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作業療法を観る

齋藤佑樹先生も監修•編集されている「作業療法を観る」が、先日この時期だからこそ教育に役立てて欲しいとのことで無料公開となった。7つの症例を通して作業療法とは?の問いかけに答えてくれる内容となっている。私は症例1,2を拝見したが、見た後、何故かゾクゾクした。臨床に出たい、こんなOTになりたい、この部分真似したい。そんな思いで胸がいっぱいになった為、臨床に活かせるよう、事例1に関して自分なりにまとめていく。

   

症例1 何もできないと嘆くクライエント:急性期OTの初回面接

リアルにこのようなクライエントに出会ったことがある。OT石橋さんの話の聞き方が、自分に重なりすぎて、胸が苦しくなった。急性期OTが作業療法の認識を作る。ということで基礎の基礎だけど、自戒を込めて以下に要点をまとめる。

•急性期でも面接の時間を取る!!作業療法を理解していただく時間は必要な時間。  

•主治医からの処方であることは伝える。どういう流れでリハビリが必要となったのか説明するのは基本。

•「そもそも作業療法ってご存知ですか」本人の認識の確認

•「手のリハビリもやるにはやるんですけど、手のリハビリが作業療法って言うわけではありません。例えば◯◯さんは、普通の生活の中で色んなことをされてきたと思うんです。トイレに行ったりとか、お着替えをされたりとかしてきたと思うんですけど、今こうして入院していて左手が動きにくくなって、できないことも増えたと思うのですが、そういうことを楽にできるようにしていくことが我々の仕事です」→落ちついたトーンで説明を。説明時はクライアントにとって重要な作業を支援するという核の部分を忘れずに!(室内ADLから具体的に攻めるor 「したいこと〜する必要のあること〜期待されていることを支援する」 と段階付け可能。障害の受け入れ方に応じて言葉を選ぶ。)

•クライエントが思いを語り始めた時、表情、「ええ」と「はい」で精一杯の共感的理解を。一方で第三者であることを忘れずに。呼吸促迫等、身体的に有害な事象が生じた時は、冷静に対応。全身状態の評価+深呼吸促して落ち着きを。

•先に介入したPTと全く同じことして、作業療法とは?とならないように。一緒に取り組んでいく姿勢を伝える、共有する。

•ICU→一般病棟では環境が違う。「〜こんな風に環境が変わりましたが、慣れてきましたか?」今何に困っているのか聴取。

•室内ADLに関して、環境調整によって変えられる部分は早期に変えていく。これが作業療法への理解に繋がる。 

•作業療法は周りの協力が必要。作業の習慣化には病棟の協力が不可欠。

•「明日からリハ室で巧緻動作練習や筋力運動を行なっていきます」では作業療法の目的からずれる。面接を十分にし、ADLや仕事(ここは患者さんの心身状況に合わせて)をできるように、具体的な動作を上げて、繋げられるよう「巧緻動作練習を行います」という流れに持っていく。  


少しずつ自分も取り入れていこうと思う。皆さんにも是非見ていただきたいし、この内容を周りにアウトプットしていきたい。


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