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#芝麻信用(じーましんよう)「情報の偏在」から社会信用経済を考察する

ネット企業が構築するデータベースは、情報の偏在がもたらす取引のコストやリスクを大幅に引き下げる効果ばかりではない。
情報の偏在(「情報の非対称性」)は、富を生み出す。


「映像の世紀」においての情報の偏在(「情報の非対称性」) ビジネスの代表選手は、生命保険や損害保険だと思う。生保や損保は、どの程度の確率で「死亡」や「事故」が引き起こるか、統計数値から詳細を把握している。対して消費者は、それを知る術が無い。この情報の偏在(「情報の非対称性」)から掛け金が設定されて、生保や損保は収益を出してきた。


※補足「富の偏在」と「パレートの法則」経済において、全体の数値の大部分はそれを構成する一部の要素が生み出しているという学説。「2:8の法則」「80:20の法則」

【現代で「パレートの法則」が用いられる出来事】
1:ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。
2:商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。
3:売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
4:仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
5:故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
6:所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。


話しを戻すと、「ネットの世紀」では、ネット企業がビックデータから、情報の偏在(「情報の非対称性」)を読み解き、「収益」を出している。GAFAと呼ばれるグーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンは、一見「無料」にしか見えないサービスが揃っている。このプラットフォーム(仕組み)は、サーバーだけでなく、AIも使いこなして物凄い「収益」を叩き出している。 

そしてGAFAを超えるラットフォーム(仕組み)を期待されているのが「シェアリングエコノミ―」と呼ばれる、AirBnB、ウーバーなどの「相互評価」プラットフォーム企業である。

株式未公開での時価総額が10億ドルを超える企業は、「ユニコーン企業」と呼ばれるが、UberやAirbnbは、その代表格である。日本で時価総額が1兆円を超える企業は何社あると言うのだろう。

「ユニコーン企業」に高い株価がつくのは、シェアリングエコノミーがこれからの経済にとって重要な意味を持つからだ。社会の姿を大きく変えるだろうと期待・予想されるから株価が上がり、上昇スパイラルに入る。

例えばAirBnBは、「信用できる人になら、空いている部屋を貸してもよい」という人と「評判の高い部屋なら泊まりたい」という人を結びつけるサービスである。

部屋を貸す相手は、信用できる人か?
その部屋はオススメできる部屋か?

といった情報が偏在していた。情報のない人は不安を感じ、取引に参加しなかった。

そこでAirBnBが偏在していた情報を★★★相互評価することで、共有する仕組みを作り、多くの人を取引に参加させて新市場を創造した。言い換えればリクルートの「情報誌」では出来なかった「相互評価」システムを「見える化」した。

「ウーバー」も同様のシステムである。
ドライバーの評価はどうか?
乗客は、やっかいなクレイマーだったりしないか?

「メルカリ」も売買双方を見える化した仕組みを持つ。
販売者は、どんな評判か?
購入者は、問題を起こしているクレイマーだったりしないか?


「相互評価の見える化」は、「出会い系」や「お見合い系」などでは、既に実施されてきた歴史があるので、別に珍しいわけではない。「相互評価」プラットフォーム企業は、「性欲」や「業」の「マッチング機能」を新しい視点で「新ニーズ」を掘り起こした。それだけではない、AirBnB、ウーバー、メルカリは、非効率な分野に特化した。そして単機能にしたことで、データベースに短期間で情報を集積することができた。この挑戦は、さらなる横展開が期待されていて、倉庫版のAirBnBや、オフィス版といえるのWeworkが登場している。因みにWeWorkは、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるIBMのビル全体を運営しており、Airbnbのベルリンオフィス、アマゾンのボストンオフィスの運営も同社が行っている。


これに対して、スマホのバーコード決済が有名になった、中国のアリババのアリペイや、テンセントのウィーチャット・ペイが目指すのは「総合機能」としてのデータベースである。汎用型とも言えるだろう。社会・国家タイプとも言い換えられるかもしれない。この威力や凄さは、徐々に一般的な生活をしている日本人にも伝播してきていて、カンブリア宮殿や、情熱大陸に登場するのも時間の問題である。小生は、その全てを鵜呑みにして信じるほどウブでは無いけど、かなり勢いがあり、見逃せない事実に間違い無い。


