しいなって思います。

けいすけさん(以下、け):
我々も、ゆずるがやっているのを実際に見ていて、自分にとっても勉強になることがあって、『インプロっていいなあ』と思いますね。

せ:子供の習い事は子供のためのものって思ってました。もしくは親が本人のやりたいことをサポートする役だぐらいにしか思ってなかったのが、ゆずるがインプロに通うことによって、自分の職場や仕事に置いてもいい影響があって驚きでした。

日本の教育にはあまりないジャンルだし、演技をやるってちょっと特殊な分野に思われてしまうかもしれないけれど、そうじゃないなって思ってます。

ーーインプロからコミュニケーションを学ぶことに関してどう思いますか?

け:『演技からコミュニケーションを学ぶ』というイメージは元々もっていなかったんですが、サッカーをやることで運動の基礎を学ぶのと同じように、演劇にも基礎的に学べるものがあるんだなって知りました。
体操を習うのと同じ感じで、『人と関わりあう基礎』になっていくことを強く感じます。

まいきー(以下、ま):
活動初期に代表のりなと、『ピアノ・英語・サッカー・インプロって並ぶ感じで、習い事のスタンダードになりたいよね』と話していました。
日本では表現・お芝居というジャンルって、まだまだ特殊なジャンルのイメージがあるんですが、海外では義務教育に取り入れられているところもあって、、

せ&け:義務教育に入ってるんですか?!

ま:入ってるところもあるんですよ〜!
日本ではまだ、コミュニケーションが『学ぶもの』ではなく俗人的に体験していくものなので、出会う人や自分のいる環境で『人とどう関わるか』を学びます。
それも大事なことなんですが、それとは別に、コミュニケーションを学ぶ機会が設けられていたとしたら、色々な考え方、色々な行動パターンを知って体験することが出来るので、
子どもたちが行動する時の選択肢が増えていったら素敵だなと。
これは自分たちが子どもの頃に習いたかったなって思って活動しています。

せ:ゆずるがインプロしているのを見て、『自分もこうやってコミュニケーション学んでたら、もっと心が楽だったんだろうな』と思いました。
例えばいじめにあって心が折れてしまったり、対人関係の影響で心が歪になってしまったり、そういうことって多いと思うんですけど
『こういう時はこんな風うにきり抜けよう』とか、『自分が悪いんだ』と思うのではなく
『こういう人に会った時にはこんな風にしてみるのはどうだろう』って
お芝居の中でイメージや体験をすることで、自分を大切にしたり、自尊心を下げないで、いきいき生きていけるのかなぁって。

ゆずるに恐怖心や不安が出てきた時、私たち的には、インプロの中でいろんな人とのコミュニケーションの方法を体験することによって
『こういうシーンでこういう顔をしたら相手はどう感じるのか』など、
演技をきっかけに、色んな場面でインプロでいう『相手も自分も大事に出来るコミュニケーション』を身につけられたら、本人にとっても生きやすくなるのかなって。

け:今も『昨日は◯◯が上手くいかなかった』と本人が起きた事を報告してくれるので、
自分たちから『じゃあこうしてみたら?』とアドバイスなど言うんですが、本人が実際に色々な方法を試してみた方がいいなと思います。
演技の中でいろんな接し方を知っていれば、『上手くいかなかったと思ったら別の方法をやればいい!』っ思えて、もうちょっと気楽になるのかなと感じます。

せ:来年小学校に上がるので、本人は新しい環境に不安も多いみたいで。

け:それこそさっき言ったように、小学生に上がる前に基礎体力みたいな感覚でコミュニケーションをある程度鍛えるにはとてもいいのかなって思っています。

せ:いやでも、本当にすっごい大事なことだと思いますね。私はゆずるが役者をやりたい、演技をやりたいって言ったからここにたどり着いたんですけど、まさかこういう世界があるとは思っていなくって。
インプロのワークショップの中で、子供の言ってることをちゃんと受け止めて、紳士に対応してるのを見て、新しい世界を見せてもらえています。
子供から教わることが世界を押し広げてくれて、ゆずるにも感謝してますし
先生方にもすごく感謝しています。

け:インプロのレッスン見てると、本当に参考になります。
普段、ゆずるのリアクションだったりを意外と待てないことが多くて。
インプロのレッスンを見てると、待ってもらっている間にゆずるが見たことない表情したり、そこからアイディアを出していて。
自分も、もう少しリアクションを待つと何か返ってくることもあるのかと。こういうのはすごく参考になるので我々も本当勉強になってます。

ま:いろんな保護者の方と話してきたことなんですけど、親御さんって、24時間365日子どもと一緒じゃないですか。命の安全を預かってるし、未来も案じてる。
だからこそ待てないこととか、先に提案しちゃった方がいいこととか、たくさんあると思うんですよね。
私たちはインプロの講師という立場だからこそ、その時間『待つ』ことをあえて選択したり、ご家庭とは違うパターンを体験してもらうために存在しているので。
これからも、ワークのことや日常のこと、一緒にシェアしながら、やっていきましょう!

せ&け:是非是非〜〜!!!!

<編集後記>
はじめまして!今回親御さんのインタビューに同席させていただきました。
たきもとかこと申します。
このインタビュー中は終始、思わず目が潤んでしまいました。インプロとの出会いから今に到るまでに感じたことや、子どもだけでなく自分たちも成長していく事を語る親御さんたちは非常にキラキラしていました。自分自身、親子関係で悩んでしまった事があります。その時にもしも、私と両親との間に「インプロ」があったらよかったのに!もっと早く出会いたかった!と、インタビューを通して改めて感じました。
インタビュー中にお二人がおっしゃっていたように、インプロは「人生の予行練習」ができる場所だと思います。私自身、インプロに出会ってから、生きることの選択肢が増え、非常に生きやすくなりました!この記事を読んで少しでも、心が動いたら、一度やってみてほしいです!このインタビューに立ち会えてとても嬉しかったです!みんなに届け〜〜!!!!

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