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早すぎた花譜

 花譜についてはこの記事を読もうと思った時点である程度知っているだろうから詳細は省こう。神椿スタジオ所属、現在高校生のヴァーチャルシンガーだ。外見はヴァーチャルだが歌声は人間のもので、間違いなく日本のどこかに花譜の声を持つ少女は実在している。彼女の歌い方の特徴として掠れや震え、揺らぎがある。とても不安定な歌声が魅力的だ。
 でも俺は花譜を知った頃からそういった歌い方に覚えがあるような気がしていた。そして先日気付いた。「これはコナーの歌い方だ!!」

 コナー・オバーストは1980年にネブラスカ州オハマに生まれた。それまでにもいくつかのバンドをやっていたが、彼は1995年からブライト・アイズというソロ・プロジェクト的な形の活動を始め、そのギターボーカルとなる。そして2005年にバンド形式でI'm wide awake, its morningとDigital ash in a digital urnsという、フォーキーなサウンドとデジタルを前面に出したデジタルポップ的なサウンドの2枚のアルバムを発表した。
 この2枚のうちI'm wade awake~は全米1位を獲得した。これが彼の歌だ。


 俺はもうずっと前に掠れや震えや揺らぎを自分の魅力としていたシンガーに出会って、彼に求めていたものを花譜に見出していたのかもしれない。ブライト・アイズはオーソドックスなバンド、花譜はもっと洗練されたプロダクトとしての音楽だ。音楽にいいも悪いもない、好きかそうでないかだけだ。俺はどちらも好きだし、このふたりのシンガーに共通項が見出せたことを嬉しく思う。これは自分の記憶・感覚と再び出会ったという、それだけの記事だ。

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