■中国とインドの「新・社会信用体系」作り
情報の偏在を均衡化する巨大データベースは、生産性向上、GDP向上、富の拡大をもたらす。

中国の産業は、先進国のビジネスモデルを模倣して横展開する「所詮コピー」だと言われてきた。しかしその中国が世界の最先端を走るようになったのではないかと思わせるような記事が増えているし、それが全てでは無いが、実際にそういう部分も増えている。

前述のアリペイ「芝麻信用」は、一党独裁・中央集権で商売好きな中国だからこそ普及したと言える。だからこそ、中国政府(共産党)は、巨大データベースによる「新・社会信用体系」作りに邁進している。

「芝麻信用」は、北京空港のセキュリティチェック専用レーンの通行権、シンガポール、ルクセンブルグのビザ支給など魅力的な特典。中国ではこれがうけてシステム登録する人が増えているらしい。「芝麻信用」読み方は、ジィーマァーシンヨン。とでも書こうか。


■「芝麻信用」スコア特典・から抜粋
・アリペイ旅行予約サイトの、テル予約でデポジットが不要(600点)
・賃貸サイト「小猪短租」で敷金が不要(600点)
・提携ソーシャルファイナンス、消費者金融で審査がすぐに通る。利率が下がる。返済期限が延ばせる(600点)
・レンタカーサービスでデポジットが不要(650点)
・北京空港の専用出国レーンの通行権(750点)
・ビザがとりやすくなる(シンガポール700点、ルクセンブルク750点)

中国政府(共産党)の罰する方向の使い方も進んでいる。交通信号を守らない通行人が、街頭カメラから顔識別ソフトで姓名だけでなく身分証番号などが特定される。

これは、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」を彷彿とさせる監視社会である。
「情報の流通管理、自由な思想・言論を弾圧する」
中国政府の腹の底を考えると、技術の進歩による「情報の偏在」を解消する社会は、全てが監視・統制される暗黒社会かと考えるかもしれない。しかしそれは少しだけ待ってからでも遅くは無いと思う。


■「社会信用体系」建設運動
「社会信用体系の建設」というのは「いまの中国は、決まりや約束を守らないのが最大の欠陥だ」という認識から出発して、これを矯正することを目指した一大運動である。2013年の三中全会改革決定によって決まり、2014年に国務院の「社会信用体系建設企画要綱」によって推進されている。

** WSJ**映像は、英語が分からなくても、見るだけでも参考になる。http://www.wsj.com/video/china/C88251BF-6113-4FD4-A8B8-8920E8957CC9.html
中国政府はこの社会システムのために「信用中国(CreditChina)」を作った。中国語が読めなくても、Google自動翻訳を使えば、雰囲気だけでもわかる。http://www.creditchina.gov.cn/
みずほ総合研究所「中国政策ブリーフィング」より抜粋・意訳・引用。
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/china-bri/cb140729.pdf

1) 中国では「信義誠実」が軽んじられており、経済社会の様々なコスト・リスクになっている。経済・社会を向上させるためには、社会全体が信用を大切にする意識と、約束の遵守を向上させる。

2) 政府、企業、個人・団体の全ての活動について、法令・規格・契約などに基づき「信義誠実」を守る行いにはインセンティブを与え、「信義誠実」に反する行いにはペナルティを科す「社会システム」を構築する。

3) このための「社会活動」からなる信用記録と、信用情報インフラをベースにして、企業の信用サービスの助けを利活用して、「社会インフラ」構築により情報公開・共有を可能にして「社会信用体系の建設」を行う。

設計思想が中央集権的な考え方であり、そこから社会やサービスがデザインされている。中国は、人口がとてつもなく多いため、生まれた設計思想と言えるかもしれない。実はインドでも、同様な「社会信用体系」が進んでいる。中国・インド、この超人口大国が「社会信用体系」の壮大な実験場として、中央集権型「相互評価」プラットフォームをリードして行くと思われる。


