見出し画像

day27 夜のルームサービスは一点豪華主義で(帝国ホテルライフ)

終わりまでの日付けが完全に視界に入ってきてしまった。
ここのところ、最終日までの朝晩のごはんとか荷造りの段取りとかを考え始めている。

画像6

喪服を取りに帰った時に母が持たせてくれたみかんを大事にとっておいたけど、ようやく今朝食べることにしました。)

朝ごはんを食べながら、まずは今晩の段取りについて頭を巡らせた。

今日の夜はまたルームサービスを取ろうと思う。これは一昨日くらいから決めていた。
昨日は朝のだったけど、ルームサービスの憧れって、朝と夜でなんとなく全く違うものじゃない?
朝のルームサービスは、ルームサービスとしての憧れもあるけど、「朝食」としての憧れのほうがメインっていうかね。
これあたし以外に伝わるか分からないけど。

夜のルームサービスもやりたいなと思っていたけど、初日の鴨肉うどん(2,500円)が最初で最後になってたから、もう一回くらいやっておかないと悔いが残りそうだ。


仕事終わり。
いつもはテイクアウトのラストオーダーを気にしてしまう時間でも、今日はゆったりとしたものだ。
だってルームサービスはよる10時まで注文を受けてくれる。
コンビニでいくつか今夜のための買い物を済ませて、ゆっくりと部屋に戻ったのは、よる9時を余裕で過ぎたかな、というところ。

受話器を取り上げて、ルームサービスに繋がるボタンを押す。
話し中。
再度チャレンジ。話し中。再度。話し中。ずっと話し中。

あー、これは…初日(day1) に鴨肉うどんを頼んだときと同じ、チケット争奪戦レベルの電話かけ続けが必要なやつか…?
結局これまで、ルームサービスを頼んだのは初日夜、昨日の朝、で今の3回目だ。
昨日の朝のも、注文したのは前日の夜だったので、3回とも夜に注文している。

あまり回数を経験していないので分からないが、ルームサービスというのは、基本的には夜は混雑してるってことで間違いないのかもしれない。
回線も1つしかなさそうな感じだしなあ。でも、今9時を結構過ぎたところだけど、こんな時間から注文する人はそんなに多くないのかな?と思うんだけど、どうなんだろ。普通に考えると、夜なら6時とか7時とかに殺到しそうじゃない?
もしくは、9時とかだともう人数減らしちゃってるとかか? まあ答えはわからないけど。

チケット争奪レベルの戦いが終わったのは、電話をかけ始めて約10分後だった。
繋がった音がする。
「はい、スノーフ様」
あ、息は切れてない(初日は電話の相手の息が切れていた)。よかった。
注文を伝えると、お届けにあがるのに、3~40分かかります、ということで、初日も確かこんな感じだった。
けど、何だかんだでそれよりは少し早めに届けてくれたんだよな。

部屋着に着替えた後は、トランクケースに第一弾の荷造りを開始する。
この生活は週明けの月曜日の午前中までなんだけど、土曜日に両親が来ることになったので、そこであたしのトランクを持っていってくれるというから、トランクに詰めていいものと、土曜日以降も部屋に残すものを分けていかないといけない。
月曜日までの服装や靴をざっくり決めて、もう使わないものはトランクに入れていく。
明日もあるから、まだそんなに本格的に考えなくてもいいけど、ある程度済ませておこう。
本当は床にトランクを開きたいけど、開くとルームサービスが届いた時に台が部屋に入ってこれないしな…なんて考えながらクローゼットにかけている洋服を畳んでいく。
時間を見計らって、共用スペースに行き、さっきコンビニで買ってきた「サトウのごはん」を温めることにした。

注文したのは、実はメインディッシュ1品だけだ。
これに、ごはんとスープと飲み物を自前で揃えよう、という作戦なのである。

ケチくさっ!と思う部分もあるんだけどさー。
だって、普通に食べたいもの注文したら、結構大変なことになるよ?

たとえばだけど、
コンビネーションサラダ  2,100円(サラダでは一番お手頃)
温野菜の盛り合わせ 3,400円 (野菜が食べたい)
コーンスープ 1,800円(こちらもスープでは一番お手頃)
グリルハーフチキン 3,800円(今回の注文と迷ったメイン)
   (ソース:マデラソース/レモンバター/ポン酢)
ごはん 500円
ウーロン茶 1,050円

となると、完全にセレブ価格じゃん。ここは庶民としての自覚をもって、コスト重視で一点豪華主義を貫くのです。
それに、ちゃんとしたメインディッシュに、コンビニのごはん合わせられるところが、逆に言えばルームサービスの魅力じゃないの?
無理やり正当化するけど。

で、ごはんごはん。
共用スペースに温めに行く前に、説明書き読んだら、温めてすぐに混ぜると硬くならなくてなお美味しい、って書いてあったから、いつかのテイクアウトでもらったプラスチックのフォークも持っていった。
ごはんのパッケージに書いてある通りの分数で、電子レンジのバルミューダをセットして、音が鳴ったのを待って取り出す。すぐに混ぜる。
え、ええっ、こんなことになるの!?

