串カツ田中の決算から考える今後の業績

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは株式会社串カツ田中ホールディングスです、もちろん串カツ田中の運営をしている会社ですね。

居酒屋業態は、まだまだ厳しい状況にあるところが多いですがそんな中で串カツ田中はどうなってるのか、今後はどうなっていくのかについて考えていきましょう。

売上高は14.1%減の63.9億円、営業利益は5.1億円の黒字→7900万円の赤字、経常利益は64.4%減の2.2億円、純利益は3.8億円の黒字→3100万円の赤字となっている事が分かります。

減収減益で赤字転落となってしまっていますが、経常利益では黒字となっていますし、居酒屋業態の会社の多くは大きな赤字転落となる所が多い中では業績の悪化が起きていない印象です。

もともと串カツ田中は人気店だった事もあるでしょうが、串カツの場合は一般的な居酒屋と比べて食事としての需要が大きかったというのも、そこまで業績が悪化していない要因と考えられます。

また、お笑い芸人の宮迫さんと串カツ宮迫をやったりと話題にもなっていましたので、コロナ禍でもそういった取り組みがある程度上手くいっていたのでしょう。

では月次の推移はというと、緊急事態宣言があった4月は39.4%まで下落してしまっていますが、それ以降は7割~8割弱程度で推移しているようです。

今後はテレワーク化によって、会社の飲み会が減ってしまっているのは戻ってこない可能性もありますし、7割経済といわれるようにこの程度の売上げで利益を出せる体質にしていけるかは非常に重要そうです。

続いてこちらの資料をご覧下さい。

串カツ田中はコロナ禍でも出店を進めている事が分かります。

では出店の状況がどのようになっているのかというと、関東圏では直営店が9店舗増加しており、関東圏以外では直営店が5店舗、FC(フランチャイズ)店が8店舗増加しているようです。

どうやら関東圏では直営を中心に出店し、関東圏以外ではFCで出店を進めているようです。
自社で手の届かない地域へはFCでという事だと考えられますね。

今は3Qで3/4が過ぎた状況ですが、出店の進捗はというと直営では50%FCでは25%と予定に比べると進んではいないようです。

コロナがありましたからそれはしょうがないところではあります。

また特にFCの進捗が悪い事も分かります、直営であればこのコロナ禍でも戦略的な投資が出来ますが、FCのオーナーさんは出店を避けている傾向があると考えられます。

となると全体では店舗の需要が減っているはずですので都心の好立地を取るのは流石に難しいかもしれませんが、ちょっと地方部ではまだまだ好立地の店舗が取れる可能性がありますのでこれから商売を始めたい方にはチャンスがあるかもしれません。

また、FCへの商品売上高やロイヤリティ収入はそれぞれ12.6%、20.8%の減少となっている事が分かります。
このFCからの売上げというのは利益率が高いですからここが回復してくるかは重要です。

となると今後はFC出店の進捗度がどうなっていくのかは重要ですね。

ただ、この状況で居酒屋業態のFC出店をしようというオーナーさんは少ないでしょうからとなると、利益率の高いFCからの収益が減少して業績の悪化となる可能性がありそうです。

さて、当初見た通りで営業赤字となりながらも経常利益ベースでは黒字で純利益では赤字でした。
ではなぜそのようなあべこべな状況となっていたのでしょうか?

まず営業赤字となりつつも経常利益ベースでは黒字化できていた要因としては、協賛金収入と雇用調整助成金が要因だと分かります。

飲食店の仕入れ先から協賛金をもらっているケースが多いのでそれが業績に好影響を与えているようですね。

また、雇用調整助成金も本当に業績を支えている事が分かります、これで助かっている事業者は本当に多そうですね。

また、最終赤字となっているのは減損や店閉店に伴う損失などのようですので、新型コロナの影響が出てしまっているようです。
その中でもキャッシュアウトを伴わない減損が2億円で、赤字が3100万円ということでキャッシュフローで考えると、雇用調整助成金などでプラスとなっていそうですね。

となると大幅に業績が下落した4~5月なども含んでもキャッシュフローがプラスとなっているのであれば、7割~8割弱まで回復した今は十分に回る状況になっていそうです。

また、デリバリーも増加しており昼食でも串カツはニーズがあるとしています。
唐揚げ店がブームですが、揚げ物店というのは非常に人気です。
動画でもテキストでもレシピサイトというのが非常に充実していますので、作れるけど作りたくないものが人気なわけです。

それが油を使うので処理が大変な揚げ物なんですね、なので串カツも一定のニーズがありそうですね。

とはいえ串カツ田中が積極的に出店している関東圏では、唐揚げやとんかつのように食事としてはあまり根付いていませんので、食事のメニューを選ぶ際には選択肢として挙げられるケースは少ないでしょうからそこまで伸びるかといえばそれほどではなさそうです。

という事で、FCが伸び悩んでいる事で利益率の高いFC向けの収益が悪化してしまいそうですが、売上は7割~8割弱程度までの回復だがキャッシュフローではすでにプラスになっていそうだという事、そこまで大きくなそうですが、串カツもデリバリー需要がある事から、業績の回復はまだ先でしょうが、十分に経営が回る状況にいると考えます!!

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