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Sansanグループになった1年間

皆さま、初めまして。言語理解研究所、代表取締役社長の樫地です。
今回は、私たち言語理解研究所(以下、ILU)がSansanグループに参画した経緯と、参画後の変化や、これから目指すILUの未来についてお話ししたいと思います。

私たちは2002年の創業以来、徳島大学発のスタートアップベンチャーとして、人と機械の間のコミュニケーションをより豊かにすることを目指し、独自の自然言語処理技術の研究開発に邁進して参りました。社員一丸となって走り抜けた22年の沿革の中で、最も大きな転換点は2023年6月にSansanグループへ参画したことです。このSansanグループ参画を機に、ILUは第二創業期へと舵を切りました。

ではなぜ、ILUがSansanグループに参画することになったのか。
まずはその経緯からお伝えしたいと思います。


なぜSansanだったのか?

当社は、人間の気持ちを理解するための大規模言語知識や言語解析の技術基盤を活用し、刻々進化する先端技術(ニューラルネットワーク、生成系AIなど)とも相乗効果が発揮できるAI(ハイブリッドAI)方式を国内外の大手企業様に長くご利用いただいています。
これらの取り組みをより多くの方に役立てたいと考え、 創業者の青江から私へバトンタッチするタイミングで新たなパートナーの模索を開始しました。

さまざまな企業が候補としてあがりましたが、最終的にSansan社にお願いすることになりました。

Sansan社は、2010年に徳島県神山町にサテライトオフィス「Sansan神山ラボ」を開設し、さらに起業家育成を目的とした「神山まるごと高専」の開校および運営支援を2023年4月に実施するなど、徳島県において数々の取り組みを行ってきました。

その実績に加え、Sansan社は人や企業間の情報活用においても成果を上げており、ILUの人間の気持ちを理解する技術とSansan社の情報活用技術を組み合わせることで、大きなシナジーを生み出せると確信しました。
そして何より、Sansan社の積極的に挑戦する社風に深く感銘を受けました。

これらの理由から、Sansanグループへの参画をお願いした結果、ILUは次のステップとして共に歩み始めることとなりました。


Sansanグループになって変わったこと

まずグループの一員となって感じたのが、成長志向の強さです。
私自身、Sansanの合宿にも参加させていただき「現状に満足せず改善と成長を追求する姿勢」を肌で感じてきました。

今までのILUは受け身姿勢で、例えばPR活動なども積極的ではありませんでしたが、一方、Sansan社は、新しいことにチャレンジする意欲が高く、スピード感も違います。
Sansan社の持つ最先端な技術や経営ノウハウが加わることで、私たちの企業文化も大きく変わり、新しい「挑戦力」を取り入れる風土が育つのではないかと刺激を受けています。

これは、社員にとっても大きなチャンスです。
Sansan社の協力により、社員は新たなスキルを学び、キャリアアップする機会も広がっています。さらに、多様なプロジェクトに参加することで、今までに無い経験を積むことができて、個々の成長にもつながっていくと思います。

営業体制の刷新

私たちは、これからさらに成長していくために営業体制を変更しました。この変化のきっかけとなったのは「ILUの認知度が低い」という危機意識からです。

これまでは、マーケットからの需要に対して受け身で対応するスタンスが多かったものの、技術の進化が著しい現状では、ILUが持つ最先端の技術を積極的に市場に提案していくことが必須となりました。

まずは「ILUを知ってもらう」「問い合わせ数を増やす」ことを目標としました。このnoteやメールでの情報配信、そしてウェビナーへの登壇もその施策の1つです。これまで交換した名刺やウェビナー視聴者からハウスリストを作成するなど、初めての試みも行っています。。

【生成AIの限界突破】LLM×NLPで、誤回答の少ない生成AIサービス創り
2024年7月17日開催「生成AIサミット-Vol.2〜生成AI×ビジネス活用の最先端を学ぶ一日〜」(主催:株式会社Workstyle Evolution)Session4登壇

リモートワーク研究所 YouTubeチャンネルより

採用の強化

第二創業期を迎え、積極的な事業展開へと舵を切ったILUですが、これまで以上に技術力を強化し、攻めの姿勢を貫くためには、優秀な人材の確保が急務でした。
しかし、これまで広報活動や採用活動に力を入れてこなかったILUにとって、それは未知の領域への挑戦でした。

「本当に人が集まるのか?」という不安を抱えながらも、自社の技術力や成長性、そして何よりも「地方から社会を変える」という熱い想いを抱き、採用活動をスタートしました。

当初は応募はほとんどありませんでしたが、求人内容の改善やインタビュー記事掲載など、積極的に採用活動に取り組んだ結果、徐々に応募者が増加し、成果が出つつあります。
「ILUを知ってもらう」ことの大切さを実感できましたし、さらに採用活動を強化していく私たちにとって大きな自信となりました。


リブランディング

私たちは、営業体制と採用体制の改革を進めるのと並行して、リブランディングにも着手しました。
リブランディングは、単にロゴやデザインを変えるだけではありません。ILUという会社の存在意義を再定義し、社員の意識を変革することで、未来に向けて力強く歩み出すための、まさにその一歩となります。

ワークショップなども開催し、議論を積み重ねた結果、ILUの新たなミッションとロゴが決定しました。
熱い議論の様子は、改めて別の機会にお伝えします。

新ミッション

私たちが日頃使っている言葉に真摯に向き合って、顧客に最適なものは何なのか、どうすれば顧客への提供価値を最大限に高められるかということを常に目指していきます。

言語理解研究所(ILU)新Mission

新ロゴ

新しいロゴは、アルファベットの間にあるラインでILUの技術である「文に現れていない文脈をも読み取り、つなげ、紡いでいく力」を表現し、過去と未来を繋ぐイメージを持たせています。
晴れて2024年7月に新ロゴのリリースとなりました。

言語理解研究所(ILU)新ロゴ

今後の展望について

ILUはSansanグループに参画することで第二創業期を迎えたなか、大きく変化し始めました。

営業体制、採用の強化、リブランディング、これらは始めたばかりで、まだまだこれからですが、Sansan社との取り組みも始まっており、互いの技術やリソースを有効活用して、両社のシナジーを最大限に引き出す形で進めています。

すでに結果も出始めていて、Sansan社の契約データベース「Contract One」において、ILUの技術が採用されました。この協力関係は、様々な業界へのビジネスチャンスとなり、ILUのビジネスモデル自体の拡張へと繋がっています。

契約データベース「Contract One」に2つの新機能。AIと言語理解研究の技術により、俯瞰的な契約管理を実現
〜関連する契約のひも付けや、有効性の確認を自動化〜

2024. 03. 25 Sansan株式会社ニュース

ILUは事業を拡大し、売上を向上させるという企業として当然の目標はありますが、最終的には会社の成長を目指しています。
これは単なる数字の成長ではなく、私たち自身の成長を考えています。社員の成長が企業としての成長につながりますし、それがまた社員の成長を後押しする、そんな好循環を築いていきたいと思います。

ILUは言葉を紡ぐ技術を持っていて、人と人をつなぐ力があります。
それは単にビジネスを成功させるためだけでなく、社会的意義を持つと考えています。
言葉には想いを伝え、感動を生む力を秘めています。
ILUはそれをお手伝いできたらと思います。

最後になりましたが、皆様の変わらぬご支援とご協力を、今後ともよろしくお願いします。