15:もし「独自の視点」を「持て」と言われても、全員がもともと必ず持ってますから心配しないでください
【前回】14:「自分を客観視せよ!独自の視点を持て!共感を得よ!」三大頻出アドバイス、その正体と対処法
前回に引き続き、編集者さんから言われがちな「アドバイス」の解説です。私自身が言われて考え込んでしまったことについて書きますが、特に困ってない方はもちろんスルーして頂いて大丈夫です。「マガジン」の一覧から、参考になることが書いてそうなところだけお読み頂けたらと思います。
以下、拙著『読まれるコミックエッセイの描き方[2]作品の周辺のこと』から、該当箇所をまるっと載せます。
「自分を見つめる」は、たぶん無理です
「自分の独自性を見つけるため」の方法として、以下のようなアドバイスを見かけることがあります。しかし……
自分にとって「あたりまえ」のことは自分には見えません
その人らしさは「何を体験してどう感じるか」に現れます
人の独自性は、単純じゃないです
自分の独自性は、自分一人で考えていてもわかりません
描いて、発表したら、自分のことがある程度わかると思います
無理に個性的にしようとすると、なんだか不自然なことになって、かえって遠回りになってしまうかもしれません。
自分の中にないものを描こうとすると、どうしても、既にいる誰かをなぞることになるかもしれないし。自分にないキャラを演じ続けるのが大変でキャラがブレてしまったら、実際はどんな人なのかがよくわからなくなってしまうし。
出来事や感じたことを、自分のことを全く知らない人にも伝わるように丁寧に描けば、充分あなたらしい作品になると思います。
次回は、実体験を描くコミックエッセイに付いて回る(と私が思っている、私が悩んだ)お悩みあれこれについてです。
お読みくださってありがとうございます!