ジョルダンの決算から改めて学ぶMaaSと今後の業績

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのはジョルダン株式会社です、乗換案内のサービスで有名な会社ですね。

さてこんなニュースがありました。

ジョルダンの20年9月期、純利益6割減
2020/9/23 21:00
交通経路検索のジョルダンは23日、2020年9月期の連結純利益が前期比61%減の5000万円になる見通しと発表した。予想は5月に取り下げていた。新型コロナウイルスの感染予防のため外出を控える人が増えて、検索サービスの利用が減少。広告収入などが落ち込んだ。期末配当は前期末より7円減の6円(年間配当も6円)にすることも発表した。

どうやらジョルダンは61%もの減益となる見通しを発表したようで、さらに減配も発表したようです。

新型コロナによる外出自粛の影響もあり、鉄道会社各社の業績も大きく落ち込んでおり、乗換案内の需要も減っているでしょうから厳しい状況にいる事は間違いないでしょう。

今回はそんなジョルダンの今後について考えていきましょう。

それでは早速こちらの資料をご覧ください。

売上高は16.5%減の27.2億円、営業利益は37.4%減の1.69億円、純利益は63.7%減の6300万円となっている事が分かります。

やはり想定通りで、かなり厳しい状況にいるようです。

ジョルダンの事業セグメントは①乗換案内事業②マルチメディア事業の2つがある事が分かります。

事業規模としては①乗換案内事業の売上が24.8億円に対して②マルチメディア事業は5000万円ほどですので、完全に乗換案内の会社だと分かりますね、なので乗換案内事業に注目してみていきましょう。

まず乗換案内事業の業績の推移ですが
売上:30.1億円→24.8億円(17.6%減)
利益:4.44億円→3.34億円(24.7%減)
と大幅な減収減益となっている事が分かります。

ではどうしてこれだけの減収減益になってしまったのでしょうか

ツアー旅行などを提供しているジョルダントラベル事業では、新型コロナの影響で海外旅行を中心に大幅に業績が悪化し、さらに乗換案内のサービスも検索回数が減少してしまい、それに伴い広告売上も減少してしまったようです。

想像通りといった感じで、新型コロナによって外出が減少してしまった影響が大きく出てしまったようですね。

とはいえ9月の連休では人手も戻ってきたようですし、10月からはGoToトラベルが東京も対象になりますので乗換案内の需要が戻ってくる可能性がありそうです。

また、テレワーク化によって電車の利用自体は減る可能性もありますが、通勤時には乗換案内の検索をするわけではないですので大きな影響は出ないでしょう。
なのでそれよりもどれだけ外出の機会が増えていくのかが重要だと考えられます。

欧州では感染の再拡大に伴い再び外出の制限が始まったようですので、日本でも冬にかけて感染が増加する時期には再び外出自粛の傾向が表れる可能性もありますのでそのリスクはありそうです。

旅行事業に関しては、国内は戻って行くのでしょうが海外旅行はまだまだ時間がかかりそうですのでしばらくは業績の回復は起こってこないでしょう。

という事で事業としては乗換案内も完璧に回復する場ではまだ時間がかかりそうですし、旅行事業の海外旅行がまだまだ回復しないという事でしばらくの間は業績の悪化が続くと予測します!!

続いてこちらの資料をご覧ください。

ジョルダンとしては今後はMaaSの事業展開を進めていくとしています。

まずはあまりご存知ない方のために、そもそもMaaSって何なのか、ジョルダンはどこを目指いしているのかについて確認していきましょう。

MaaSとはmobility as a serviceの略で日本語に直訳すると移動のサービス化です。
はっきり言って意味が分かりませんよね、私も移動のサービス化と言われてピンと来た事はありません。
なので具体的にどのような世界観の事を言っているのか説明していきましょう。

東京に住んでいるとして家から北海道まで向かうとしましょう、例えばタクシーで駅まで行って電車で羽田空港に向かい、そこから飛行機で北海道に向かうとします。(タクシーで駅まで行くとかどこに住んでんだよとか絶対に言わないでください)

いまだとタクシーを呼んでタクシー会社に支払いをして、スイカで電車に乗って鉄道会社に支払いをして、飛行機を予約して航空会社に支払いをしますよね。

それがMaaSの世界観だと、例えば1つのアプリで北海道への道のりを検索しただけで最適ルートを提示してくれて、そのままタクシーが迎えに来てくれて、電車にもそのまま乗れて飛行機の予約も済んでいて、全ての決済も1つのアプリ上で済んでいるような世界観です。

ジョルダンは移動が全てシームレスにつながっているような世界を作ろうとしている訳ですね。

そのためにジョルダンは、JMaaSという会社をつくっている事が分かります。
そしてこの会社は最終的にユーザーが使うアプリの裏側にいる存在としての会社で、例えばラインがアプリ上でMaaSのサービスを行うとしたら、ユーザーはライン上でサービスを利用しますが、その裏側で移動の予約や手配または決済などを行う会社といった感じです。

つまりジョルダンとしては、現状の乗り換え案内サービスを行っているジョルダンのアプリだけではなく他のアプリでも利用できるようにして、サービスを広げようとしているという事ですね。

続いてこちらの資料をご覧ください。

そういったMaaSの世界観に向けて、自転車のシェアリングサービスであるドコモバイクシェアと連動したりバスの乗換案内のカバー率を拡大している事が分かります。

その後の展開のためにも1つのアプリ上で複数の、移動サービスを繋げられるようにしておこうということですね。

このMaaSへの取り組みですが、個人的にはジョルダンには可能性があると思っています。

その理由は自社で移動サービスを提供していないからです、自社で移動サービスを行っていると利益相反が起こります(最適ルートではなくても自社の移動サービスを使わせた方が儲かる)ので統合が進まない可能性があります。

なのでジョルダンは鉄道会社やバス会社などと既に付き合いもありますし、各移動サービスの会社と横並びの関係を築くことが出来れば進んでいく可能性があるのではないかという事です。

ただしMaaS化に向けて大きく動いている企業にはTOYOTAなどの大企業もいます。
自動運転はMaaS化の本命のサービスの1つですからそうなった際に自動車を作るだけのハードの会社となるわけにはいかないという事です。

TOYOTAなどのMaaS化に力を入れていて、既存のサービスでは繋がりのない大企業がそう簡単にジョルダンと組むような事は無いでしょうから、なかなか難しい事も間違いないなく、今後どうなっていくかは正直見当がつきません。

ジョルダンもどこかの大手企業に組み込まれていくかもしれませんし、例えば今はタクシー業界と、自動車業界は競合ではないわけですが、今後はモビリティー(移動関連のサービス)というくくりになってきますので各所で再編が起こる可能性があります、業界がどのように動いていくのかにも注目です!!

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