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読書記録

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感想文を書くのはなかなか苦手なのですが極力書くようにしています。
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#読了

全ては推しと共に(「推し、燃ゆ」・宇佐美りん)

21歳が書く「推し、燃ゆ」。なんで芥川賞を受賞したのだろうかと思っていたが、ようやく読んでみた。 “推し”という言葉が一般化されたのはいつ頃だろう。 主人公の女子高生が推しているアイドルがファンを殴ってしまう。 そしてネットが炎上するところから始まるが、最終的に「推し、燃ゆ」とは違った意味で完結する。 学校生活は勉強も人間関係もうまくいかない。家庭の人間関係もあまりよくない。しかし、生活は「推し」がの中で充満している。起きてから寝るまで。バイトでお金を稼ぐのも「推し」の

オオルリ流星群(伊与原新)

久々に小説を読みました。僕の好きな伊与原新さんの「オオルリ流星群」です。 高校三年の夏、文化祭の出展のために空き缶で巨大なタペストリーを作った仲間たちは年を重ねて四十五歳の中年になっていた。 その中の一人は国立天文台の研究員を経て、高校時代の地元に戻り天文台を作るという。当時の仲間たちは28年ぶりに再会し、再び高校の時にタペストリーを作った時のように暑い夏の製作が始まる。 私設天文台を作るという夢を持つ彗子、親を後を継ぐ薬局店員の久志、高校教師の千佳、会社を辞めて弁護士

「チルドレン」伊坂幸太郎【読書録】

初めて読了した“伊坂幸太郎”作品。 というのも昔、図書館で借りて途中で止めた本があったからだ。 そんなことはどうでもいいのだけど、読書好きの人々の中では“伊坂幸太郎”の本は評判が良い。 それならば一度は何か読んでみようと手に取ったのはこの本だった。 伊坂幸太郎の作品は長編が多い(?)ようだが、この作品は少し異色の短編ということだったが読みやすそうだったので。(異色と誰が書いていたかは忘れたが) 今さっき読み終わったところだが、巧妙な仕掛けがたくさんって面白い。 こんな本

「生きるぼくら」(原田マハ)【読書録】

子供の頃から学生時代、そした大人になって、未来へ・・・そんな壮大なテーマでは無いと思うが、この本を読みながら僕は楽しかったことも、苦い思いや辛い思いが湧いてきた。そして過去から近い未来へ思いは巡り、身の周りの家族や自分のことまでついつい憂いてしまう自分がいた。 ただし、この本はそんな重い内容ではない。 原田マハさんの本を読むのは2冊目。(前回は「キネマの神様」) 今回はあまり内容を知らないまま、評価が高いという安直な理由で読んでみたが、今回も読みやすくて面白かった。緩急がつ