任天堂の決算から考えるこれからゲーム会社がさらに強くなる話

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは任天堂株式会社です。
皆さんご存知の通り日本最大手のゲーム会社の1つですね、最近ではどうぶつの森がものすごい人気で話題になっていました。

さて、こんなニュースがありました。

任天堂、純利益6.4倍 4~6月「あつ森」けん引
2020/8/6 16:18 (2020/8/6 16:37更新)

任天堂が6日発表した2020年4~6月期の連結決算は純利益が1064億円と前年同期の6.4倍だった。コロナ禍の「巣ごもり」需要を背景に、主力の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売が好調だった。3月に発売したソフト「あつまれ どうぶつの森」が人気で、利用者同士が交流できる好採算の有料ネット接続サービスも伸びた。売上高は3581億円と2倍になった。
21年3月期通期の業績見通しは据え置いた。売上高は前期比8%減の1兆2000億円、純利益は23%減の2000億円を見込む。

どうやら任天堂は、巣籠り需要も大きく2020年4月~6月期の純利益が前期比で6.4倍となるような好業績だったようです。

今回はそんな好調な任天堂の今後について考えていきましょう。

売上高は108.1%増の3581億円、営業利益は427.7%増の1447億円、純利益は576%増の1064億円となっている事が分かります。
ニュースの通りで物凄い好業績ですね、そして利益率の高さも抜群で営業利益率は前期の12.4%から40.4%まで上昇してすごい数字になっています。

任天堂の事業は1.ゲーム機事業2.モバイルIP関連収入3.その他(トランプ他)と3つありますが、売上3581億円のうち、ニンテンドースイッチなどのゲーム専用機事業が3445億円と大半を占めていることが分かります。
なので今回はゲーム専用機事業に絞って詳しく見ていきましょう。

まず、任天堂は市場を①日本②米大陸③欧州④その他と4つに分けている事が分かります。
それぞれの市場での業績の推移は
①日本:売上高356億円→792億円(122%増)
②米大陸:売上高713億円→1307億円(83.3%増)
③欧州:売上高398億円→878億円(120.6%増)
④その他:売上高147億円→466億円(217%増)
となっており全ての市場で業績が向上している事が分かります。

任天堂は海外比率も非常に高いですが、新型コロナはもちろん世界的な流行という事で、世界的に巣籠り需要が大きく全市場で業績が大幅に向上したようですね。

こちらの資料からも分かる通りで海外比率は76.3%もある事が分かります、日本の市場はもちろん少子高齢化によって縮小していく事は間違いありませんから、長期的に見るとこの海外比率の高さは任天堂の強みの1つですね。

しかし円高がだいぶ進みましたから売上高でマイナス97億円の為替の影響があるようです。
1ドル100円の時に50ドルのゲームが売れたら5000円になりますが、1ドル90円の時だと4500円まで下がってしまうよねという話です。

とはいえ、ものすごい好業績ですからこれでも影響は軽微ですし、そもそも外国取引はドル建てで行っているわけですから円換算した際にマイナスの影響があると言っても経営上の問題は特にはないと考えられます。

続いてこちらの資料をご覧ください。

売上総利益率を計算してみると前期の48.2%から59%まで大きく上昇しています。
どうやら今期の営業利益率の大幅な増加の要因としては、売上高増加の他にも売上総利益率の上昇がありそうです。
ではどうして売上総利益率が増加したのでしょうか?

デジタル売上高(ソフトのダウンロード購入)が毎期ごとに大きく伸びている事が分かります。
前期では306億円ほどだったデジタル売上高は1010億円まで229.9%まで大幅に上昇し、デジタル売上高の比率も38.3%から55.6%まで上昇したようです。

そもそもデジタル売上高比率は上昇傾向にありましたし、新型コロナによって店舗閉鎖や外出自粛があったのでダウンロード版の需要が伸びた事が想定できますね。

これまでダウンロード版の利用をしていなかった層も、利用を開始しているでしょうから今後もダウンロード版の増加が続きそうですね。

そして任天堂は、ソフトウェア販売の増加に加えデジタル売上高の比率が伸びたため売上総利益率が増加したとしています。

リアルなゲームソフト販売する場合、製造して流通にのせる必要があるのでコストが多くかかってしまいます。
なのでその必要がないダウンロード販売は利益率が高いという事ですね。

そしてダウンロード販売の強さは利益率の高さだけではなく、新作だけではなく旧作タイトルも売れるようになる事にあります。

リアルなゲームソフトを製造して販売する時にはある程度数を作らないと利益が出ないうえに、製造と流通にコストがかかるので、過去作品であっても販売価格を下げる事も難しく、中古に価格でも勝てないため過去作品を販売する事が出来ませんでした。

なので今までは、過去作品の需要は2次流通(中古市場)が担っていたわけです。

しかし製造と流通にコストのかからないダウンロード販売であれば、中古に負けない所まで価格を下げて少量で売っても利益が出るようになります。

なので任天堂のような過去タイトルの強い企業はダウンロード比率の上昇とともに相当業績が伸びていきそうです。

続いてこちらの資料をご覧ください。

今期出したスイッチのタイトルが2つミリオンセラーになっている事が分かります。
巣ごもりと動物の森人気で、スイッチがめちゃくちゃ売れたので、当然ソフトの売上も増加するはずで「せっかくスイッチ買ったんだから他のも」効果が続くでしょうから今後もしばらくの間は好影響が続きそうです。

続いてこちらの資料をご覧ください。

しかし任天堂は減収減益となる見通しを継続している事が分かります。
もちろんゲーム会社ですから、新作タイトルの発売予定などによって大きく左右されますし、新型コロナによる影響でかなり不確実性が高い状況ではありますが、かなり保守的な見通しですので次期以降には上方修正が行われる可能性が高そうです。

という事で巣籠りやどうぶつの森人気でスイッチが売れたことによって、今後もソフトの売上に好影響がありそうだという事と、ダウンロード比率が増加している事によって利益率が向上している事から今後も好業績が続くことを予測します!!

さらに海外売上比率が高いため日本の人口減少による市場縮小の影響を受けづらい事と、今後ダウンロードが主流になる事で過去作品も売れていく事による好影響もあると考え長期的にも業績が伸びていく事を予測します!!

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