デット・エクイティ・スワップについて説明しようと思う

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日は株式会社ジャパンディスプレイについてみていこうと思っていたのですが、その前にJDIが以前検討していたDES(デットエクイティスワップ)について説明してみようと思います。

まず、こちらのニュースをご覧ください。

いちごから1000億円出資で最終契約、JDIが正式発表
2020/1/31 18:03
経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は31日、独立系投資顧問のいちごアセットマネジメントと最大1008億円の出資受け入れで最終契約を結んだと発表した。いちごアセットがまず504億円で優先株を引き受け、議決権の44%強を握る筆頭株主となる。現在の筆頭株主で官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)の支援も合わせ、1000億円を超える債務超過の解消にめどがついた。
残りの504億円は借入金返済などJDIの資金需要に合わせ、議決権のない優先株を引き受ける。
JDIは3月25日にいちごアセットの出資受け入れを決議する臨時株主総会を開き、同26日に最初の資金を受け取りたい考えだ。優先株は1株75円で発行するが、1年後から1株50円で普通株に転換できるため、いちごアセットの議決権は過半数に達する。
JDIを巡っては、過去の決算で在庫を約100億円過大計上していた疑いについて第三者委員会が調査を続けている。そのためJDIは2月13日を予定している決算発表について延期を決めたとも発表した。
JDI会長に、いちごアセットのスコット・キャロン社長を起用する人事も発表した

どうやらJDIはいちごアセットマネジメントの出資が決まったようですね。

その支援策の中でも現筆頭株主のINCJ(産業革新機構)との間で検討されていた、支援策であるDES(デット・エクイティ・スワップ)について説明しようと思います。

DESとはその名の通りです。
デット:負債
エクイティ:資本
スワップ:交換

つまり、負債と資本とを交換することがDESです。

資産100億円、負債150億円、純資産-50億円で債務超過に陥っている企業があるとします。
例えば、この時債権者(お金を貸している人)が負債100億円を純資産100億円(株式)と交換するのがDESです。

そして、なぜこれが支援策になるのでしょうか?

先ほどの例で言えば、DES後には資産100億円、負債50億円、純資産50億円になるので債務超過が解消されますね。

他には借入金のような負債には金利がかかります、一方資本には金利はかかりません、負債として残しておくと利益を圧迫する金利がなくなりますので業績が好転します。

また、負債は返済が必要ですが資本は返済する必要性がありません。
つまり資金繰りが好転します。

という事で支援策となるわけです。

債務者(お金を借りた側)のメリットは説明しましたが、では債権者(お金を貸した側)はなぜこれをするのでしょうか?

一番の理由は、倒産してしまうと貸したお金が返ってこないからです。
また、株式市場では2期連続で債務超過だと上場廃止というルールがありますので、大株主かつ債権者である場合は上場廃止になると困るのでDESをする事があります。

債権者側はしょうがないからするって感じなわけです。

一応業績が向上して株価が上がればその後、利益を得ることが出来ますがDESをする会社はJDIのようにぎりぎりの会社なので可能性は低いです。

借金は一定の水準を超えるとみんな優しくなるといわれることがあります。
カイジの地下労働施設的に働かせても返せる可能性のないレベル額だと、飛ばれてゼロにならないように貸した側も優しくするしかないって感じですね。

DESはそんなイメージです。
もうゼロになるよりいっかって感じなわけです。

それでは次回はJDIの決算から支援受けたけど延命措置じゃないの?について考えていこうと思います。

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