青い芝生しか見えない。

今日は「若者の悩み」について書こうと思います。ぼくは94年生まれの25歳。四捨五入したらもうアラサーですが、まだまだ「若者」のくくりで大丈夫でしょう。

さて、いきなり書いちゃいますが、ぼくたち若者世代の悩みって「青い芝生しか見えない」ことにあると思うのです。前もうしろも、右も左も青い芝生だらけ。みんながキラキラしすぎていて、自分の人生がちっぽけに見えてしまう。もう少し詳しく書いていきます。

「正解」が多すぎる、今

まず最初に、ぼくたちが悩んでしまうのは「正解が多すぎる」からではないでしょうか。

たとえば働き方。ぼくはその時代を生きていないのでピンとこないのですが、ひと昔前は「大学を卒業して大きな会社に入って、年功序列で役職が上がっていって定年まで勤め上げる」がスタンダードだったようです。社会も企業も右肩上がりで、そのレールに乗っておけばとりあえずみんなハッピーだと。想像でしかないですが、今よりも「働き方」に悩む人は少なかったんじゃないでしょうか。

でも2019年現在、ぼくたちの前には「正解っぽいもの」がゴロゴロ転がっています。

・好きなことを仕事にしよう
・会社員じゃなくてフリーランス！
・大企業はもうオワコン
・プログラミングを学んで手に職つけようぜ
・いやいや結局安定が大事

などなど。ちょっとTwitterやWebメディアなんかを見れば、こういう言葉にすぐぶつかるのが「今」なのかなあと。

選択肢が多いのはいいこと。ですが、あまりに数が多いのも考えものです。勉強してサークルやってバイトして、なんとなく周りと同じように過ごしてきた大学を卒業したら、「はいどうぞ選んでください」と言われるわけですから。ぼくを含め大多数の「やりたいことがない人」にとって、この状況はけっこうつらいと思うんですね。

青い芝生を加速させるSNS

で、とりわけやっかいなのがSNSの存在です。TwitterでもInstagramでもいいですが、基本的にキラキラした人しか出現しません。「フリーランスで自由に生きています」「YouTuberとして楽しく働いています」「プログラミングを学べばぼくみたいになれますよ」とかね。そりゃあ地味な生活をわざわざ晒す人はいないので、SNS空間はキラキラでいっぱいになりますよ。

こんなタイムラインを日常的に見ていると、当たり前ですが自分の人生なんてちっぽけでしょうもなく感じちゃいます。平日は会社と家の往復をして、誰かに誇れるスキルなんて別になくて、社会のモブキャラとして生きている自分。自己肯定感がだだ下がりです。

で、キラキラした人たちがそれぞれの「正解」について語るわけです。SNSには「縁の下の力持ちサラリーマン」はほぼ現れませんから、ぼくたちが普段生きている世界とは違う景色ばかりが、スマホの中に流れていきます。

そうするともう、「隣の芝生は青い」どころの騒ぎじゃありません。前もうしろも、右も左も青い芝生です。選択肢が多すぎて、しかも全部がキラキラして見えるんですから。こりゃもう大変ですよ。

なんか違う気がする。だけど動けない。

ぼくの狭い交友関係で話してしまって恐縮ですが、同世代で「なんか違う」と感じている人ってすごく多いです。「この会社じゃない気がする」「もっと自分に向いている働き方があるんじゃないか」みたいな感じで。ぼくもそのうちの1人で、正直現状に全然満足できていません。

ぼくもみんなも、次のステップに進みたいんですよ。新しい環境を選びたい気持ちがすごくあります。

でもね、これだけ目の前に「正解」が多くありすぎると、全方向が青い芝生に囲まれていると、どこに動いていいのかが全然分からないのです。全部が魅力的に見えるし、でもそっちが「自分にとっての正解」なのか自信が持てません。

選択肢が少ないのは一見「自由がない」ように思えますが、強い意志のない大半の人間にとっては、意外と過ごしやすい環境なのかもしれません。

自分の軸を持つ、しかない。

とはいえ、今後もこの「全方面が青い芝生」「選択肢が多すぎる」状態が解消されることはきっとありません。常にキラキラに囲まれて、自分の人生に悩んでいくしかないでしょう。

そうなると、ぼくたちは結局「自分の軸を持つ」しかないと思うのです。おそらくそれは、「これだけは譲れない」みたいなポイントのこと。

「好きなことを仕事にする」でもいいし、「お金がたくさんもらえるのが一番大事」でもいいし、「家族と過ごせる時間をできるだけ長くしたい」でもいいです。そういう譲れないポイントを早めに見つけないと、他人のキラキラに翻弄される人生になっちゃうと思うんですよね。

ぼく自身も会社員として、1年4ヶ月ぐらい働いてきました。「これがぼくの軸だ！」と言語化できるものは正直ないんですが、自分が大切にしているもの・価値観は少しずつ分かってきたように思います。

あとは、その輪郭をどんどん鮮明にしていくこと。「これがいい」と自分で選べるようになること。他人やSNSに振り回されずに決めること。そういう人生を送れるように、地道にやっていこうと思います。