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ILY,流デザイン「コロナlab」の軌跡

Hello, people.

ILY,には「Lab」という自主研究活動があります。
そもそもDESIGNは、ビジュアルを作ることではなく、課題解決をすることを指すのですが、クライアント様からいただくお仕事だけではどうしても課題の種類や内容に偏りが出てしまうため、ILY,ではこの「Lab」活動を通して、自主的に課題を見つけ、ソリューションを考案し、アウトプットをする、ということを実践しています。

今回は、3月末からゴールデンウィークにかけて行った「コロナ」をテーマにしたLabについてご紹介します!

コロナLabでアウトプットしたプロダクトは、5月のnoteの記事でもご紹介しました。
動物のフェイスシールドをつくろう! #StaySafeZOO

コロナlab_1

コロナLabに参加したメンバーは、なんとILY全員!
(Labは任意参加なので全員が参加必須ではありません)
ディスカッションメンバーは10名、アートディレクターとディレクターがそれぞれ1名入り、プロジェクトリーダーを北條が担当しました。

どのようにコロナというテーマに取り組んだのか?
プロジェクトを通してどのような気づきがあったのか?
北條にふり返ってもらいました。

なぜ「コロナ」をテーマにしたのか

ー Labに取り組んだのは3月も半ばの頃です。
新型コロナウイルスの影響で、私たちの生活や価値観までも変化したと感じていた時期でした。

そのような状況の中で、
「デザインの作り手として、少しでも世界が良くなる&明るくなるようなソリューションを届けたい!」
という声がメンバーから出ました。
それが今回の「コロナLab」の始まりです。

いつものLabと違った点でいうと、社内全員がテレワークの環境になったこと。ただ、クライアントワークを既にリモートで行っていたことや、もともとみんなディスカッションが好きで、意見を出し合うカルチャーが浸透していたこともあって、オンラインでもスムーズに進めることができました。

Labで取り上げるテーマは正解がないことを対象としているので、まずはブレストをしっかりしていきます。
普段は付箋を張り付けていくのですが、今回はオンラインでお互い書きこめるようGoogleプレゼンテーションシートを共有しながら話し合いました。

スクリーンショット 2020-06-29 午後5.23.30

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なぜ子ども向けのフェイスシールドなのか

「コロナ時代の今、どんな課題があるのか?」という問いに対して出た意見は、家族間のコミュケーションの問題、パーソナルスペースの問題、外出できない、運動不足によるストレス・・・など多岐にわたるものでした。
その中で、私たちのデザインで解決できることは何だろう?という点で絞っていくことに。
すると、お子さんのいるメンバー数人から「子どもがマスクをしてくれない」「Stay Homeが続いて遊び足りていない」という課題が出てきたため、そこから「子どもが楽しく遊べる+感染防止対策」というテーマが生まれました。
子どもに進んでつけてもらうには、子どもが喜ぶ、つけたくたくなる要素が必要…だったら、変身意欲を掻き立てるものにしよう!という発想から、お面のようにかぶれるフェイスシールドを利用するという流れになりました。

「男の子ならライダーかな?」「女の子なら、プリンセス?」「何かのキャラクターを使う?」など色々意見が出ました。その中で、ユニセックスでどちらも好きなもの、シリーズでいくつか種類が作れることを考えた結果、「動物」をテーマにすることに決定。

親子で手軽に制作できるように、自宅にあるクリアファイルを使って制作できる方法をとりました。
作り方は、PANDAIDの「A4クリアファイルで作れるフェイスシールド」を参考にさせていただきました。ILY,の社内Slackに #goodthingというチャンネルがあり 、良い情報を共有し合う文化があるのですが、このフェイスシールドの情報を以前シェアしてくれていたメンバーがいたためです。
ゴールデンウィークに遊んでもらいたいということで、リリースの時期を4月末に設定したため、かなりスピーディーに進めていく必要があったのですが、こういった情報をすぐ得られたことはとてもラッキーでした。

スクリーンショット 2020-06-29 午後5.24.18

企画や制作過程で大変だったこと

制作する中で大変だったのは、デザインのサイズ合わせです。
絵の位置や大きさを決めるにあたり、試作もしてみたのですが、私たち大人がかぶった時と子どもがかぶった時では位置にズレが出てきてしまいます。
しかし、ここでも、実際にお子さんを持つメンバーがデザインの検証をしてくれたので、完成イメージが沸きやすくなり、PDCAも回しやすかったです。

CORONALAB_アートボード 1

試作段階で手伝ってくれたメンバーのお子さん(左からさる、ライオン、ひつじのフェイスシールド)

デザインでこだわったところ

最終的に、10数種類の案を出した中で、さる・ひつじ・ねこ・うさぎ・らいおんの5つのデザインのフェイスシールドのデザインテンプレートを作成しました。
作る過程でも遊んで楽しんでほしいという想いから、塗り絵のように自分で色を塗ることができるバージョンと、色がついているバージョンの2種類のデザインに。作りやすい工程や分かりやすい説明テキスト、作るのが楽しくなるコメントも添えるようにしました。

コロナlab_4


リリース後の反響

リリースした情報を見て、実際に作って下さった方が、フェイスシールドを付けたお子さんの写真をSNSにあげてくださいました!
「ゴールデンウィークで時間もあったし、子どもたちが楽しめる遊びになると思ってやってみました」とのことで、私たちの工夫が届いたことがとても嬉しかったです。

コロナlab_5


今回のLabでの気づき

プロダクトデザインにおいて、機能するデザインを作る難しさを改めて感じました。

機能するデザインを作るには、実際に使用・体験を繰り返す検証が必要になります。普段は、ツール上で作ったものがほぼそのまま反映されるWEBや紙のプロダクトを作ることが多いので、その難しさは実際に作ってみるまでわかりませんでした。
ただ、そのぶん、その物を使ってくれた人の反応を(SNSを通じてですが)、直接見ることができたのは新鮮でした。

また、コロナ禍の課題に対して、1つのアウトプットを短期間で出すことができたのは良かったです。スピード感を持ってソリューションを出せるのは、アイリーならではの強みだと思います。
また、今回のLabがスムーズに進んだのは、普段からさまざまな社会課題についてディスカッションする社内風土があるからだと改めて実感しました。

そして改めて、私たちがやっている仕事の意義は「デザインをつくる」というビジュアル面だけではなく、そのデザイン機能を通して、課題を解決することだと再認識することもできました。

今後も、その時代にあったタイミングで、さまざまな課題を見つけていき、私たちが解決できることに取り組んでいきたいです。
今後もILY,のlab活動にご注目ください。

Thank you, we love you.

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