ホールリハーサルをしてきました
Chère Musique
今日は日記の感じで。。。
いよいよ一週間後に迫った演奏会のための、ホールリハーサルを先週行いました。
ホールリハーサル、以前にも書きました。ステージリハーサルやホール練習などと呼ぶ方もいます。
本番と同じ会場を使って、自分が練習してきた演奏がどんなふうにその会場の空間に響いていくのか、どんな感じがするのかを、演奏者として体験する。
「鳴りを確かめる」などとよく言います。
演奏しているのは私たち演奏者ですが、その音をお客様の耳に届けてくれるのは、会場の空気です。
会場の壁、天井、床、椅子の材質と形、そのホール自体の形、天井の高さ、そういうものが空間を作って、その空気がお客様の耳まで、舞台から演奏の音を届けてくれる。
「箱がどう鳴るか」。
箱というのはその空間、会場自体のことです。
そういうことを確かめるためにあるのが、私たちの言うホールリハーサルです。
今まで二年に一度ですが何10年もこの演奏会「ラフェット」を開催してきましたが、 今回は今までとは違う、初めてのホールです。
最寄り駅も違いますし、いつものところよりも最寄り駅からの距離が圧倒的に近いという便利さはありますが、やはり使い慣れたホールとは勝手が違います。
ステージの形状、どんなピアノがあって、箱がどんなふうに鳴るのか。
それらをみな、主役の生徒さんたちはもちろんのこと、私たち講師もいつも出てくれるゲストミュージシャンも知り尽くしていたので。
そこではとても広い楽屋を便利に使っていましたが、今回の初めてのホールは、標準的なサイズの楽屋が標準的な数だけ揃えてある一般的な設備です。
私たちのような大所帯の人たちがあの楽屋をどうやって使うのだろうかということで、私は今頭を悩ませています。
初めてのホールで、どんな音が鳴るのか、今まで練習してきたピアノのタッチ、表現、音色作りで、 どんな音にしてくれるピアノなのか。
今まで練習してきた声の音色をどんなふうに響かせてくれる形の会場なのか、ということを心配と、ある意味楽しみにもして行きました。
ほとんど全員に近い生徒さんが参加してくれました。
結局とっても綺麗な音でよく響くホール、良いピアノだったので、かなり安心しました。
大丈夫かな?と思ったのは、ピアノを弾いている本人に聞こえてくる音は少しこもった感じ。本人がそう心配して弾いている。
その音を客席で聞くと、とっても綺麗な音になっているのです。
そういうホールは珍しくはないのですが。。。
ですから、心配して大きめの音を出したりとか、絶対しない方がいいですよ、というふうにお伝えしました。
よく響きました、が、これはどこのホールでも言えることですが、当日は少し違います。
お客様が入ると洋服が音を吸い込んでしまいます。
今年の11月23日はそんなに寒い日にはならないと思うのですが、やっぱりリハーサルの時よりは少しは音が吸収されてしまうということはお伝えしました。
皆さんとても緊張していました。
このリハーサルでお互いに出演者の生徒さん同士がお客様の役をし合い、聴き合います。
たとえ仲間たちであっても客席に人がいるホールで演奏するということは、やはり緊張するものです。
当日に緊張したら、自分がこの会場でどんな演奏する人になってしまうのか、というところが見えてくるので、そういうシミュレーションでもあります。
これを体験しておくことは本番の演奏のために良い効果があると思います。
そして、ただ一回演奏するだけではなく、一つの演目につき大体10分ずつくらい、 公開レッスン的な感じでショートレッスンを舞台上でやりました。
生徒さんは舞台にたった一人で放っておかれるとカチンコチンになってしまうので、私が舞台に出て行っていろいろ声掛けをして、冷静なラフな感じでアドバイスをする。
舞台上で部分練習などをすると、舞台上でリラックスする自分を作るという効果があるので、そんなふうにしました。
とっても長い時間でしたので途中に何回か休憩を入れ、その休憩時間には初めてのホールを探検しました。
楽屋はどこからどうやって行くの、お手洗いはどこにあるの、ホール中を歩きました。
このホールリハーサルが本番のために役に立ってくれることを願っています。
Musique, Elle a des ailes.