全て僕らの一部だった



*****

Kへ

別れてから1年以上が過ぎて
やっと当時のことを思い返せるようになりました。

今思えばいつも私に優しく
どんな時も私を受け入れて
いつも大好きでいてくれたね。

本当にありがとう。そして本当にごめんね。

どうか元気で幸せな毎日が送れることを心から願ってます。

*****


彼との日々を思い出した


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鞄の中から赤いキーケースを
取り出して、家の鍵を開けた

真っ暗な玄関で靴を脱ぎながら
電気のスイッチを手探りで探す

この家に引っ越してから1年半
前の家ではすぐに見つけられた
電気のスイッチも
この家ではいつも見つけられなくて
少しこの家が嫌いになっていた

やっと点いた明かりが
誰もいない静寂なワンルームを
照らしている


同棲していた彼と別れてから2年が経った


一人暮らしってこんなに寂しかったっけ?
と疑問に思うほど、彼と別れてからの
一人暮らしは毎日孤独に感じていた


深い溜息をつきながら
さっき買ったコンビニ弁当を取り出して
レンジで温めることもしないまま
冷たいご飯を口に運んだ

いつの間にか大好きだった料理も
しなくなり、コンビニ弁当で
済ますようになっていた

キッチンの前にすら
立たなくなっているなぁ

と、ふとキッチンの方に目を向け
私の料理を本当に美味しいと
嬉しそうに頬張っていた
彼のことを思い出した


ずっと忘れられない3年間


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彼がまだ大学生だった頃に出会い
私たちは4年間付き合った

付き合ってから4年目
彼のことが本当に大好きだった私は
「ずっと一緒にいたい!」
と花束を渡しながらプロポーズをし
結婚を目前にしていた

自分からプロポーズしてしまうほど
彼に想いが募ったのは

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