【連載小説】朝陽のむこうには ~サバトラ猫のノア~ 4〈全8話〉
「人間だった時に住んでいた家に行ってみようと思うんだ」
僕はママ猫のミイと兄弟猫のトムにそう告げた。
「行ってみたらいいよ」
ミイは特に驚いた様子もない。
「だけど、ちゃんと準備をしてからにしないといけないよ」
「ノアはさ、一度も牧場の外に出たことないよね」
トムはそう言ってあれこれと僕のおっちょこちょいのエピソードを話し始めた。
そして、こんなノアでもしっかり準備をすれば大丈夫だよねとミイに訊く。
僕のことを心配しているんだね。
「物事を始める時はしっかり準備すること