美容師さん
"びょういん"と、"びよういん"は、
合うところに出会うのが本当に難しい。
でも、上京して1年、
人生でいちばんすきな美容師さんに出会った!
今年デビューしたばかりの男性の美容師・Aさん。
初めて切ってもらったときは、
Aさんの練習の為のカットモデルとしてだった。
上京1年目、わたしはショートなので、
2ヶ月に1度くらい美容室にカットに行く。
固定の美容室がなかなか決まらず、
なんとなくいつも満足できないのに価格が高い…
そこでわたしはminimoというアプリで見つけた
研修中の美容師さんに無料でカットしてもらい、
いろんな美容室を回ってなんとか凌いでいた。(笑)
そんな中で出会ったのがAさんだ。
初めて、ハンサムショートに挑戦したくて、
それを得意とする美容師さんを探していて訪れた。
カウンセリングから何から、とにかく丁寧。
一生懸命勉強していることがよくわかる。
美容師として成長したいんだろうな…というのが
その姿勢からひしひしと伝わる。
2回目は、閉店後のサロンで、
いつもは見てもらえない先輩の美容師さんが
カットをチェックしてくれるとかで、
カットモデルとしてまた切ってくれた。
閉店後のサロンでは、たくさんの美容師さんが
自主的に練習していた。
夜遅くまで毎日練習するそうだ。
わたしの髪の毛のクセを見極めて、
説明しながらカットしてくれた。
こんなに説明してくれる美容師さんは初めてだった。
少し家から離れているので、
緊急事態宣言の発令下ではなかなか行けなかった。
だけどずっとカットしてもらいたくて、
デビューしたとも聞いていたので、
今度はお客さんとして、
5ヶ月ぶりにカットしてもらえることになった。
Aさんにお金を支払えることが嬉しい。
久しぶりのカットだったけど、
やっぱり居心地がいい。
基本はすごく自然な雑談なのに、
丁寧にヘアについて説明しすぎて、
専門用語みたいな、
よくわからない言葉まで出てくる(笑)
でもわたしには、それがよかった。
明らかに「お客さんのために用意した雑談」
だけでなく、プロの美容師さんの知識を生かして
今後わたしが毎日付き合う髪の毛について
説明してくれるのがすごく信頼できた。
しかもそれが押し付けがましくなく、
知識をひけらかしているようには思えず、
相槌の下手なわたしにも適度に話を振ってくれた。
心地良い………。
しかも帰りにはヘアに関する知識が
レベルアップしている………。
あと何と言っても、髪を見つめる熱視線。
もちろん、わたしに対する、ではない。
今自身が戦っている(切ろうとしている)、
髪に対する目線がとにかくアツい。
クセに対する圧倒的真剣アプローチ、
よりよいヘアスタイルに仕上げたいという意気込み、
お客様に気持ちよくすごしてもらいたいという気遣い。
素敵だ…。
カットモデルの時とは違い、
お金を払っているので、
マッサージがついてくるとのこと。
んぁ〜〜〜良い力加減〜〜〜。
ヘアサロン最高かよ〜〜〜
カット代だけでこんな素晴らしいのかよ〜〜〜
と思わせてくれる。
髪を濡らして、カットして、シャンプーして、
またカットして、ドライヤーして、
オイルをつけて整えてくれた。
立ち上がって少しでも頭が揺れたら崩れそうな
いちばんてっぺんの髪の毛や、顔周りの毛先まで、
ものすごい真剣な表情で、何度も何度も整える。
そして最後ふっと鏡をのぞいて、
「うん、かわいいですね」と笑顔に。
わかってるわ〜
その言葉の使い所わかってるわ〜〜〜
後ろを鏡でうつしてくれる。
まさに、求めていたシルエット!すご!
後ろにこう流してね、と伝えられたニュアンスも、
何も言ってないのに、わたしが求めてたそれだった。
穏やかな会話の中で、
丁寧に丁寧にわたしの希望を聞き取ってくれて、
それを技術で叶えてくれて、
新たな提案もしてくれて。嬉しいなあ。
わたしも普段1対1で1〜2時間ほど接客する職業だ。
Aさんに切ってもらった帰りは、
ヘアスタイルだけでなく、
疲れて散らかった心までしゃきんとして、
明日からわたしもこんな風に丁寧にお客様に
向き合おうと、背筋が伸びるのだった。
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