返して、僕らのスーファミ。
市民プールへ、20インチで駆ける。
河川敷の草花は青嵐と共にささくれ立ち、僕たち二人はギヤをあげた。小学生にはちょっとした冒険くらいの距離に市民プールはある。ペダルを漕いで行けば漕いで行くほど、塩素が鼻腔を震わす気がした。
市民プールに行く時は必ず、ブリックの紙パックジュースを一緒に買って、プールサイドで飲み干す。そしてまたプールへ飛び込んで行くのがルーティンだった。けれどその日はなぜだろう。紙パックの両サイドを広げ、畳んだままのパックを彼は体育座りをしながらずっと吸い続け