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青少年育成と2021年度

2021年度は新型コロナウイルスの影響が続き、青少年の活動や青少年育成・支援の取組においても、さまざまな工夫と変化への対応が求められた一年でした。
 「横浜市青少年育成センター」では、コロナ禍にあっても、コロナ禍だからこそ、青少年活動を継続しようとするひとや団体、そして青少年を支援するために、社会環境の変化に対応しながら事業を進めてきました。
 青少年に関わる人材育成のため研修・講座、活動支援、相談支援、情報の収集・蓄積・発信、次世代人材の育成など「横浜市青少年育成センター」の2021年度の取組をまとめてご報告いたします。

横浜市青少年育成センター


①青少年に関わる人の人材育成研修

子ども・青少年理解の基礎研修 前期
「ウィズコロナ」時代の青少年課題に向き合うために、7つの分野の専門家から青少年理解のための基礎知識を学びました。前期では「依存症」「ひとり親家庭の支援」「多文化共生」「障害児支援」について、課題の歴史的背景から支援の現状、取り組みの中で直面した事例や対応の顛末などから、多くを学ぶ貴重な機会となりました。

研修風景

子ども・青少年理解の基礎研修 後期
後期では「ヤングケアラー」「子どもの虐待被害」「SSW(スクールソーシャルワーカー)の役割」を学びました。また、2021年度の特徴的な取り組みとして、WEB会議ツールを利用した、会場とオンラインでのハイブリッド開催にも挑戦しました。これにより遠方の講師の登壇や、市内のどこからでも手軽に参加できるなど、可能性が拡がりました。

研修風景

青少年課題の相談先・連携方法を学ぶ・知る
青少年に関わるための専門研修として「虐待」「就労」「外国ルーツ」「セクシャリティ」 に関する横浜市の相談機関の方を招きました。専門的な知識を身につけることは大変ですが、専門的な機関を知っておくことはできます。参加者からは「子どもたちへの相談援助に役立つ内容でした」という声をいただきました。

研修風景


②団体や人材の交流促進

横浜・子ども青少年に関わる活動関係者の大交流会
例年開催していた青少年支援関係者の交流会も、コロナ禍の中止や完全オンライン開催を乗り越え、会場とオンラインでのハイブリッド開催を実現することができました。会場に集まることのできた参加者はもちろん、オンライン参加の方も含めて、人と人のつながりが社会の仕組みを支えていることを改めて実感する会となりました。

よこはまユースゼミ
対話を通して自身の成長と他者との関係性を築く場としてユースゼミを行っています。2021年度のユースゼミは「20代若手スタッフが現場をふりかえられる場」として開催しました。青少年育成に携わる20代のスタッフが集い、ファシリテーターと共に自身の「大事」や「転機」についてふりかえる機会となり、同世代だからこそ話せること、深まることがありました。


③青少年活動や団体運営に役立つ講座

発信力UP講座
ZOOMと対面でのハイブリッド形式による講座の開催でした。講師は、様々な形での参加者一人一人に丁寧に向き合って下さり、ワークも参加者の活動に寄り添って、何が大切かを伝えてくださいました。

応急手当講習会
横浜市防火防災協会から講師を招き、上級救命講習を行いました。救命救急の現場で長年実践を積まれた経験豊かなお話と、分かりやすい実演で、とても理解しやすかったと受講者からも好評でした。

自然遊び講座
コロナ禍によって子どもたちの体験活動の機会が減少する状況で、身近な自然でも充分に豊かな「自然体験」、「自然学習」が行えることを実践から学びました。横浜市緑区にある新治里山公園で実施しました。

初心者から分かる写真講座
基本的な写真の撮り方、撮る前の準備や環境を整えること、撮ることに集中してしまうと見逃してしまうこと、カメラの調整の方法、編集についてなど盛りだくさんの内容でした。

スマホで作る動画作成講座
子どもたちが撮影した動画や、映画の名作を題材に、基礎的な知識を教えていただきながら、スマホを使った1分間の動画作りに取り組みました。皆さん生き生きと取り組んでおられて、楽しい動画作品ができました。

④次世代人材の育成

子ども・若者の居場所の発見・発信ボランティア
2020年度から始めた「子ども・若者の居場所」や「横浜市で活動する地域団体」を取材しソーシャルメディアの“note”に投稿する若者ボランティア活動です。取材内容をアーカイブ化して発信することに加え、地域とのかかわりが希薄になりつつある大学生年齢の若者が、“知ることから地域につながる”ことにより、これからの生活や職業選択で地域活動に携わる考えを深める機会になりました。取材記事はこちら⇒https://note.com/ikusei/m/m953c690ec011

育成センターでのウォールアート制作
地下1階交流スペースを居心地の良い空間にするため、桜美林大学の「オールラウンドアートサークルはやお」にウォールアートの制作を依頼しました。5月初めから制作を開始し、8月末に完成。サークルにとってもアートを通して地域につながる経験となりました。


コロナ禍の2年間で、残ること・変わること・始まること

コロナ禍は私たちの生活に大きな変化をもたらしました。
オンラインでの会議が当たり前になり、これまでは会場まで足を運び、講師や他の参加者と対面で行われることが多かった研修・講座も、オンラインやオンライン・対面併用のハイブリッド形式で開催されるようになりました。青少年活動においても、活動自体を継続するために、可能なことはオンラインへの切り替えが進んだ一方で、中止となってしまった活動も少なからず存在します。
 この2年間の社会環境の変化は、これまでの青少年育成にとって「引き返し不能点」となるのかもしれません。育成センターでは、2021年度の取組を通して、これからの青少年活動のあり方、そして青少年や青少年に関わるひと・団体の支援について考え、取り組んできました。

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