エンディング②犯人はユレ ユキチ

全員との話し合い、そして個人面接を経て、私【フクブ イチヨ】は犯人の目星をつけた。

フクブ『みなさんからの情報、証拠カード、話し合いをもとに私を階段からは突き落とした犯人を導き出しました!』

幽霊?『納得の行く結論でしょうか?あなたが決めたのならわたしは何も言いません。さあ、あなたが犯人と思う人の名前をどうぞ』

『はい!』

私【フクブ イチヨ】は力いっぱいこたえた。

『犯人は【ユレ ユキチ】です!』

ここから私はその理由を話した。

ここは【フクブ イチヨ】による【ユレ ユキチ】を犯人と決めた考察を話すパートです。
【ユレ ユキチ】犯人と決めたエンディング

『以上により犯人は【ユレ ユキチ】です!』

暗転

その瞬間、私【フクブ イチヨ】は目を覚ました。

病院だった。

泣きながら私を見守る両親と弟の顔が目に入ってきた。

「良かった」

母親は涙を拭き、父親から私が目を覚ますまでのてん末を教えてもらった。

別館の階段から私を突き落としたのは【ユレ ユキチ】だった。

というのも、偶然別館にいた【コモ コモゾウ】先生が【ユレ】くんが私を突き落とすところを目撃したと証言した、とのこと。

【ユレ】君は必死に否定したらしいけど、やんちゃな生徒の言葉より教師の証言が信用されたし、ふざけていただけに見えました、悪気はない事故のようなものだったのでは?と【コモ】先生が【ユレ】くんをかばったそうだ。

そこで、私の両親、【ユレ】くんのお母さんとで話し合い、見舞金と【ユレ】くんが退学することで決着がついた。

母親「あの子のお姉さん、病気でずっと入院していて、ご両親も離婚してるというからねえ、心が不安定だったみたいなの」

父親「そんなことで俺のかわいい娘を突き落とされて、いいことにはならないが……」

両親は顔を見合わせた。

母親「……あの子のお姉さん、亡くなられたの」

私の怪我が軽症だったこと、息子の不祥事に続き娘を失ってやつれ果てた【ユレ】くんのお母さんに免じて、両親は示談に応じたそうだ。


「学校をかわる?」

退院して家に戻った私に両親から提案があった。

事故で済ませたとはいえ、事情はみんな知っている。

【ユレ】くんがいなくなって、学校に戻ってたとしても私に今までの生活が帰ってくることはないのだ。

こんなことになって私ははじめて気がついた。

私は【ユレ ユキチ】くんが好きだったな、って。

すべては【夜】のやみのなか。

私の初恋は伝えることもないまま、終わりを告げた。