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【読書会コラムvol.1】インプロの演出家・教師 Keith Johnsotne~子ども時代編~

IMPRO KIDS TOKYOではスタッフも学び続ける場としてIMPRO Machineのみなさんと読書会を始めました!noteでは読書会で学んだことを、保護者の方や教育関係者の皆さん向けにもシェアしていきます。

今回はImpro for Storytellers。
この本はインプロの演出家・教師であるキースジョンストンの著書で、インプロに関する主要な著作として世界中で読まれています。

なぜインプロが俳優や上演のためでなく、創造性や協力、教育現場などにも用いられているか、インプロの背景にある考え方や教育観を理解するために大切な本だと私たちは考えています。

このコラムを通じて、より多くの教育関係者の方や、保護者の方に子どもたちとの関わりについて考えるきっかけを作っていけたらと思っています。
スタッフ一同一生懸命書くので読んでいただけたら嬉しいです!

―子どものころのコンプレックス

インプロの演出家、教師であるキース・ジョンストン。実は苦しい子ども時代を送っています。

自分の身体をうまく動かせないコンプレックスを持っていたキースは、Impro for Storytellersの中で、こんなことを言っています。

「自分のおかしな歩き方のせいで、夕ぼらけの中でも私だとわかってしまう」

ボールを投げるフォームもうまくいかず、言葉もどもってしまってうまく話せず、恥ずかしさを感じながら生活していたそうです。

―できる子だけが認められ、できない自分は相手にされない

キースは学生時代から、学校の教育や先生に疑問を持っていました。

体育の先生は、運動神経の良い子ばかり気に入り、キースに姿勢のトレーニングを教えてくれない。
歌うことは自分の呼吸を改善すると思ったのに、「周りに合わせて口パクしてろ」と言われた。
リラックスすると緊張がほぐれるのに、「もっとがんばれ!」と言われる。

本文の中で、キースは自分自身を「カジモト」(ノートルダムの鐘のキャラクター)に例えています。
カジモドがもし素晴らしいクリケットプレイヤーだったら背中のこぶについてなにも言ってこないでしょ?

学校では「誇らしいこと」を求められ、先生たちはキースのような「できない」生徒を相手にすることはあまりなかったのでしょう。

―先生は何も教えてくれなかった

とある日、キースは躍起になってこんな疑問に溢れました。
「1936年のティエラ・デル・フエゴ島の羊の数が、どうしてそんなに重要なの?」
「関係性ってなに?」
「恥ってなに?」
「恐怖ってなに?」
「うまく発音ができないから、先生はスピーチセラピーを勧めるけれど『それが何なのか?』『どこに行けば受けられるのか?』に答えてくれないのはなんで?」

しかし、当時の学校の先生は、キースの知りたいことは何も教えてくれませんでした。
学校が自分を助けてくれないことに怒りを覚えたキース。
この頃から、「演劇は自分の求めていることが学べる」と考えていたのでした。
                           (vol.2に続く)

参考文献:Impro for Storytellers(1999):Introduction
読書会協力:IMPRO Machine、松島和音、堀光希

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