鳥貴族の決算から考える今後の業績

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは株式会社鳥貴族です。
鶏料理をメインとして298円均一の格安居酒屋をチェーン展開している会社ですね。

こんなニュースがありました。

鳥貴族の8~1月期、税引き益15倍 不採算店の整理進む

鳥貴族が6日発表した2019年8月~20年1月期の単独決算は、税引き利益が前年同期比14.9倍の7億8900万円だった。食材や人件費など採算の管理を徹底したほか、業績が振るわない店舗を閉め、利益を大幅に伸ばした。

売上高は2%減の174億円、営業利益は3.8倍の13億円だった。店舗数の減少で売上高は伸びなかったが、食べ放題と飲み放題をセットにしたプランが好調に推移した。

20年7月期(今期)の単独業績見通しは従来の予想を据え置いた。新型コロナウイルスの感染拡大によるイベントの中止や在宅勤務の広がりなどで、国内の消費動向に変化が見込まれると指摘。20年2~7月期の動向を見通すのは困難だとした。売上高は前期比3%減の346億円、最終損益は4億5400万円の黒字(前期は2億8600万円の赤字)を見込む。
同時に発表した2月の既存店売上高は前年同月と比べて6%増えた。

どうやら売上高は2%の減少となりながらも、営業利益は3.8倍の13億円となる減収増益の決算を発表したようです。
上期のせっかくの好業績にも関わらず新型コロナの影響で下半期の業績が低迷してしまう可能性があるのは非常に残念なところでしょう。

今回は大幅増益となった鳥貴族の今後を考えていきましょう。

それではこちらの資料をご覧ください。

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鳥貴族は長期的なビジョンとして、2000店舗で年商1800億円という目標を掲げていることが分かります、単純計算で1店舗当たりの年商は9000万円になります。
2019年7月期では659店舗となっており売上高358億円となっています。
今後は大規模な出店を行っていく事が予想されますね。
さらに直営ではない店舗が250店舗ほどあるようなので単純な比較はできませんが、現状の店舗当たりの売上は5400万円程ですから、店舗当たりの売上高も増加させていく必要があるでしょう。(直営店以外は鳥貴族の売上に計上されるのはライセンス料や手数料などの年商の一部だけである)

続いてこちらの資料をご覧ください

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鳥貴族は今後の成長のために5年の中期計画を発表しています。
そして2020年7月期は不採算店舗の撤退と新規出店のためのマーケティング期としていることが分かります。

続いてこちらの資料をご覧ください

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上半期で不採算の店舗を13件退店したようです。
さらに採算管理にも力を入れ販管費が11億円(9.2%)も減少したようですね。
ちなみに退店にかかる費用は前期に減損損失として14億円計上している点は要注意です。
もうしばらく業績を見てみない事にはトータルで退店がプラスになっていたかは分からないという事です。

鳥貴族の未来!!

当初のニュースにもある通り、営業利益の伸びは不採算店舗の撤退やコスト管理による販管費の減少だという事が分かりましたね。

という事は先ほどの資料の5年の中期計画の発表の通りに進んでいますので、減収ですが非常に好決算だといえるでしょう。
計画通りの進捗だとすると、現在は新しい地域への出店のためのマーケティングも着実に進めていると考えられます。

という事は今期は店舗数が減少し減収増益の決算となりましたが、来期は店舗数増加で増収の決算となりそうです。

また、今期にコスト管理の徹底を進められているというのも、今後拡大を進めていく上でポジティブ要因ではないでしょうか。

こちらの資料をご覧ください。

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この半期で現金預金が41億円から49億円へと8億円も増加していることがわかります。

今後の拡大のための準備が着々と進んでいますね、という事で来年度には出店数が増え増収増益となる事を予想します、とはいえ出店費用もかさむはずなので大幅増収とはなっても大幅増益となる可能性は低いでしょう。
また新型コロナが外食産業にどの程度の影響を与えるかは分かりませんので、その影響次第では出店の予定を遅らせる可能性も高いので注意が必要です。

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