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【画像解析・機械学習】創薬AI「イマセル」、研究ノートはじめます。

はじめに

 初めまして。私たちはバイオイメージングを専攻する東京大学大学院の研究室が前身となったAIベンチャー、エルピクセルのメンバーです。

 2020年10月には、これまでライフサイエンス研究者向けの画像解析技術として提供してきた「IMACEL(イマセル)」を創薬に特化した画像解析AIとしてアップデートしました。

 創薬のDX、創薬AI、などと注目度が高い分野でありながら、その実態をイメージできる方は少ないのではないでしょうか。
 そこで私たちは、創薬プロセスにおいて画像解析AIに何ができるのか、どのように社会実装が進められているのか、研究記録やその解説を書き記していきたいと思います。執筆を担うのは創薬AIの最先端に携わるIMACELのエンジニア・事業開発メンバーです。
 さて、初回はライターをご紹介いたします!

ライター#1 菅原 晧/Ko Sugawara

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東京大学大学院博士(薬学)。薬剤師。一分子蛍光顕微鏡法を用いた細胞内mRNAのナノスケール局在・運動解析に従事。東京大学ライフイノベーション・リーディング大学院および東京大学医療イノベーションイニシアティブ修了。東京大学特任研究員。現在は仏・リヨン機能ゲノミクス研究所にて甲殻類の足の再生メカニズムの研究を行う。
主にライブイメージングデータを対象とした3次元細胞トラッキング画像解析技術の開発に従事。エルピクセルではこれまで10以上のプロジェクトに従事し、iPS細胞由来心筋細胞の動画解析から半導体検査システムの研究・開発まで様々な分野のプロジェクトに携わる。
Zoom背景は、フランスでの研究で開発した3次元細胞トラッキングソフトウェアELEPHANT のロゴをタイル状に並べたもの。

<エルピクセルでのプロジェクト>
マイオリッジ社とiPS細胞由来心筋細胞の動画解析システムの共同開発
Myoridge | iPS細胞由来心筋細胞の動画像解析システム「Carmy Analyzer」の提供を開始

エルピクセルの画像解析AI技術、 東レエンジニアリング社が半導体の製品検査に応用

 目的に応じた適切なソリューションを提案することが出来るのがIMACELの強み。AIを使って何でもやる、というよりは適材適所で幅広く応用いただけると思います。そうしたソリューションをお客様と一緒につくりあげる形でプロジェクトを進めてきました。
 今後は、技術的にも成果としてもインパクトのあるプロジェクトに携わることができたら。個人的には、画像解析のクラウド化、効率的な画像解析システムの構築を目指していきたいです。

ライター#2 河合 宏紀/Hiroki Kawai

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東京大学大学院新領域創成科学研究科 博士課程修了。博士(生命科学)。研究テーマは神経幹細胞の未分化性維持機構の解明。大学ではMITで行われる合成生物学の大会iGEMに出場(銅賞)。日本学術振興会特別研究員 (DC1) 、東京大学薬学系研究科特任研究員として、神経幹細胞の研究に従事。現在も東京大学客員研究員として、3次元電子顕微鏡画像の画像解析等の研究に従事。エルピクセルでは、2017年の入社以来、大手製薬企業とのプロジェクト等を牽引。
Zoom背景は、客員研究員先の研究で解析したミトコンドリアのクリステ。

<研究実績>
An interactive deep learning-based approach reveals mitochondrial cristae topologies
<エルピクセルでのプロジェクト>
Harnessing AI to improve drug discovery / How Daiichi Sankyo and LPIXEL unlocked the power of phenotypic screening.

 画像解析は行いやすいが実験に向かない場合、逆に、実験は行いやすいが取得データが画像解析に相応しくない場合があります。私たちは、画像解析と実験に関する双方の知見を有するからこそ、「画像解析としても実験としても適切な方法」でアプローチすることが出来ます。
 私自身は、解析手法自体よりも解析結果の生物学的な内容に興味があり、解析結果に価値が見込めるものには積極的に取り組んでいきたいです。その他、技術的な観点では、過去にプロジェクトで関わったマウスの行動解析に注力したいです。

ライター#3 江連 豪/Go Ezure

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新卒ではITメガベンチャーに入社し、グループ全社の人事や財務を担当。その後、外資系医療機器メーカーで人事企画を担当した後、2019年にエルピクセル入社。エルピクセルでは人事を担当した後、コーポレート部門責任者として資金調達や管理部門立て直しを経験。その後、エルピクセルが持つ技術や価値をマーケットに届ける仕事に直接携わりたいというワガママ(笑)が叶い、 IMACELチームに参画。事業の方向性や戦略策定に携わりながら、予算管理など管理系業務、マーケティング、営業まで「なんでも屋」として日々奮闘中。
Zoom背景はIMACELのチラシ・ポスターデザインから。「ピル」に着想を得たデザインながら、巷では「大腸菌」と持て囃されている。

 創薬AIという言葉こそよく耳にするようにはなりましたが、人によってはまだまだ海のものとも山のものともつかないもの。
 私たちの技術は、無償解析→有償解析→本解析というプロセスを取っており、ライトに試すことが出来ます。奇抜な服は試着しないと買えないのと同じで、突拍子もないと思われるものであっても「こういうことをやってみたい」と気軽に相談いただき、一緒にトライさせていだだきたいです。
 将来的には地域や社会を変えられる可能性を持つプロジェクトを立ち上げたいです。例えば、一施設における生産性を改善しながら、施設の周りの環境や雇用、エコシステムに対して影響を与えられるものに取り組んでみたいと思っています。

ライター#4 加藤 祐樹/Yuki Kato

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学生時代は分子生物学を専攻する研究室にて肝臓の研究に従事。新卒で入社した大手製薬企業では薬理研究に携わり、腎・肺の線維化メカニズム解析、化合物スクリーニングの研究を担当した他、アカデミアとの共同研究探索に関わる。その後、エムスリーにて市場調査に関する法人営業・新規サービス企画を担当し、2021年6月にエルピクセル入社。
Zoom背景は、趣味のサウナから。

 IMACELで取り組んでいるPhenotypic Screeningについて、技術としてはよく知られていますが、これに取り組む企業はまだまだ多くはないのではないでしょうか。創薬へのAI利活用については様々なアプローチが考えられますが、アカデミアのバックグラウンドを持つエンジニアはその引き出しが多く、顧客課題に応じて幅広くソリューションが提供できるのではないかと思います。細胞レベルから組織、個体、臨床の画像所見まで幅広くカバー出来るのが強み。
 個人的には、創薬AIからは少し外れますが、臨床の予後予測に取り組みたいです。

それでは、引き続き宜しくお願いいたします!




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