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【もし自分が34歳だったら応募したいNPO求人を集めたマガジン】認定NPO法人PIECESファンドレイジング担当スタッフ

貧困・虐待・自傷行為などなど痛ましい子どもの事件は後をたちません。その一つの原因が「子どもの孤立」と言われています。子どもの孤立を防ぎたいと思った時、皆さんならどのように活動したらよいと思うでしょうか。

子どもが集まれる場所をつくる、電話やLINE相談をうける等さまざまな対応が考えられます。今回紹介するPIECESは「地域全体、社会全体で子どもたちが孤立しない優しい間(ま)があふれるために、市民性を醸成するプログラム」を実施しています。

子ども達に直接アウトリーチするのではなく、子どもの周りにいる人達を意識付けするプログラム「Citizenship for Children」を提供することでこの問題を解決しようとしています。

なぜこのようなアプローチをしているかというと、私たちは、社会を原因と結果という単純な構造ではなく、複雑に関係しあっているもの、と捉えているからです。孤立を生んでいる原因を探し、それを解決しようとしてもなかなか一筋縄にはいきません。また、その原因を探しなくそうとするプロセスでは新しい排除が生まれることがあります。だからこそ、原因をトップダウンにつぶしていくのではなく、その場その場で私たち一人ひとりが考え、動いていくことが大事です。
子どもへの直接的なアプローチと違い、少し遠回りのように思われるかもしれませんが、複雑な社会へのアプローチとして、この活動は優しい間のあふれる社会の可能性をひろげていくものであると考えています。

PIECESはこのプログラムを全国に展開するために求人を開始されました。こうした背景については以下のサイトで細かく説明されています。オンライン説明会も用意されています。

■説明会日程(全日程オンライン)
2020年5月28日(木)20:00〜21:30
2020年5月31日(日)14:30〜16:00
2020年6月2日(火)13:30〜15:00

気になる職種はファンドレイジング担当スタッフ

今回の求人では以下の3つの職種を募集しています。その中で私が34歳だったら挑戦したいのは②のファンドレイジング担当スタッフです。

①プログラム を 実施する エリアマネージャー 兼 ファシリテーター
②プログラム拡大 のための 基盤をつくる ファンドレイジング 担当スタッフ
③PIECESの事務、組織運営全般 を支える 事務局スタッフ 

ファンドレイジングとは資金調達の意味で、助成金の申請や寄付金を集めることで団体の活動費を集める役割のことです(今回の求人では研修事業の営業なども含む)。なぜこの職を希望するかというと、活動の影響力がとても大きいからです。

以下は2018年度の活動計算書の収益部分の抜粋です(クリックすると活動計算書全体が見れます)。1.受取寄附金と2.受取助成金等を足すと収入の大半の86%を占めていることがわかります。ファンドレイジング担当が獲得する資金で活動できる枠が決まってくるので、責任は重大ですが1年いちねん積み重ねることで自分の自信につながります。

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それでも寄付が集まらなかったらどうしよう・・・不安になる方もいるかもしれません。寄付や助成金などの資金集めはNPOの信頼度に大きく影響をうけます。PIECESは様々な助成をこれまでうけてきており社会的な信頼度は高く寄付者も多くいます。数ある中でも私が注目したこれまでの支援団体は以下です。

1.SVP東京 12名のプロボノによる事業モデル構築・組織基盤強化
2.認定NPO法人サービスグラント「事業戦略支援プログラム」
3.コモンズ投信「コモンズSEEDCap」第九回寄付プログラム

1.SVP東京

SVP東京(Social Venture Partners Tokyo)はパートナーが会費10万円を出し合うことで、団体を資金面とプロボノで支える活動です。特にこれから社会的インパクトを出すであろうスタートアップの団体を早い段階からサポートしている団体として有名で、立ち上げて数年の認定NPO法人フローレンスもSVP東京が支援した団体でした。

2.認定NPO法人サービスグラント

サービスグラントは2005年から活動をしている団体で、日本にプロボノという言葉を定着させてきました。企業に勤める専門知識を持った方とそうした知識を必要とするNPOをつないできています。

「プロボノ」とは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、【社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を活かしたボランティア活動】を意味します。

3.コモンズ投信「コモンズSEEDCap」

コモンズSEEDCapはコモンズ投信が毎年おこなっている社会貢献プログラムで、『コモンズ30ファンド』の直販などから生じる弊社の収入である信託報酬の1%相当を寄付するプログラムです。

投資会社だけあって、以下過去に選ばれた団体さんは現在とても活躍されている団体ばかりです。『よい世の中を次世代へつなげる活動への長期投資』をモットーとしているコモンズ投信さんの目利き力はすごいです。

<過去の支援先団体>
・認定NPO法人ACE
・公益社団法人Civic Force
・認定NPO法人侍学園 スクオーラ・今人
・特定非営利活動法人マドレボニータ
・認定NPO法人かものはしプロジェクト
・認定NPO法人D×P(ディーピー)
・認定NPO法人 3keys

昔から支援団体から寄付やプロボノをうけている団体には、多くの支援者がついています。こうした信頼関係を活かしてファンドレイジングをしていけるので、責任は大きいですが安心して取り組むことができるだろうなと思います。

ちなみに、2016年のクラウドファンディングでは560万円の金額を達成されています。

そして、2020年にNPO法人ピッコラーレと共同で実施のクラウドファンディングでは2020年5月19日時点で580万円を集めていらっしゃいます。

ファンドレイジング担当はどのような経験を積んだ人がなれるか

企業に寄付集め担当の職はありません。なのでファンドレイジング担当になれるかな・・・と思われる方もいるでしょう。寄付集めは、寄付をお願いするための各種情報提供をする広報の役割、寄付を検討している方に直接お願いをする営業の役割、入ってきたお金を管理する経理の役割、Webサイトの整備やDBへの登録といったIT担当の役割、寄付者向けのイベントを開催する役割といった様々な役割が渾然一体となっています。ですので、このどこかの経験あれば挑戦できますし、認定ファンドレイザーの資格もありますので、職に就いてから勉強をしても大丈夫です。大切なのは、団体の活動を理解し、共に成長をしていきたいと強く思えるかです。

さいごに

NPOは資金力が限られていますので、定期的に求人を出すことはできません。ですので、タイミングを逃さないことが大切です。気になる団体があったら、メールマガジンに登録し定期的な情報収集をしたり、寄付やイベントに参加することで関係性をもつところから始めるとよいでしょう。そうした関係性の積み重ねを通じて、この団体のために何か役立ちたい!と強く思えたら、そこが活躍できる場所になると思います。


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