言葉は人を殺す-4年間の被害者生活-

2018年にインターネットで誹謗中傷を受け、
「言葉は人を殺す」ということを肌で感じた

私の場合は、全く知らない第三者から被害を受けたわけではなく、犯人はリアルストーカー(顔見知り)であった
待ち伏せなどのリアルなストーカー行為と、何度ブロックしても新しいアカウントで、Twitterに性的なメッセージを送りつけてくるというネットストーカー行為を、同一人物から受け続ける日々が4年間続いた

楽しく過ごしたデザフェスの帰りに、国際展示場駅で待ち伏せされ、後を付けられた時には本当に殺されると思った
二日間の楽しい思い出で終わるはずだったのに、人生最大の恐怖を味わうことになってしまった
身体は無事だったけど、楽しかった時間が壊されて本当に悲しかった

しばらくしてから「そういう嫌がらせや加害に負けない」ということをツイートした(相手の名前などは公表していない)翌日に、いわゆる晒し行為をされた

晒しアカウントに、私の名前と写真とツイートのスクショを載せ、「高校時代にスカートが短かくて男を挑発していた」「援助交際をしていた」などと書かれた
さらに、「芸術だの写真だの言っているが自分が好きなだけ」という謎理論まで書かれた

私は相手に心当たりがあったのもあり、すぐに警察に行ったが、「相手が特定できないから何もできない」と言われて、その時は解決しなかった
その後私の顔と拾ってきた裸の写真のコラージュ写真も追加でツイートされたので、また警察に行った

何度も警察署に足を運んで、その度に今までされたことを全て事細かく思い出して話すのも辛かった
一緒に警察に行ってくれた当時の恋人と、そこに書かれたことが事実なのかと疑われて揉めてしまったこともあったし、事件解決のために協力してくれた母にも、書かれた内容や今まで受けた嫌がらせを知られてしまったこと、「私が女に生まれただけでどうしてこんな目に遭わなければいけないのか」と泣いた姿を見られてしまったのが悲しかった

カメラマンさんに撮ってもらった写真が、晒しツイートの一部として載せられたことにも怒りを感じたし、一緒に作品作りをしてくれたカメラマンさんにも申し訳ない気持ちになった

そして、その晒しツイートに対してのRTやいいねが平然とあり、それを見たであろう人からフォローされたのも気持ち悪かった
もちろん友人や元からのフォロワーさんは心配してくれたり、怒ってくれたけれど、今生きている私をおもちゃにする人がいて、そこに平気で乗っかる人もたくさんいることにも怖さを感じた

何も悪いことをしていないのに、どうしてこんな目に合わなければいけないんだと思う生活が4年も続いた
この人は私の人生を邪魔をするのが楽しいのか?とも思った

2回目の晒し行為を受けてから諸々の手続きをし、相手が事実を認めたことにより、私の4年間は終わった
相手の犯行動機は「生き方が羨ましかったから」だった

まず最初に、インターネットに夢を見過ぎだろと思った
私は確かにSNSにウソは書かないけれど、SNSに書かれたことが私の全てな訳ないし、書けないような悲しみも辛さも抱えて生きている

生き方が羨ましいから攻撃して、他人の人生を妨害しようとする行為は、私の人生そのものを舐めているとも感じた
イージーモードな人生なんてある訳ないだろ
そう思うならどうして自分の人生を充実させようと思わなかったんだろう
4年間も執着していたそのエネルギーを、他のことに使ったら良いのに

最終的には警察からの指示で、私は長年使ったアカウントを閉鎖することになり、また1からTwitterを始めることとなった
私のことを悪く書いた人やそれに賛同した人ではなく、何も悪いことをしていない私が、SNSをやるという自由すらも奪われて悔しかった
たくさんの思い出も、つながりもできたアカウントだったのに

確かに事件は解決したが、4年間奪われていた時間と、それをふとした瞬間に思い出して具合が悪くなってしまう後遺症、精神は戻ってこない

該当ツイートは消えたが、一度インターネットに書かれてしまったことだから、誰かが保存しているのかもしれないし完全に消えることはない
その画像や内容はデジタルタトゥーとなってしまった

そして私だけでなく、私の周りの人まで深く傷ついたという事実も消えない


もしこれを読んでいる人の中に、誹謗中傷を受けている人がいたら、とにかくそれを他人に話して、誹謗中傷を受けているという事実を知ってもらうのが大事だと思う
1人で抱え込むと、精神的にも物理的にも死の危険性が高まってしまう

警察などに相談しても、今すぐには何もできないと言われてしまう可能性もあるが、親でも友達でも恋人でも、そうでない第三者でも警察でも弁護士でも誰でもいいから、とにかく人に話してほしい

あなたは悪くないし、書かれていたことが事実であろうとなかろうと、ネットに顔を晒していても、表舞台に出ていても、あなたの人生に余計な口出しをする権利や、あなたを汚す権利は誰も持っていない

誹謗中傷をしたことがある人、している人へ
インターネットで匿名でやっているからどうせバレない、相手が何もしてこないと思っているかもしれませんが、そんなことはない
他人の人生を妨害した分、自分の時間も信頼も、財産も失うことになる

物理的な暴力じゃなくても人は死ぬし、誹謗中傷をした過去は許されることはない
だからとにかくこれ以上の攻撃はもう辞めてほしい
他人の人生を貶すことに時間を使うなら、自分の人生に時間を使ったほうが絶対良い


事件解決から2年経った今、こうして文章を書いて公開できるくらいには精神的に回復している
とはいえ、このトラウマが完全に消えることは残念ながらないだろうし、それを抱えて私は生き続けなければいけない

それなのに相手はそんなことも忘れて、平気で良い会社に就職して、平気な顔で結婚して幸せな家庭を築く世界線があるのかと思うと反吐が出る、気持ち悪い
相手がどのくらい反省しているかは知らないが、世の中って不平等だなって思ってしまった

しかし、自分のやったことは、良いことでも悪いことでも自分に必ず返ってくるし、悲しみを受けた分、喜びもあると信じたい
私が受けたこの悲しみも、どんな形でも良いから報われる日が来ることを信じて生きるしかない

私が受けたこの悲しい体験をこうして書くことにより、同じような被害に遭った人の心に少しでも寄り添うことができるかもしれないし、加害者のこれ以上の攻撃や、被害者の死を少しでも防ぐことができるかもしれない
被害を受けたことがない人にも、加害したことがない人にも問題提起をし、誹謗中傷についてもう一度考えてもらうことができるかもしれない
そうなることは、被害を受けた私にとっての救いにもなる

ただ、自分の受けた被害を自己開示するかしないかは人の自由だし、私はそのことを自己開示したツイートにより被害が悪化した
それにより事件を終わらすことができたが、その分深く傷ついた
無事に解決した今だからこそ、自己開示して良かったと言えるが、危険な行為でもあったと思うから、自分の全てをインターネットにさらけ出す必要は全くない

どこにでもいいから、味方を作ってほしい
そして生きてほしい
誰もが自分の人生を生きれるようになれば、他人に攻撃する暇なんてなくなるだろうし、自分の人生を生きることに自分のエネルギーを使ってほしい

言葉は人を殺すこともできるし、生かすこともできる
私は言葉を人を生かすことに使いたい

あの4年間は忘れられないけれど、それすらも芸術に昇華できるような力を持って生きていきたい
そして、自分の言葉に責任を持って生きれるような人間でありたいと思う

#言葉 #誹謗中傷 #ストーカー #インターネット

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?