■インド・固有識別番号庁Aadhaarカードという、インド版マイナンバー制度。人口12億人の約95%が登録。世界最大の国民ID。昨年全国民に義務化された。各種・補助金や、失業手当に登録が必要なことから急速に普及。12桁の固有番号で、全国民を対象に発行される。番号申請は任意。氏名、生年月日、性別、住所、顔写真、指紋がデータベースに格納されるシステム。インドには戸籍システムがないので、銀行口座開設、携帯電話契約にAadhaarカードが必須である。インド在留外国人も保有が必要。Unique Identification Authority of India (UIDAI)https://uidai.gov.in/

■インディア・スタックインド・デジタル社会基盤。上記Aadhaarでアクセスし、情報照会が可能。国民の住所、銀行取引や納税申告に関する情報、雇用記録、医療記録などデータ共有するためのシステム。http://indiastack.org/about/


■見知らぬ相手とも、安心して取引ができる時代へ。
個人の信用度を「見える」化したデータベース・サービスがアリペイの「芝麻信用」である。前述のように、中国では、相互監視社会の現実が既に存在している。ネット通販の購入代金、公共料金支払の履歴。学歴・職歴・交友関係を紐付けてデータベースに統合する。どれくらい信用度が高い人かを点数評価する。金融の領域にとどまらずシェアリングエコノミーや、新たな経済を支える社会インフラとなっている。これを中央集権的に行っている。日本は3周くらい遅れていると言っても過言では無い。


■中央集権型「相互評価」プラットフォームと、分散型「相互評価」システムの違い。
対して、ブロックチェーンは、ビットコインで使用されているが、取引情報データを多数のコンピュータの間で同期して記録する手法である。中央集権的に管理する存在は無い。

ブロックチェーンを使えば、供給者と需要者とを結ぶ「仲介者」の機能は自動化することが可能という点に着目したい。

仮想通貨ビットコインが、中央集権的な管理主体が無くても運営できる。すでに太陽光発電などの小規模分散型の電力事業などで、シェアリングエコノミーにブロックチェーンを導入する試みは行なわれている。

供給者と需要者とを結ぶ「仲介者」の機能は画期的だったが、UberやAirbnbのような中央集権的なサービスは、ブロックチェーン等の新技術によって遅からず陳腐化すると言えるかもしれない。


■解説:ブロックチェーンを用いる「自動化の自動化」
ビットコインのシステムが、ブロックチェーンを用いることによって、銀行という仲介者なしに通貨の取引を行なっているのと同様に、供給者と需要者とを結ぶ「仲介」機能にも、管理者がいらなくなる。よって手数料が劇的に安くなり、仲介サービスは、ほとんどコストゼロで利用できるようになるはずだと言われている。はずだというのは、スマートコントラクトと呼ばれる「電子契約書」が容易に取り交わされていないのと、ブロックチェーンの機能・性能に限界があるからだ。しかし技術や人間の知恵によって、このようなハードルは、やがて解決すると思われる。「水は高きから低きへ流れる」ように「情報の民主化」の流れは止めることは出来ないからである。


技術は、常に進んでいる。すなわち、これらの事業は新技術によって自動化・無効化される可能性がある。中央集権的な「相互評価」システムの「仕組み」もやがて管理主体が無くても運営できるようになる。


ここで大事な視点は、いつでも根本から見直せるように「技術動向」や「技術・構造」の大局観を持つ事が大事なのではないかという事。そして「表面上の動き」や「既成概念」に左右されないことだと思う。



■時間の偏在から、富を生み出す。

情報の偏在(「情報の非対称性」)について紐解いてきた。では、時間の偏在(「時間の非対称性」)については、どうだろうか?

時間は細切れに偏在している。現在「暇つぶし」の時間は、スマホ画面に費やされている。「暇つぶし」は、「ヒマ時間」で終わるか「有意義な時間」なのか紙一重である。細切れの時間を裁量取引(アービトラージ)して、時間の偏在を解消するのが、次なるビジネスにならないだろうか。これは、「可処分時間をかき集める」という「足し算」設計思想ではない。* 分散処理的に「時間の偏在」を解消することが、多くの人が求める「まだ見ぬ姿」であると考えている。

