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あの日のミルクティーのこと。

コンビニでミルクティーを買った。
最近見つけたYouTuberがリプトンのミルクティーを推していて、なんとなく。
買った帰りに、飲みきれるかなと心配になった。
というのも、私はミルクティーがあまり得意ではない。
好きでもないミルクティーを買うだなんてバカだなと自分でも思う。
でも、ミルクティーには何か不思議な力があると信じている。


あれは高校生の頃、おでんが食べたくて、コンビニに出かけた時のことだ。
とても寒い冬だったので、温かいものが食べたかった。
コンビニに着いて、レジの近くにあるおでんを眺めていた。
その時、昔好きだった人がコンビニに入ってきたのだ。
私はあわてて、飲み物売り場に逃げた。
今から思うと、別におでんを買う女子もいいじゃんと思う。けれど、あの頃は、なんとなく恥ずかしかった。

そこで、咄嗟に手にしたのがミルクティーだった。多分リプトンではない。
温かいものが食べたかったはずなのに、冷たいミルクティーを選んだ。
ミルクティーを持って、あの人とすれ違った時は、なかなか緊張した。
けれど、『私はおでんじゃなくて、ミルクティーという可愛げのあるものを買ってます。』とアピールしたかった。
たぶん、あの人は何も見ていなかったと思うけれど。

会計を済ませて、店を出た。
ミルクティーが入った袋をブンブン振り回しながら、家まで帰った。
別に好きじゃないのに。
あの人も、ミルクティーも。

家に帰ってから、仕方がなく買ったミルクティーを飲んだ。
まずかった。
やっぱり紅茶はストレートが良い。
別にミルクと混ぜなくていい。
あと、普通におでんが食べたかった。

今ならば、私はあの人の前でも、堂々とおでんを買える。
可愛子ぶっても、あの人とはどうにもなれないということを知っているからだ。


そんなこともあったなあ、今なら笑って話せそうだな、と書き綴って見たが、まだ少し痛い。
あれから3年、また好きでもないミルクティーを飲んだ。

note的には、「あれ、ちょっと美味しいかも」の方が素敵な気がする。

でも普通に不味かった。

やっぱり私はミルクティーが苦手だ。

#日記 #エッセイ #大学生 #ミルクティー #コンビニ #好きだった人 #初恋


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