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(令和元年版)広告・広報・マーケティング業界の新社会人に読んでもらいたい推薦図書11選

久しぶりに必読図書リストを更新したいと思います。

ちなみに、マーケ界隈の良著は、時間とともにそれほど古くならない本質的なことがまとめられているので、新たにマーケ界隈の新社会人になった可能性あふれる若者たちは、以前の「広告・広報・マーケティング業界の新社会人に読んでもらいたい推薦図書15選」は必読書としてとっとと読み終えてください。

この世界は我流で食っていけるほど甘い世界ではありません。一部我流で飯を食べている一流人は、裏でこっそり勉強しているか、野生の勘と経験の量と度胸が半端ないか、ほんまものの天才か、いずれにせよ一般人ではありませんので、市井(しせい)に生きる我々は、とにかく基礎を徹底的に学び、そこに自らの経験を乗せ、オリジナルの知恵に変えていくしか道はありません。

ここで紹介している本は、マーケティング関連本として紹介されることは少ないと思います。新入社員として読む本としては、ちょっと早いかもしれません。

でも、少し経験を積んで、チームのリーダーになったり、案件の抽象度が高くなっていったときに、必ず約に立つ本です。

先に紹介した15冊を読み終えたら、順次こちらに手を伸ばしてみてはいかがでしょう。

では早速いってみましょう。

1. 戦略参謀

大企業病が蔓延して死にそうになっている企業の中で、経営企画室が奮闘するお話。ビジネス小説なので、とても読みやすい。マーケティングの仕事は、現場レイヤー、部長レイヤー、経営者レイヤーになるにつれて見るべき領域が拡大し、課題の抽象度も高くなります。

本書は、教科書としてのマーケティングではなく、社内政治や自己保身など、ドロドロした人間ドラマが繰り広げられる実際の現場で、マーケターはどのような心構えで仕事をしていくべきなのかを知ることができます。


2. マイケル・ポーターの競争戦略

マーケティングとは「売れる仕組みづくり」であり、究極のゴールは「セールスをなくすこと」とも言われます。また、高度成熟社会におけるマーケティングの役割は「市場(需要)の創造である」と表現することもできます。

いずれにせよ、戦後70年以上が経ち、市場が超高度に成熟化したいま、競合がいない市場や製品は無いと言って良いでしょう。となると、しっかりしたマーケティング戦略とは、アタリマエのように競争戦略の概念を理解した上で策定されていなければなりません。

本書は、コモディティ化した市場で競合と殴り合い、いかに勝利するか、ということが書かれているわけではなく、「真の競争優位性は、すでに己の中にある」というアプローチを取ります。つまり、自社独自のコアコンピタンスを徹底的に磨きなさいよ、と提唱しているわけです。必読。


3. HIGH OUTPUT MANAGEMENT

新入社員は、一番のペーペーなので、部下はいないわけですが、2年目になれば人によっては部下を持ち、チームリーダーに昇格する人もいると思います。

部下の時代は「なんだこの先輩(上司)、○ね!」とか思うこともあるかもしれませんが、自分が逆の立場になってみると、部下はびっくりするくらいあなたの言うことを聞かないし、すねるし、思ったように動いてくれません。そう、いまのあなたのように。

ということで、リーダーになる前に、いまのリーダー(先輩)の気持ちを理解するためにも、自分がリーダーになったときに、華麗なスタートダッシュをキメるためにも、「リーダーの仕事とは何なのか」をわかりやすくまとめた本書は必ず役に立つはずです。


4. MBAより簡単で英語より大切な決算書を読む習慣

数字、嫌いな人、多いですよね。僕も大嫌いでした。決算報告書とか、読み方わからないですよね。というか、興味ないですよね。

損益計算書(そんえきけいさんしょ)ってなに? P/Lってなに?

貸借対照表?(たいしゃくたいしょうひょう)ってなに? B/Sってなに?

でもですね、悪いこと言わないから、マーケターを目指すあなたは、とっとと財務諸表(損益計算書や貸借対照表やキャッシュフロー計算書)は読めるようになっておいた方が良い。

なぜなら、決算書を読めば、企業の健康状態や体脂肪率、これからの成長戦略や競争戦略が、おもしろいくらいわかるからです。逆に、その情報を知らずして、マーケティング戦略を考えることなんてできるわけがない。

かといって、財務や会計は、苦手意識も手伝って、なかなか理解をすることが難しい。薄い文庫を手にとってみても、きっとチンプンカンプンだと思います。

そんな僕たちの強い味方が本書。しのご言わずに、とにかく手にとってみてください。決算書や財務諸表のイメージが大きく変わり、むしろオモシロイものに感じてしまうこと請け合いです。


5. マーケティング戦略 第5版

前のブログでも紹介した本。マーケティングは、とっても領域が広く、全体像が掴みづらいもの。分析手法もあれば、戦略フレームもあれば、個別戦術もあれば、知らなければならないこともたーくさんある。

で、本書の出番。この本は、マーケティングの全体像を理解する上で知っておくべき代表的な理論がすべてコンパクトにまとめられています。流行りのバズワードなどは一切なく、数十年に渡って先人が蓄積してきてくれた叡智がギュギュッとまとめられています。これで2,160円なんて、安いを通り越してほぼタダみたいなものです。

マーケターを目指す人で、本書を読まないなんてあって良いはずがありません。「教科書」はこれ一冊で十分。一言一句、頭に叩き込んでください。


6. 影響力の武器

マーケターの大きな仕事のひとつに、「気持ちを動かす」というものがあります。興味を持ってもらう、検討の選択肢に入れてもらう、買いたくさせる、是が非でも手に入れたくさせる、人に言いたくなる。

