香取神宮訪問

私は神社の空気というものが好きだ。パキッとした感じというか、とてもクリアな感じがして、気持ちがいい。また土と緑の匂いも堪らない。

先日、ドライブした際に気になっていた香取神宮に行ってきた。明治以前より神宮と銘打たれた神社はここを含めて3つしかないらしい。由緒正しき神社だそうだ。

家からは約1時間。高速をひたすら走らせ、田畑の多い風景を突っ切って行った先に香取はある。ちなみに香取自体は街中を川が走っており、昔ながらの景色も色濃く残していてとてもいい雰囲気だったので、改めて散策したいと思っている。

香取神宮に到着すると、先ず目に付くのは広い駐車場である。また、仲見世通りの入り口には大きな「歓迎」の二文字。昔ながらの派手さを感じるが、これもまた趣深いというか、嫌いではない雰囲気だった。

仲見世通りのお店はこのご時世殆ど開いていなかったが、それでも物寂しい空気を感じなかった。暗い感じはせず、境内に着く前から気持ち良かったのが印象的だ。駐車場の開けた感じが良かったのだろうか。

鳥居を潜り表参道を歩く。曲がった緩やかな坂を登っていくと左側に池が見えてくる。奥には小さな滝もある。軽く散策するにはいいサイズ感だ。何より水が流れているのは気持ちが良い。

表参道の先には総門が見えてくる。これが非常に豪奢なのだが、赤と白が映えて個人的には結構好きだった。3歳の娘が総門に至る階段を先に登っていった姿がとても可愛かった。

正面には手水、右手に行くと楼門がある。この門もまた豪華絢爛といったところ。これを潜ると拝殿が見える。拝殿も勿論大きいのだが、こちらはベースが黒で少し落ち着いた印象。

このスペースで何と言っても印象的だったのは御神木だった。天を衝くような巨きさで聳え立っている。大きなものを見ると、自分はなんてちっぽけな云々、という話があるが、実際見ると別にそんなことは考えないもので、精精「すげー」と言いながら口を開けて見上げてしまうものらしい。そして何だかそれが嬉しくもあったりするから不思議なものだ。

この神社には拝殿・本殿のみならず、奥宮もある。奥というからには拝殿・本殿の更に奥にあるのかと思いきや、別にそうでもないらしい。楼門から総門を舐めながら旧参道を歩いていくとあるとのことなので、そこまで戻ってから更に歩いていく。

旧参道を歩いていくと、傍らには何軒か民家があった。殆ど境内に位置するような家があるというのも面白い。また、ここには地震を起こす大鯰を押さえつけると言われる「要石」というものも存在する。これは鹿島神宮のものと対になっているようだ。

要石に寄ったことで、大きく蛇行して坂を登り下りしながら奥宮に向かう。もう少しで奥宮だというときに、晴れた空からパラパラと雨が落ちてきた。気持ちのいい天気雨だ。神社に訪れた際、ふと天気が変わるのは吉兆というか、歓迎されている証拠だ、というようなことを読んだのを思い出し、清々しい気持ちで歩いていく。

奥宮は坂を登って、木に囲まれたスペースに鎮座していた。本殿側の豪奢な作りとは対照的で、古材の色がそのまま認識できる作りとなっている。サイズもそれほど大きくない。しかし、それが静謐な空間と相まって、とても良かった。本殿側の気持ち良さとは異なる、もっと繊細な感じだ。蛇行と登り下りを経て辿り着いたということも、また何か嬉しい感じを与えてくれたように思える。

本殿と奥宮で空気が異なる感じ。歩き回ってお参りする感じ。これらが何だか異郷を旅でもしたように感じさせてくれたのか、新鮮な感じがして、とても楽しい参詣となった。香取神宮にはまた伺わせていただきたいと思う。

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