画像1

(共用スペースで写真がNGなので、部屋に戻ってきてから撮りました)
熱で曲がってる…(衝撃)。
ごはん2分温めただけで、そんなに熱いんだ…。まじか。これ、プラスチックの成分がごはんに溶け出してるってことはないんだよね?
ちょっと不安だけど。でもごはんこれしかないからこのままいきます。
熱さを想定して持っていってたタオルに包んで、部屋まで持ち帰る。

それから料理が届くまでは、荷造りの続きをして、思った通り、30分まではかからずに、あと数分で10時というところで部屋のチャイムが鳴った。

これまで3回ルームサービス頼んできて、いつも「お部屋に運び入れてよろしいですか」って言われるたびに、感染リスクのためにも、ドアからは自分で運ぶから大丈夫よ、と思うんだけど、なんだか断れずに毎回運び入れてもらっている。

カバーがかけられたままのメインのお皿を確認して「あ、よかった普通のハンバーグだ」と思った。
メニュー名がハンバーグステーキだったから、普通に考えるとハンバーグだろうとは思ったけど、ステーキって付いてるから、なんか違うものが来ちゃうこともあるかも、とすこーしだけ心配だったりした。

ということでメインディッシュが到着したので、ホテルスタッフの方を送り出した後、いそいそと自分仕様にセッティング。

画像2


雰囲気を出すために、温めてきたサトウのごはんを皿に盛り直す。
コンビニで買ってきたカップスープにも熱湯を注いで、飲み物は、数日前に会社でもらった「お~いお茶」の紙パック。

ではいただきますー!

・ハンバーグステーキ (3,800円)
・サトウのごはん (186円)
・ほっくほくポテトポタージュ(149円)
・お~いお茶 (0円)

画像3

画像4

おおおう、ハンバーグ、肉汁がすごい出る!
ソースもハンバーグも、期待そのままの味がするよ。一気に食べてしまいたくもなるけど、ぐっとこらえて、ご飯と一緒にバランスを心がけて食べる。

間違いなく美味しい。
なんて言うのかな、最近ある肉々しい感じでは全然ないから、上品さがある「昔ながらのハンバーグ」のカテゴリのなかの、上のほうっていう感じで、そういう意味でちょっと懐かしいという気もする。

添えられた野菜もうれしい。いい箸休めになるよ。

ごはん、小皿に盛ってよかったなあ。雰囲気やっぱり全然違うよ。フォークでごはん食べると、なおさら格が上がるよ。
ありがとうサトウのごはん。

ポタージュも、まあ贅沢言えばルームサービスのを頼みたかったけどね。
もともとポテト系のポタージュが好きで冬はよく買ってたので、違和感なくハンバーグにも合う。いやあ、難を言えば、これも器がスープボウルとかあればよかったんだけど。

や、たぶん言えば借りられるんだよ? お皿もスープボウルも。
まあでも、「じゃあルームサービス頼んでくださいよ」ってことに、ちらっとはなるでしょきっと。小心者としては、ここまでが限度よねえ。

でも、味は間違いなし、雰囲気もできる限り上げた成果が出て、大変気分よく食事を終えることができた。お腹もいっぱいだし、気持ちも豊かだ。

ルームサービスに必ずついてくる、ピンクのバラもうれしい。
実は期待して待ってました。食べ終えた食器を乗せた台がよく廊下に出てるんだけど、みんなこの花も返してしまうようで、廊下で見るといつも一緒に台に乗っている。でもあたしは毎回このお花を返さずに、部屋で水を変えながら数日楽しむのだ。
むしろそうしてね、とホテルの人たちは考えてるんじゃないかと勝手に思ってるんだけど、実際はどっちなのかなあ。
答えはさておき、今日ここでお花がくれば、チェックアウトの日まで何とかもってくれそうだからありがたいな。

花だけはテーブルに移して、食べ終えた食器を乗せた台をごろごろと入口まで移動して、部屋のすぐ前の廊下に出す。これであとは回収してくれるのだ。
もちろん、廊下に出す前に、礼儀というか、結局は見栄なのか、自分で付け足したコンビニ飯やお~いお茶の残骸が残っていないように、忘れずにチェックして、それらは部屋の中のごみ箱に捨てることも忘れませんよ。

画像5

そして部屋にはバラだけが残りました。
ごちそーさまでした。