※注釈 企業が「可処分時間をかき集める」理由。
消費者が消費可能な時間は既に限界を超えている。さらに情報量は増え続けているので記憶に残ることさえ難しい。ティファニーやアルマーニだけでなくグローバルワークなどのファッションがカフェを併設する。MUJIが銀座にホテルを作る。ストライプインターナショナルが渋谷に「KOE HOTEL」をオープンさせる。従来の「売る」概念を超えて、顧客の関心をひきつける為に、まとまった「時間の確保」をしようと「顧客の可処分時間をかき集める型」で解決しようとトライ&エラーをしている。これは、シリコンバレーから見れば、極めてアナログ的発想の解決方法に思える。


PCの細切れリソースを集約してスーパーコンピューター並みの解析能力に仕立て上げるのであれば、優秀な頭脳の「時間」の細切れリソースを集約して、有益な価値に仕立て上げることも夢では無い。

映画TIMEは、時間をお金に変わる対価として描いた。(米・2011年:そう遠くない未来、人類は遺伝子操作で25歳から年を取らなくなることが可能になった。お金の代わりにすべて時間がお金持ちの基準になった世界。お金の変わりに、すべての費用が時間で計算する時代が来る事を描いた)

やがて、ある特定分野における「時間の相互評価」プラットフォーム企業が出現するだろう。「はぁ?おまね、ナニ言ってるの?」状態かもしれないが、アイデアとは得てして、こういうレベルから、組み合わせによって実現される。

そもそも論で、「ヒマな時間」を保有する無能な人を、ロングテール理論で集積したら、どうなるのであろうか。「ゼロにゼロを掛けてもゼロ」なのだろうか。

そして、有能な人に「ヒマな時間」など無いので、机上の空論と思われるかもしれない。しかし、もし「意味も無く浪費せざるを得ない時間」を「より意味のある時間に変換できる」と考えたら、どのような生活になるのだろうか。書き続けたらキリが無いのでこの辺にしておく。いまは、夢想の様に聞こえるかもしれないが、柔軟な発想は新しいサービスの泉である。


■時間の偏在(「時間の非対称性」)を対象としたサービスが、新しい「リアル・小売り」に必要になってくる。

前述の「MUJIホテル」「KOE HOTEL」等の「顧客の時間をかき集める型」の「可処分時間の確保」方法にはアナログゆえに、物理的な限界がある。指数関数的に「可処分時間」を集積することは不可能である。顧客の「可処分時間の確保」の競争には「アナログ的解決方法」と「デジタル的解決方法」、そして「ハイブリッドに組み合わせた方法」があるという発想が重要である。

イノベーションは、常にテクノロジーから生じている事を忘れてはいけない。テクノロジーは「昨日不可能だった事を、今日可能にする」というの点が素晴らしい。だから、アナログとデジタルと両方を知ること、使いこなす事が大事なのである。


既に時間の偏在(「時間の非対称性」)を対象としたサービスは、シリコンバレーに存在するのかもしれない。近い将来に「時間の相互評価」プラットフォーム企業の出現と、その実装に挑戦者が現れるのを楽しみにして、小生はコンテンツに磨きをかけることにしたいと思う。


「Platform is King. Content is Queen」両方必要なのだ。そして多神教である仏教徒が多い日本人は、プラットフォーム開発には向かないと思う。まぁ。餅屋餅屋で行こう。


「餅屋餅屋」は、決して「オタク」ではない。なぜなら「オタク」とは自己愛が極まったかたちだと考えるからだ。「好き」こそモノの上手なれ。他よりも卓越する事は「集中力」が持続しないと不可能である。「好き」こそ「時間を忘れるほど熱中できる」のだ。「時間」は、誰にでも平等に与えられた、最大の「資源」なのだから。だからこそ、残された「時間」を大切に生きて行きたいと思う。

評価される経済社会が来ても、「自分の事は自分で決める」ことに変わりは無い。「評価経済社会」とは「他人の評価に右往左往する社会」ではなくて「自分自身が価値を決める世の中」だと信じたい。


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福岡移住⇄東京・アウトプットLAB主催・サイボウズ式第2編集部所属。自転車ロードバイク/マーケティング/コミュニティ/小説/「一般noteユーザーが集めるnoteマガジン」pikker ※登壇・主催 ⇒ https://profiee.com/i/jun_ikematsu
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