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人と出会い、築いた関係こそ、人生を助けてくれる。 出会いを創出する共感コミュニティ通貨『eumo』とは?

これからの時代は、人との関係性が大事。人と出会い、築けた関係こそ、長き人生を助けてくれる。人と人を繋げる機会を創出できるお金をつくりたいーー。

こう語るのは、『イケウチな人たち。』にも登場いただいた株式会社eumo(ユーモ)新井和宏さん

「いい会社をふやしましょう」を合言葉に、これからの社会にほんとうに必要とされる会社に投資する投資信託・鎌倉投信の創設者のひとりであり、IKEUCHI ORGANICを長年支え続けてくれています。

その新井さんが、いい会社を応援する新しい仕組みづくりとして取り組んでいるのが、共感コミュニティ通貨『eumoです。

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現在、eumoは実証実験中(期間は2020年2月29日まで)で、IKEUCHI ORGANICも東京・京都・福岡・今治の各ストアに、eumoでないと購入できない商品や体験を用意しています!

そこで、イケウチのお客様に『eumo』に込められた想いを伝えるべく、新井さんを迎えたトークイベントを東京ストアで開催しました。新井さんが考える新しいお金の形とは?

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学生時代に与えられた宿題の意味を求めて

新井さん:
私は「お金とは何か?」をずっと考えてきました。

実は、この問いは、大学時代に働いていた監査法人の代表から与えられた宿題だったんです。

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新井和宏(あらい・かずひろ)さん。1968年生まれ。1992年住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)入社、2000年バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現・ブラックロック・ジャパン)入社。2008年11月、鎌倉投信株式会社を元同僚と創業。2010年3月より運用を開始した投資信託「結い 2101」の運用責任者として活躍。2018年9月、共感資本社会の実現を目指して株式会社eumo(ユーモ)を設立。著書に、『投資は「きれいごと」で成功する』、『持続可能な資本主義』など。

新井さん:
当時の私は夜間の大学に通い、昼間は監査法人で働いていたのですが、その監査法人が変わった人ばかりでした。

『会計言語論』という本を渡されて、そこには「会計は言語である」と書かれている。二十歳そこらの私は「会計といえば数字だろ」と首をひねりました。また、会計士の先生が業界誌に寄稿したりするんですけど、そのタイトルが「美しい財務諸表とは」。当時は「財務諸表に美しいも何もあるもんか!」と思いました(笑)。

でも、今になって、その意味がわかるんです。「いい会社」と呼ばれる会社の方々が作られたものに実際に触れて、はじめて「美しさ」に気づかされたんです。

法政大学の坂本先生が書かれた『日本でいちばん大切にしたい会社』という本には、素晴らしい会社がたくさん紹介されています。従業員や顧客の幸福を追求する伊那食品工業。障がい者雇用の取り組みを60年以上も続ける日本理化学工業。実際に、これらの会社に足を運び、自分の目で現場を見ることで、考えがガラッと変わりました。

それまでの私は、会社をモノとしてしか捉えていなかった。外資系投資会社で働いていた当時の私にとって、会社とは売り買いするモノで、儲けるための対象だった。でも、会社には人の血が流れている。愛すべき対象だとわかったんです。

そうして、『鎌倉投信』を2008年に立ち上げます。おかげさまで、『R&Iファンド大賞』で最優秀ファンド賞に選ばれるなど、既存のお金の枠組みの中で「いい会社を支える仕組み」を生み出すことができました。そして次に私がやるべきは「新しいお金の形をつくること」だと思い、共感コミュニティ通貨『eumo』を立ち上げたのです。

人との出会いを、どうやって創出するか?

新井さん:
eumoで大切にしているコンセプトは「人、モノ、場との出会いを創出する」です。なぜなら、私自身が「いい会社」や「素晴らしい人たち」と出会うことで、人間として成長できたと思っているからです。

eumoの特徴は3つあります。ひとつめの特徴は「腐るお金」です。

使えば使うほど、人が幸せになっていくお金であって欲しい。だから、貯められちゃまずいんですよ(笑)。貯めることができるとそれ自体が目的化します。人間は手段と目的を吐き間違えたときに人生を間違える。お金を貯める行為をはじめると、お金自体が目的化していくんですよ。そして「貯めているやつが強い」と思うようになっていく。

お金は幸せになるための手段であるべきと考えているので、貯められないお金をデザインすることにしました。

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新井さん:
ふたつめの特徴は「人と人が出会わないと使えないお金」です。

わざわざ会いに行かないとeumoは使えないんです。ある種、めんどくさいお金です。でも、人は人と出会って成長するし、触れてはじめてわかることって実に多いですよね。インターネットが普及する今の時代は、情報が氾濫した結果、何が本物なのかの判断がつきません。だから、レビューサイトを見たりして、価格や品質といったわかりやすい指標で価値を測っていく。

だけど、IKEUCHI ORGANICのタオルに、私は品質以上の価値を感じるんですよ。それは「魂」のようなものです。「なぜ、ここまでオーガニックにこだわっているのか」ということは、直接お店に行ったり、生産現場を観たり、社員と直に話さないとわからない。

いいものを届けようとすると、手間もかかるし、原価も高くなります。その背景や想いに触れてもらって、いいものを作っている正直な人たちを応援していく。正直者が馬鹿を見ない社会を私たちは作っていきたいんです。

共感で繋がるからこそ、提供したいもの

新井さん:
三つめの特徴は「お金に色をつける」です。

これまでのお金は、のっぺらぼうで全て同じ色、同じ形なわけです。悪いことをやって稼いでも、社会貢献して稼いでも、全て同じお金でした。でも、生産者の立場からしたら、自分が命がけで作ったものを提供する相手を選びたいですよね。そこで、「共感によってあなたを応援したい」という色のついたお金を新しい選択肢としてつくりました。

