ファンタジーとリアルとイーサン・ホーク

いよいよ緊急事態宣言が解除されましたね。
私は外飲みはまだちょっと怖くてできない、でも馴染みのバーが17~22時で必死に店を開けてるの見たら飛び込みたくなっちゃう、でもやめとこう、その葛藤で裏路地を行ったり来たりしています。
近頃見た映画は「マギーズプラン」「ハーフオブイット」ということで、めでたくイーサンホークブームが到来しました。
ちなみに「ハーフオブイット」はマジでマジで最高なので、ネットフリックス入ってる人はどうぞ見てください。

イーサンホークについては、まあもうとりあえずカッコいい、ってそれだけです。てへ。
「ビフォアサンライズ」で最初にイーサンホークがジュリーデルピーを口説いて「行こうよ」って親指をクイってするアレ↓

アレはもう本当にハートをぶち抜かれるわけですが、あのよく動く八の字眉も、ハニカミ笑顔も、いたずらっぽい表情も、真っ直ぐすぎる瞳も、おじさんになっても一切変わらない！もはや感動！
「マギーズプラン」は主役のマギー（自分のあだ名をイーサンホークに呼ばれる期待はそりゃあしましたよね）の思考回路にちょっと引いてしまって、映画的には心を動かされなかったんですが、イーサンホークには心動かされまくりました。
とんでもねえダメ男の役なんですけどね！完全降伏！あの人にあんな風に迫られたら結婚してようがニートだろうが即決で付き合う！
イーサンホークとライアンゴズリングは私の中で「妙にクールな役もやってるけどダメ男やってる方が数割増しでかっこいい俳優」ベストワンツーです。日本人だとあんまり思い浮かばないんだけど、なぜだろう。
ライアンゴズリングは大泉洋さんとすごく似てると思っているので、誰か大泉洋さんに「ララランド」とか「ブルーバレンタイン」みたいな役を持ってきてほしい。

ってそうか、ああいう男性の描き方って、日本映画であんまりないのか。
ダメでチャーミングでやっぱりダメで、でもプライドは持ってる男。
そういう男性を日本人もきっちり描いてほしいとは常日頃思っております。（だから私が書くよ！）
日本人って、ダメな男を異常に神格化する傾向がないですかね？
さらにそのダメさの種類が、言葉を一切選ばずに言うと、童貞orヤリチンのどちらかで描かれることが多い。
地獄の二択じゃねえか。
そんなねえ「人生で何回やったか」みたいな、そんなとこだけでいつまでもうじゃうじゃしてんじゃないよ。会話をさせておくれよ。
そして多くの場合、女性にトラウマがあることをエクスキューズに、男性にとって都合のいい女の妄想が炸裂しているのがカッコよくない。（そういえば最近某芸人さんが、似たような経緯で炎上してしまいましたっけ）
バランスを崩した男性が、天然おばか美少女or悟り系物知りお姉さんに救ってもらうお話は、お腹いっぱいでございます。
そして、それと対の現象として、日本人の描く悪女にはリアリティも覚悟もない気がする。
いや、一昔前の映画だと腹の決まった大人の悪女がバンバン活躍してるな。
そこまで邦画に明るくない私でも「鬼畜」「疑惑」「しとやかな獣」に女囚さそりシリーズが思いつく。
最近の映画で思いつく方、ぜひ教えてください。
あとはこの手の話でいうと、女優さんにリアリティ皆無の過剰な化粧をどうか施さないでほしい、というのが私の願いです。
最初からファンタジー前提、シンパシーよりもワンダーを狙ってるならそれで全然いいんですけど。
感情移入させようとしながら、逃亡犯や激務の最中の女医がバッツリメイクにサラサラ髪の毛おろしたままとかで現れると、「いやメイクする時間あるやん」ってなっちゃう。下手したら寝起きでマスカラまでしっかり塗られてたりするけど、あれなんで？
世界を制した「パラサイト」の家政婦さんもソンガンホの奥さんも、本来むちゃくちゃ美人さんなのに、映画の中じゃマジでこ汚い。
必要があるからメイクダウンさせている訳で、その心意気をどうか日本の現場にも取り入れてほしいと思います。（もちろんメイクダウンさせてる日本映画が全くない訳じゃないです）

そういう意味じゃ「マギーズプラン」の衣装さんはすごくいい仕事してたな〜。
それぞれを魅力的に見せつつ、マギーのクソめんどくさい性格を衣装でズバリ表してたもの。それでいて可愛いという。
パツパツの体にパツパツの紫のカーディガン！最高です。

話がずれてしまった。

イーサンホークのインスタより。
これがどういう人たちの集まりなのか分かってないんですけど、思いっきりオシャレしてお出かけしたい今の気分にマッチしていたのと、最後に出てくるイーサンホークにヒ〜〜ってなったのでシェアします。
ていうかイーサンホークがインスタやってる世界って・・・ハリウッドスターというファンタジーが一気にリアリティを伴うな。
ファンタジーとリアルがごちゃ混ぜになって、そこには誰かの希望やヘイトも絡まっていて、何が自分にとっての本当かを逐一見極めなければいけない世界に私は生きているようです。