そういった企て(くわだて)をするとき、ぜひ知っておいてもらいたいのが、社会心理学。本書は、思わず人が動きたくなってしまう「感情」を、論理的に解説してくれています。PR会社の人たちのバイブルにもなっています。

人の気持ちを動かすために、また、ひとりの消費者として、そんな企業の企てに気づくようになるために、この世界を知っておきましょう。


==ここから番外編==

マーケターへの道のりは長い。進めば進むほど「無知の知」(自分が知らないということを知ること)の地平線は広がり、自らの不甲斐なさにくじけそうになることもあるでしょう。

そんなとき、「あ、ガソリン切れてきたな」と気づき、自ら燃料を注入できる人は強い。逆に「最近モチベーション上がらないんだよなー」と言ってる人は、危ない。モチベーションは人に上げてもらうものではなく、自分で上げるものだからです(イチローが「あーなんだかモチベーション上がらないなー。ま、今日は適当にバット振っとくか」なんて思わないでしょ?)

でも、一所懸命仕事をしていれば、壁はあるわけです。凹むこともあります。そんなとき、初心に返ったり、自らを奮い立たせるために、自分を元気にしてくれたり、己を知ることを助けてくれる自己啓発本は貴重な存在。

興味がある人は、ぜひ手にとってみてください。

7. 空想教室

このTED映像はあまりにも有名ですね。

自分が好きなことに没頭する。没入する。熱狂する。人生をかける。人がどう、は関係ない。自分が好きだから、やる。やりたいから、やる。頭が、体が勝手に動いてしまう。自分が信じることに、大好きなことに、ひたむきに向き合うことの尊さ、潔さ、美しさに感動し、勇気と元気をもらえます。


8. ザ・ミッション

何者かになりたい。でも、自分が何が好きなのか、何が得意なのか、わからない。頑張りたくないわけじゃない。むしろ頑張って、その「どこか」を一心不乱に目指したい。

周りの人たちは、自分のやりたいことを見つけて、どんどん前に進んでいく。焦る。いま目の前にあることは、本当に自分がやりたいことなのか。この毎日の向こう側に、なりたい自分が待っているのか。

そんなあなたにピッタリなのが本書。読むだけではその世界にはたどり着けません。手を動かすこと(書くこと)が必要です。本書がそれを助け、導いてくれるはずです。己を知ること。まずはそこからです。


9. ストレングス・ファインダー

弱みを改善することに時間を割くほど、人生は長くありません。人には、好き・嫌い、得意・不得意、向き・不向きがあります。

あなたが得意なことは、誰かの不得意であり、あなたが好きなことは、誰かの嫌いなこと。

あなたは、好きなこと、得意なことをやれば良い。あなたが嫌いなことや、不得意なことは、隣の人にやってもらえば良いのです。そのためのチームであり、組織です。

自分ひとりでキレイなレーダーチャートを描く必要はありません。一人ひとりは棒グラフのような形のレーダーチャートでも、チームメンバー全員のチャートを重ねたときに、バランスのとれたキレイな形になれば良いんです。

そのためには、あなたは好きなことや得意なことを徹底的に追求し、まずは社内であなたの右に出るものはいないくらいのスペシャリストになる必要があります。

本書は、あなたが「自分の強み」に集中することの大切さを教えてくれ、かつ独自のシステムであなたの強みを明示してくれます。鏡に映る自分が違って見えるようになり、一度きりの人生で、どこを磨いていくべきなのか、明確になるはずです。

※注意※

あなたが新卒社員なら、強みを知り、そこを伸ばしていくことを目指すことも重要ですが、好き・嫌い、得意・不得意、強み・弱みの前に、まずは目の前の仕事に全力投球することが必要です。

上長や先輩からの期待や指示に応え、徹底的・圧倒的な努力をして成果を出した後に、強みを磨くのです。やる前から、「それ、自分は好きじゃないんで」「こういうの不得意なんスよねー」とか言ったら地球から追放されるので注意してください。


10. ドリームマップ

書くと、夢が叶う。

人に言うと、夢が叶う。

それは事実ですが、もっとも良いのがこの方法。夢を画像にして、それを見続けること。この方法で、夢は必ず叶います(ちょっと宗教ぽいなw)

僕の、マーケターになること、独立・起業すること、サーフィンを始めること、ワーゲンバスに乗ること、パネライの腕時計を手に入れること、キャンプを始めること、鎌倉に移住すること、子育てをすることは、ぜーんぶドリームマップに写真を貼ってあったものです。

騙されたと思って、やってみ!


11. 自分の小さな「箱」から脱出する方法

マーケティングの仕事は、調査や、分析や、戦略設計や、商品開発や、プランニングや、制作のディレクションや、広告の出稿管理や、イベントや、効果測定や、すごくいろんな仕事があるわけですが、領域が広い分、関係部署や関係者が多く、仕事の大半はコミュニケーションによる「すり合わせ」になります。

価値観も年齢、立場や利害も違う多くの人とのコミュニケーションは、ときに大きな摩擦を生み、強いストレスを抱えることにもなります。

「ああ、、あの人苦手だなぁ…明日もミーティングだ。会いたくないな…」「あいつはなんであんな言い方しかできないんだ!○ね!」など、ほんと辛いです。仕事上で一番のストレスは人間関係って言うしね。

で、そんなときに、そのストレスの根源をつくっている「自分の解釈」をぶっ壊してくれるのがこの本。

眼の前にある現象を、楽しいものなのか、辛いものなのか、勉強と捉えるか、苦行と捉えるか、すべては解釈なのだ、ということを教えてくれます。あ、いま俺(私)、小さな箱の中に入ってたな、出なきゃ!と。おすすめです。

ご武運を!

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