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香港と日本で比べる「女性の働き方」

私は以前、アメリカの会社の中国支店の社長として、
サラリーマンをしていたことがあります。

その時の経験をもとに、私が日本の女性と香港の女性との
働き方の違いで感じたことを書いていきたいと思います。

私が以前働いていたその会社は、
ヘッドハンティングを仲介する会社でした。

仕事に対する考えの違い

日本の企業では、一つの会社で働き続ける事が美徳とされていますが、
海外では逆に、キャリアアップのために転職をするという考えです。
そのツールとしてヘッドハンティングはよく利用されます。

日本でヘッドハンティングのターゲットになると、
「今勤めている会社への不義理」という
マイナスのイメージになりがちですが、
海外では逆に「スキルアップのチャンス」とポジティブにとらえるのです。

ヘッドハンターは男女問わず存在し、自分の能力、人脈を駆使して
優秀な人材を引き抜きます。
その報酬は、引き抜いた人材にもよりますが、
大体1年間の給料の20~25%、多いときは30%もらえます。
例えば、年間の給料が1千万円だったら、
報酬として200万円もらえるのです。

ヘッドハンターの活躍は会社の業績に貢献するので、
会社もヘッドハンターを重宝していました。

ヘッドハンターのように会社が重宝する職種もあれば、
あまり重視されない職種もあります。
直接業績にかかわらないような一般事務の仕事などです。
私のいた会社は150人ほどの会社でしたが、
一般事務の人は1人か2人しかいませんでした。
外資系の企業は10年ほど前からほとんど
ペーパーレスで運用しています。
書類の印刷などの業務が省けたことによって
事務員をそれほど要しなくなったのです。

しかし、日本の企業ではいまだに印鑑や紙の書類で
やり取りをしている所が多くあります。

だから、業績にほとんど関係のない事務員を
たくさん雇う必要があります。
また、スキルや知識のあまり必要ない業種だからという理由で
求職者も多いように感じます。

家政婦の認識の違い

近年の日本では、家事や育児に積極的な男性も増えてきましたが、
私はまだまだ家庭内の仕事は女性がやるべきだという
風潮が根強いように感じます。

香港の社会では、フィリピン人やインドネシア人などの
外国人の家政婦を雇用するシステムが流通しており、
女性が社会復帰しやすい体制になっています。
日本では、家政婦というと富裕層が雇っているイメージですが、
香港には、働きに出たいと考えている女性が多いので、
家事・育児の負担を減らし、女性の社会進出を後押しする政策が
取られてきました。

香港の家政婦の給料は、月におよそ4,500香港ドル(=73,000円くらい)で、たとえ狭いマンションでも住み込みの家政婦を雇うことが多くあります。

香港では、結婚して子どものいる女性でも、
このようなシステムを活用して、努力をしてスキルを身に着け、
出世している方が沢山います。

日本でも女性の就労率を問題視しはじめ、
2015年から神奈川や、大阪、兵庫など決められた地域限定で、
試験的に外国人の家事代行サービスの受け入れを始めました。

条件がいくつかありますが、日本でもこのように
女性の社会進出を支えるシステムが動き出しています。

企業や個人の改革

現在、私の会社では、結婚して子どものいる女性も働いています。
面接では学歴や資格、家庭環境などではなく、本人たちのやる気と
フィーリングを重視し、勤務時間は自分で調節できる
フレックスタイム制を導入しました。

彼女たちは今、これから行う事業実現の為に、
一生懸命勉強をしてスキルを身に着けています。

日本の環境も先ほど挙げたように動き出しています。
学力がないからという理由や、家事や育児で時間がないからという理由で
スキルアップすることをあきらめている方には、
ぜひ、こういう考えで人員を採用している会社もあるということを知って、意欲を持ってほしいと思います。


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