柳澤静磨

出会った虫について勝手気ままに書く自由帳。写真の提供依頼などは必ずyokoyama070821(@)gmail.comまでご連絡ください。

柳澤静磨

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    最近の記事

    暗闇のエイリアン@ダイトウサワダムシ

     様々な生き物との出会いを求めて、私は南大東島を訪れた。  友人との2人旅で、ノルマのないゆったりとした遠征だ。島内を行ったり来たりしながら生き物を探し、昼は大東そばを食べ、夜は居酒屋でご飯を食べる。私たちが訪れた時はちょうど皆既月食があり、島民の方と一緒に見ることができた。時間に縛られることなく生き物をさがしたりご飯を食べたり自由にできるというのはとても気持ちがいいものだ。  そんなゆるい旅だが、一応狙いの生き物というのが何種かいた。旅の中頃に、そのうちの1種を探しに洞

      • 素早い黄金@ダイトウフナムシ

         先日、サンプル採集のために南大東島に行ってきた。沖縄の那覇空港から飛行機で1時間ほど。南大東島は一度も陸と繋がったことのない島で、独特の生態系を持っている。ここにしかいないという生き物も多く、どんな生き物に出会えるかとワクワクしながら向かった。  到着後はサンプル採集を続けつつ、南大東島の生き物を観察する。夜になって、ある生き物を探しに磯へと向かった。  波飛沫があたる岩の表面をライトで照らしながら丹念に探すと、見つかった。  こちらの生き物はダイトウフナムシ。大東諸

        • ヤスデのような見た目@ヨロイオオムカデ

           ヤスデのような見た目のヤスデを食べるムカデがいる。それを教えてくれたのは友人の外村(とのむら)くんだ。  外村くん曰く、その虫の名はヨロイオオムカデというらしい。いつも大変お世話になっているGoogleさんで調べてみると、たしかにヤスデのような見た目で、甲冑を着たような風体はまさにヨロイの名にふさわしい。ヤスデを食べるとは、なかなかに変わったムカデだ。  どうやら動きはそこまで早くないようで、驚いたことに手に乗せた写真まで出てきた。普通のムカデなら一歩間違えば大惨事だが、

          • リーゼントジンメンカメムシ@オオホシカメムシ

             まるで相撲取りの顔のように見えるカメムシがいる。ジンメンカメムシと呼ばれているその虫は、独特な見た目からテレビなどでも取り上げられることがあり、写真を見たことがあるという方も多いだろう。  ジンメンカメムシはマレーシアやインドネシアに分布しており、日本には生息していない。しかし、見た目が似ているカメムシは何種か生息している。そのうちの一種がオオホシカメムシである。  このオオホシカメムシを頭を下にして見てみると。  私には自慢のリーゼントをこちらに向けた細めのヤンキー

            意外にかわいい顔@ヤマトアブ

             先日、大型のアブが唐突に屋内に現れてブンブン飛び回っていたので、捕獲して観察してみた。  調べてみると、どうやらヤマトアブという種類らしい。メスは家畜や人間から吸血する。  子供の頃にアブに攻撃された経験があるが、かなり痛かった。もう二度とごめんだ。口がナイフ状になっており、皮膚を傷つけて出てきた血液を舐めるとか。なかなかに豪快なやつらだ。  正面から見てみると頭のほとんどが大きな複眼で占められている。なかなかに愛嬌のある顔だ。  これまでアブに興味の矛先を向けたこ

            フォトジェニックカミキリ@アカジマトラカミキリ

             先日、1200mほどの山に昆虫採集に行った。狙いはハナムグリの仲間だ。私の職場で『ハナムグリ展』を開催前ということもあって、なにか展示できるような種がとれないかと思って足を運んだ。  ハナムグリは名前の通り、花に集まる種が多い。車を走らせつつ、いい感じに花が咲いていたら網で掬ってハナムグリが入っていないか確認するという採集だ。  山の中腹まできたところで、トイレに立ち寄るために車を停める。辺りを見回してみると、白い花をたくさんつけた木を見つけた。これは何か来ているかもし

            泳ぐ日本最大@リュウジンオオムカデ

             2021年、日本最大のムカデ、リュウジンオオムカデが記載された。以前より生きもの好きの間で存在が知られていたムカデだが、ようやく記載された形だ。  本種は沖縄や台湾に生息する。渓流近くで見つかることが多く、なんと泳ぐことが得意という痺れる最高ムカデだ。  現在では絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づく緊急指定種となっており、捕獲・販売などが禁止されている。この規制前に採集された個体を何個体か飼育したことがあるが、たしかによく水に潜る。また

            ロマン溢れるワクワクな生き物@淡水フナムシ

             南西諸島の数島に、淡水のフナムシがいるというのは、本やSNSで以前より見聞きしていた。2022年、宮古島に訪れた際、ようやく出会うことができた。  フナムシというと、海の近くでわさーっと動くゴキブリチックな生き物を想像するだろう。あのフナムシにも種類があり、中には淡水域に進出した種もいる。それが淡水フナムシと呼ばれているフナムシたちだ。  宮古島はこれまでに何度か訪れたことがあり、生き物探しもそこそこの時間行っている。以前、宮古サワガニというこの島固有のサワガニを探して

            コオロギのようなキリギリスのようなイカした虫@ヒノマルコロギス

             2021年5月。ゴキブリのサンプルを集めるために友人と夜間に八重山列島西表島の森林内を歩いていると、少し先のあたりから「トサッ」と何かが林床に落ちる音がした。西表島にはサキシマハブというヘビが生息しており、こちらに気づいて動き始めたのだろうかと思った。  しかし、その後カサカサという音がするものの、サキシマハブにしては音が小さいように感じた。見に行ってみると、そこにはなにやらオレンジ色の虫が動いている。  これは図鑑で見たことがある。ヒノマルコロギスだ。  沖縄県八重

            アリ界のスーパースター@サシハリアリ(パラポネラ)

            サシハリアリParaponera clavata  属名そのままパラポネラと呼ばれることも多い巨大アリだ。  こちらの個体は女王アリ。2センチを超える大きさは迫力満点、存在感が素晴らしい。アゴが強大で噛まれたらそれはそれはいたそうだが、アゴ以外にも腹部には針を持っており、刺されると強烈な痛みを受けることになるようだ。  Antroomさんから女王を含めたコロニーを購入させていただき、飼育したが、想像以上に臆病なことに驚いた。エサを入れても「どうしようかな」といいたげに少

            トカゲの尻尾切りをするかたつむり@イッシキマイマイ

            八重山列島に生息するイワサキセダカヘビというヘビから逃れるために、体の一部を自切するカタツムリがいるというのを知ったのは、かたつむり展を企画する前の2017年のことだった。  そのかたつむりの名前はイッシキマイマイ。石垣島、西表島に生息する黒っぽいかたつむりだ。このイッシキマイマイはイワサキセダカヘビに軟体部を噛まれると、軟体部の一部を自切して切り離し、逃げると言う。そして切れた軟体部は再生するとのこと。  こんなに面白いかたつむりがいたのか!いつか出会ってみたい!と期待