ユーグレナの決算にみるバイオジェット燃料事業の可能性

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのは、株式会社ユーグレナです。
ミドリムシを活かして食品や化粧品の販売、バイオ燃料の開発などを行っている企業ですね。

このようなニュースがありました。

ユーグレナ/開発中のバイオ燃料が国内で使用可能に
 ミドリムシを原料にした化粧品や健康食品の通販を展開するユーグレナは2月3日、同社が開発しているミドリムシを使ったバイオジェット燃料について、日本国内の民間航空機に使用できることになったと発表した。国土交通省が同日改正した、通達の一部改正により、使用できるようになったとしている。
 国交省は2月3日、通達「航空機に搭載する代替ジェット燃料の取扱いについて」の一部改正を交付・施行した。1月31日に、バイオ燃料製造実証プラントで使用する技術「BCIプロセス」が、国際規格として認められたことに伴い、国交省が通達を改正した。「BCIプロセス」はユーグレナのプラントで導入されている。
 ユーグレナは20年3月末までに、民間航空機に搭載するためのバイオジェット燃料の提供を開始する予定だ。早ければ20年8月にも、ユーグレナのバイオジェット燃料を搭載した航空機がフライトを行う可能性があるとしている。

ミドリムシを使ったバイオジェット燃料が、日本国内の民間航空機でも利用できるようになったようです。

最近ではSDGsなど環境配慮への機運が高まっていますよね。
その中でも地球温暖化対策というのは喫緊の課題です、地球温暖化対策といえば電力による温室効果ガスの排出をイメージしがちですが実は、電力による排出量は4分の1程度であり、交通や運送というのも15%ほどをしてめています。

バイオジェット燃料というのは温室効果ガスの排出量を減少させることが出来ることが分かっており、地球温暖化対策としても今後さらなる盛り上がりを見せるであろう分野でもあるわけです。

面白ポイント!!研究開発費

それではこちらの資料をご覧ください。

画像1

実はユーグレナは前期に約65億もの大赤字となっている事が分かります。

続いてこちらの資料をご覧ください。

画像2

その大赤字の要因は、実証プラント(工場)の建設費用のようですね。

通常プラント建設をした際には、固定資産に計上して減価償却をしていく事になりますが全額研究開発費となっていることが分かります。
(固定資産に計上して減価償却をするとは、60億円を20年で年間3億円づつ費用にするというような事です)

それはどうしてでしょうか?

実は将来の売上への貢献が出来るか不明な研究開発に対するものはプラント(工場)の建設費用であっても研究開発費として全額を費用とするルールがあるからです。

つまり、まだ実験段階のバイオ燃料に対する実験プラントは将来の売上に貢献する確実性がないので研究開発費となるのですね。

ユーグレナの未来!!

こちらの資料をご覧ください。

画像3

既存のミドリムシを利用した、食品と化粧品の定期購入者の推移です。
前年度は徐々に広告宣伝費を増加させながらも、減少傾向にあり今期は広告宣伝費を減少させた結果、大幅な減少をしてしまっていることが分かります。
完全に伸び悩んでいる状態です。

まだバイオ燃料では売り上げは立っておらず、こちらの事業が収益の柱ですからこの状態は厳しいです。

つまりバイオ燃料をいち早く収益化できるのかがポイントなわけです。

さて、先ほどの説明の通りプラント建設費を全額研究開発費として計上した事と固定資産として計上した事の違いは、60億円を20年で年間3億づつ費用にするのか1年で全額を費用にするのかといった違いが出ます。

つまり、3億円分の費用がなくなりますから今後バイオ燃料が事業化した際に黒字化する時期が早まるという事になりますよね。

ユーグレナは2020年9月期中のバイオジェット燃料による有償フライト実現を目標としています。

このフライトが実現すれば、環境配慮への機運の高まりなど、周囲の要因も含め今後速いペースで黒字化する可能性がありますので期待できるという事です!!

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