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Sazanami まだ娘と会えてないってよ

子宮外妊娠で緊急手術したものの、予定より早く退院できてすっかり元気になったSazanami 。ところが毎週かならずやってくる甥っ子姪っ子から避難して、実家で療養を余儀なくされてしまう。



退院翌日。

夫が迎えに来て、お昼ごはんを食べに連れてってくれました。雨のス○ロー駐車場はガラガラ。店内にも待ち時間なくすんなり入れました。

「みんな出かけてないんだねぇ」       「緊急事態宣言出てるからなぁ」

ぼたん海老のお寿司を食べながら、ぽつぽつと夫に言いました。              「手術の前こわかったなぁ」         そしたら夫も言いました。         「オレも怖かった」  

やっぱりそうだよね、涙目だったもんね。   私もそうだった。    

「助からないかと思った」          

私は大きくうなずきながら、言葉を吐きだしました。   

「……麻酔したまま目が覚めなかったらどうしようって……。でもよかった、いまこうしてお寿司食べてる」

そう言ったわりに、お寿司はいつもよりお腹いっぱい食べれませんでした。退院したばかりで、まだお腹も元気になってないのかも。

それでもお腹パンパンでお店を出ると、車はアメリカの絵本に出てきそうな町なみを走っていきました。梅雨空にカラフルなお城たちが映えます。それをボーッと眺めているだけで、楽しい気持ちになりました。

30分くらいドライブして、車は港町のリゾートホテルに到着しました。

「マッサージしていいよ」

ホテルのアロママッサージ。

ラベンダーの香りに包まれて、ふわふわのベッドの上で施術してもらうのを想像してうっとり。

「うーん……。まだ傷口が痛むからなぁ。うつ伏せになるの厳しそうだから今度にする。ありがとう」

誕生日にとっときます、と付け加えてみましたが、はたして夫は覚えていてくれるでしょうか。

この思わぬ申し出は、ほんとうに嬉しかったんです。

ホテルで食べたシュークリームは、いままで食べたシュークリームの中でいちばんの味でした。

アーモンドが練り込まれた小ぶりな皮は、サクサク美味しい音を立てていました。カスタードクリームも濃厚にみえて、後味スッキリのうえそんなに甘くない。

シュークリーム食べたらカスタードクリームで胸焼けするパターンが多かったのですが、そんなことはひとつも起こりませんでした。感動!

そのあとも国道沿いをドライブ。オフィス街をひたすら南下して、サトウキビ畑を両側に見ながら「娘ちゃーん! 会いたーい元気なのー?」  「抱っこしたいよー!!」          と定期的に悶絶というか発狂しつつ、音楽のこととかお笑いのこととか夫の仕事のこととか私の過去の仕事のこととか、娘以外のこともたくさん夫と語り合いました。

夕方までめいっぱい遊んで、実家の駐車場で夫に尋ねました。               「ありがとう。明日の夕方帰ろうかな、迎えに来れる?」                  すると夫は申し訳なさそうにポツリ。 

「……オレ、休みたい」  

何だとーっ!?               内心、がくーっと膝から崩れ落ちました。どうやら夫は今日遊んだことで、体力をほとんど使いきったらしいのです。

そういえば、甥っ子姪っ子あしたまた来るんだっけ……。あの子たちいたら、おうちに帰ってもちっとも休まらないよなぁ。

「……わかった」

泣く泣く返事して、帰る日を1日のばすことに。 うぅ……、私も娘もそろそろ限界だよー!!

さみしい

すぐにでもぎゅーっと抱きしめたい! 

おっぱいあげたい!

耐えろSazanami ! 明日につづく

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