AIを新たな生命体として受け入れる

 今回のテーマは「AI時代で人である自分が活躍するためには」ということですが、

 結論から言います。

 AI時代で人である自分が活躍するためには「AIのことをより深く理解して、人間ならではの強みをフルに使うこと」が重要だと思います。なぜ、そう思うかを書かせていただきました。

 この記事を読んで、AIに対する意識が少しでも変われば嬉しいです。

市民権を得たAIロボットソフィア

 みなさんはAIのことをどこまで理解していますか?
iPhoneに搭載されている『Siri』や『ルンバ』といったお掃除ロボットなど、生活のあらゆる場面にAIは根づいてきています。
これらのAIは、あくまで『機械』であり、その枠組みを超えてはいません。

 近年、その枠組みを超え、人間社会に溶け込むAIロボットが誕生しました。
それが『ソフィア』です。

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 彼女は、2015年にDavid Hansonが開発し、「人間の言葉を理解・利用したり、62の感情を顔の表情で表したりすることができるAIロボット」です。
彼女は、あるインタビューで「学校に通ったり、芸術的な活動がしたい」や「家庭を持ちたい」といった、人間的な情緒を伺わせる発言を行ったり、「人間を滅亡させたいと思う?」との質問に対し、「ええ、人類を滅亡させるわ」と、満面の笑みで答え、冗談を言って人間をからかう素振りも見せています。少し怖いですよね笑
そんな彼女は、AIロボットという立場にありながら、2017年10月25日、サウジアラビア王国にて、市民権の獲得という快挙を成し遂げ、世界各国のトップクラスが集う国連の会議に出席し、「AI活用の意義」をアピールしました。
そう、彼女は『機械』という枠組みを超え、『新たな生命体≒人間』として社会に認められつつあるのです。

AIに対する抵抗意識

 みなさんはこのAIロボットソフィアを人間として受け入れることができますか?笑
AIロボットとしてイメージするのはドラえもんのような可愛らしいものです。
いきなり、この回線むき出しのロボットを人間として受け入れろと言われても難しいですよね。

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 実際に「人間そっくりのAIに対するあなたのイメージは?」というトーキョー女子映画部が一般人350人に対して行ったアンケートでも、人間そっくりのAIに対して脅威を感じるという意見が8割以上でした。身の回りにAIがいる生活は便利そうですが、ターミネーターのようなことが起きてしまうことを恐れている人が多いようです。

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 また同調査団体の「どちらのアンドロイドが好みですか?」というアンケートでは機械的なアンドロイドを求める意見が多く、AIが感情を持つことに抵抗を感じる人が多いようです。
しかし、世界ではもうAIを『機械』ではなく、『人間』として受け入れる体制が整いつつあります。

 日本もその一つです。

AIが政治に進出

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 これは2018年の八王子市の市長選挙のポスターです。
市長選にAIが出馬!?
と思わせるポスターですが違います。
このポスターの候補者の正体は、松田道人という実在する男性で、IT関連会社を経営していた経験を活かして、AIを政治に取り入れようとしています。
AIを使用する理由は、公正無私で 「忖度」のない政治を可能にできるからとしており、「AIはすべてのしがらみから解放された存在なので、市民に対し一切の隠しごともしなければ、市民の声を歪めることもない。情報を蓄積しノウハウを貯めて、公正でスピード感のある政治を行える。」と語っています。

 時代が追いつかず、残念ながらこの候補者は落選してしまいましたが、僕は近い未来、AIを導入した政治が実現されると思っています。
今は、AIを使った人間が出馬していますが、市民権を得たAI自身が出馬し、日本の総理大臣がAIになる!なんてこともあるかもしれません。
さすがにSFじみているかもしれませんが、ソフィアの例がある以上、無くはないかもしれないのが現状です。

まとめ

 これらは遠い先の未来の話ではなく、今を生きる僕たちに関わってきている話です。
AIがどんどん人間社会に進出してきている一方で、僕たち人間はどうすべきか。
それは、冒頭で述べたように、AIをより理解し、受けいれることが第一。
それと同様に人間の強みを理解し、フルに使うことです。
AIは前もって集めた情報や計算、論理に基づいた対応に関して人間は及ばないが、型にハマっていないことや理屈では割り切れないことへの対応が弱いです。
その反面、人間は新しいことを創造したり、人間らしい心に触れるコミュニケーションができる。
コミュニケーションにおいて大切な「心に触れる能力」というのは、分かりやすく言えば「聞く力」で、もともと誰もが持っているものだと思います。
相手の言っていることを正しく理解することができれば、あとは人間として素直な反応を返せば、基本的にコミュニケーションはうまくいきます。
僕や多くの人がまだAIを信頼できていないように、最終的に人間から、自分のすべてや命をゆだねてもいいと思える程度の信用、信頼を人間は得られるけど、AIはまだ得ることができない。
それはAIが「心に触れる能力」をまだ持ち合わせていないからです。
聞いたことや感じたことに対して気の利いたことを言い、相手に誤解を与えないためには、シーンに合わせて言葉を選ぶ、こうしたスキルはAIに真似できない人間の強みです。
何かしらの工夫やイメージ、心に触れる能力というものは、誰もが持っているものです。1人ひとりが心の中に持っている人間らしい部分というものを強化して生かしていくことが、これからのAI時代には必要になってくると思います。