オイシックスの決算から考える今後

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは、オイシックス・ラ・大地株式会社です。
有機野菜やミールキットの宅配を行っている、「オイシックス」などを運営する会社です。(オイシックスのサービス)
同形態の「大地を守る会」や「らでぃっしゅぼーや」と経営統合した事で現在の社名となっています。

こんなニュースがありました。

オイシックス、「巣ごもり需要」で会員拡大

生鮮宅配のオイシックス・ラ・大地が21日に発表した2020年3月期の連結決算は純利益が落ち込む一方で、売上高は過去最高を更新した。外出自粛の広がりで野菜や調味料がセットになった「ミールキット」の需要が大きく、定期宅配する会員数は15万人を突破した。今期は素材にこだわった商品や子供と楽しめるサービスも拡充し、さらなる成長を目指す。

前期の売上高は前の期比11%増の710億円、純利益は同67%減の7億9000万円だった。カフェを運営するウェルカム(東京・渋谷)の店舗が臨時休業し、のれん減損を約3億円計上した影響が出た。21年3月期は売上高が9.8%増の780億円、純利益が52%増の12億円を見込む。

業績をけん引したのは傘下ブランド「オイシックス」のミールキット。全国の約4000の契約農家から集めた野菜と調理に必要な分だけ包装した調味料のセットだ。ミールキット1袋で主菜と副菜の2品が作れる。

価格は2人前で1000円からの商品が多い。13年に発売してから累計出荷数が5000万食を超える人気商品で、共働き世帯の時短ニーズや食品ロスを嫌う消費者などの支持を得てきた。

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛や在宅勤務で、料理の機会は増えている。手作りの味噌やピザといった商品も用意し、休校中の子供や在宅勤務中の夫婦などが調理を楽しめるように工夫している。

どうやら新型コロナによる巣籠り需要によりミールキットが好調だった事もあり、売上高は最高を更新したようです。
今回はそんな好調なオイシックスの今後について考えていきましょう。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

売上高は11%増の710億円、営業利益は6.7%増の24.6億円と増加しながらも純利益は66.9%減の7.9億円となっていることが分かります。

ではどうして、売上、営業利益は好調ながらも純利益は大幅に減少してしまったのでしょうか?

カフェなどを運営するウェルカム社が新型コロナの影響により6.3億円ほどの損失を計上した事も要因のようです。
しかし純利益が減少してしまった最大の要因は、前期は「らでぃっしゅぼーや」を統合した事により、法人税が軽減されたことによって12億円利益が増加していた事、今期はその効果がはく奪されてしまった事で9.6億円利益が減少してしまった事のようです。

つまり、会計上の話で21.6億円もの影響が出てしまった事が純利益が減少してしまった要因なので、事業自体は好調だという事が分かりますね。

主要な事業内容としては、「オイシックス」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」同一形態で3事業展開しているわけですが、その各事業の内容を詳しく見ていきましょう。

まずオイシックスですが、会員数が4万人増加し予想値から1万人上振れと非常に好調です。
ARPU(ユーザー1人あたりの1月の売上)も第3四半期までは前期を下回っていましたが、上昇に転じています。

基本的にユーザー数が伸びると、ライトユーザーが増加するので1人当たりの売上で見ると減少してしまう事が多いです。
しかし巣籠り需要もあり増加に転じているのは素晴らしいですね。
野菜は定期的に必要になるものですから、これでサービスの良さに気付いた顧客は当然残り続けるので今後も好影響がありそうです。

しかしあまりにも好調だったために、物流のキャパオーバーによって新規顧客の獲得停止をすることになってしまっています。
巣籠り期間というのは、ARPUの増加からも分かるようにかなり、サービスを使ってもらいやすい時期でしたから、機会損失が大きそうで残念ですね。

続いては大地を守る会です。

会員数は減少しながらも、下げ止まりを見せている事が分かります。
ARPUはオイシックスと違い、前期を上回っていますがこれは会員数が減少しているので、ライトユーザーの割合が減少しているからでしょう。

また、ARPUはオイシックスの11,721円に対して、22,170円と非常に高い事が分かります。
もちろん同一の業態とはいえ、提供しているサービスに違いがある事やオイシックスは会員数が多いので、ライトユーザーも非常に多いというのも理由ですが、もう一つ大きな理由があります。

実は大地を守る会は、シニア層をターゲットとしているんですね。
比較的お金を持っていますし健康志向も高い方が多いので、ARPU が高くなるんですね。

「らでぃっしゅぼーや」も会員数は減少気味だという事が分かります、ARPUは18,681円とオイシックスと大地を守る会のちょうど中間ぐらいのイメージですね。

同一業態をいくつも運営しながら、メインターゲットを変えていているのは面白いですね。
有機野菜の宅配サービスは競合が結構ありますが、こうやってターゲットを絞ってサービスを提供するのは、競合には難しいはずなのでグループ全体としてみたときにオイシックスは強そうです。

オイシックスの未来!!

サービスは登録してもらう、購入してもらうというのは非常に難易度が高いものです。
野菜だって、「農家から直送めっちゃいいじゃん!!」と思っても「登録めんどくせ!!」って思った瞬間にスーパーに買いに行くのが人というものですよね。

ですが、今回の新型コロナによって買いに行く方が嫌だという人が増えたんですね。
このような状況が訪れる事はめったにないはずですから、物流キャパオーバーによって、新規の会員取得を停止してしまう事になったのは非常に痛いです。

しからサービス利用者は、大幅に増加していますし、4月5月などでしばらく使っていなかったユーザーなども復帰している可能性が高いので今後も好調が続くことを予測します!!

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