実は、eumoが使える加盟店さんは、「eumoを使う人にだけに特別な商品や体験を用意したい」と言ってくれる会社ばかりです。

例えば、『飯尾醸造』というお酢屋さん。飯尾醸造は、京都駅から2時間ほどローカル線に乗り、車で10分ほど行ったところにあります。日本海側に面し、日本三景の一つ「天橋立」がある宮津にあります。

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(▲)飯尾醸造のWebサイトより。

新井さん:
創業は明治26年。100年以上もお酢一筋でやってきた飯尾醸造のお酢は本物です。日本酒からお酢をつくっていますが、原材料となるお米は有機無農薬の棚田で50年以上栽培されているものです。「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんともお友達なので、飯尾醸造のリンゴ酢は奇跡のリンゴが使われています。

その飯尾醸造では、eumoを持っている人にしか提供しない特別な商品を用意いただいています。それは『赤酢プレミアム』という赤いお酢です。これは市販されていません。お寿司屋さんにしか卸していない特別なお酢で、出来上がるまでに15年かかります。だから、市場には流通させられないんです。

なぜ、こんな特別なものをeumoを使っている人に販売してくれるかというと、現地にきて欲しいからです。飯尾醸造のある宮津は人口が減って困っています。だけど、山の幸や海の幸が豊富で、きれいな水と肥沃な土がある素晴らしい土地です。飯尾醸造を足を運んで、土地や空気に触れてもらうことで、宮津に関心を持ってもらいたい。だから、飯尾醸造さんは、蔵の中を案内する贅沢なツアーもeumoの利用者に用意してくれています。

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新井さん:
IKEUCHI ORGANICでも、eumoを使う人に向けた企画を色々と用意してくれてますよね。

今治のファクトリーストアに訪れた人には、代表の池内さんが案内する今治本社工場見学ツアーに加えて、なんと今治おすすめスポット案内までセットでついてきます。どんなスポットに連れて行ってもらえるのか、私も興味津々です(笑)。

お金の本質は、その価値を信じるかどうか

新井さん:
これまでの社会は、数値に置き換えられるものばかりに目がいってしまい、数値で測りきれないものを置き去りにしてしまったのではないでしょうか。

よく大切なものはお金で買えないと言われるじゃないですか。でも、それは既存のお金では買えないだけで、それを大切にしたいなら新しいお金をつくればいいんですよ。

今、様々な地域でコミュニティ通貨が生まれています。鎌倉に本社のある面白法人カヤックは『まちのコイン』というコミュニティ通貨を鎌倉でやり始めました。飛騨高山の『さるぼぼコイン』は、登録者数が1万人を超えたそうです。我々も、ゆくゆくはeumo以外にも共感コミュニティ通貨をつくるかもしれません。なぜなら、何に共感をするかは人によってバラバラだと思うし、バラバラで構わないからです。

私は約25年間、金融で働いてきましたけど、お金に苦しんでいる人たちをたくさん見てきました。なぜ、人はお金の奴隷にならなきゃいけないんだろうと思いました。でも、お金は神様がつくったものではなくて、同じ人間が生み出したものです。

1万円札の製造原価は20円程度です。なんで20円のものを、1万円として扱っているかと言ったら、皆さんがその価値を信じているからです。お金の本質は、価値を信じるか信じないかだけです。

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新井さん:
今、キャッシュレス決済を普及させるために、いろんなスマホ決済アプリが登場して、「ポイント10%還元」みたいな特典をつけてますよね。でも、eumoの経済メリットは1円もありません。既存の資本主義の考え方からすると、わざわざ「円」を「eumo」に変える理由は意味不明かもしれない。

でも、我々がやっている活動に共感する人が現れて、加盟店さんに会いに行って、人が動く。そんな仕組みが生まれたら、素敵な社会になると信じてやっているんですね。

実は鎌倉投信を起業する際に、大学時代に働いていた監査法人の代表に会いに行きました。その時にも「お金とは何か、わかったか?」と開口一番に言われましたよ(笑)。その答えをずっと考え続けてきましたが、eumoという共感で循環するお金の仕組みを作れたら、ひとつの答えが出せるんじゃないかと思っています。

是非、我々の活動に共感してもらえたならば、eumoを使って、全国の素敵な人たちに会いに行ってみてください。今日はありがとうございました!

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▲ 新井さんが、ポケットマルシェ代表で『東北食べる通信』創刊編集長の高橋博之さんと共著で書かれた新刊『共感資本社会を生きる 共感が「お金」になる時代の新しい生き方。お金、働き方、市場、都市と地方、そして幸せについて、新井さんの最新の考えが書かれています。記事を読んで、もっと共感が資本になる社会について知りたいという方は、是非読んでみてください!

<編集協力:井手桂司>

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【関連記事】 新井さんの考えを知りたい方へ

鎌倉投信時代から、IKEUCHI ORGANICを長年支えて続けてくれている新井さん。新井さんから「これからの社会やお金のあり方」を学ぶべく、折にふれて話を聞く機会を設けてきました。

『イケウチな人たち。』でも、新井さんの記事が掲載されているので、こちらもお読みいただけると嬉しいです。

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「我々がつくっているのはタオルではなく、物語である」というのは代表・池内の言葉です。語れる物と書いて物語。今治でオーガニック100%のタオルを中心に語れる物づくりを志ざすIKEUCHIスタッフの"今"をお届けします。Web→https://www.ikeuchi.org
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