五洋インテックスの決算に見る巣ごもりカーテン需要
どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
今回見ていくのは五洋インテックス株式会社です、この会社は主にカーテンを扱っている企業です。
最近は外出の自粛で自宅にいる時間が増えている方が多いのではないでしょうか?
私も自宅にいる時間が増えましたので、なにか気分転換がしたいと思い最近はカーテンを変えてみました。
カーテンを変えるだけでも、結構な気分転換になるので意外とおすすめです。
そこで同じようにカーテンを変えている人が増えて、カーテン事業を行っている会社の業績が好調になるのではないかとという事で、今回はカーテンをメインの事業としている五洋インテックスの今後について考えていこうと思います。
まずは今期の業績を見ていきましょう。
売上高は14%減の9億円で営業利益は2億1400万円の赤字で純利益は1億5900万円の赤字と、売上規模も小さく赤字幅も大きく会社としては厳しい状況ですね。
2020年3月期の業績予測も赤字予測となっています。
続いてこちらの資料をどうぞ。
マンション建設の減少とともに販売が減少してしまったようですね、今後は不景気になる事も予測されていますしマンション建設が回復するかといわれれば、難しいでしょうからtoB向けの売上は回復が難しそうです。
個人向けの需要増加でどれだけまかなえるかでしょうか。
続いてこちらの資料をどうぞ。
この五洋インテックスは、5期連続で営業利益が赤字となっており金融機関からの借り入れも難しくなっているという事で、継続企業の前提に関する注記を付されていることが分かります。
相当追い込まれた状態であるようです。
建物や土地などの不動産や投資有価証券が大きく減少していることが分かります。
固定資産の売却益や、有価証券の売却益が大きい事が分かります。
つまり本業で稼げていない上に、借り入れが難しい状況なので不動産や有価証券を売却して資金を確保しているという事でしょう。
不動産は残り1200万円ほどしかありませんし、投資有価証券はゼロになってしまっていますから、もう売るものも無くなってしまっています。
本当に倒産の可能性が十分ある状況だという事ですね。
さらに貸倒引当金繰入額が2300万円ほどあることが分かります、これは商品は売ったけどその代金は回収できなそうだよという数字です。
個人で買い付ける額ではなさそうですから、販売先の法人の状況が悪化したと考えるのが妥当でしょう。
取引相手の与信調査は基本ですから、大きな貸し倒れが起きる企業は相当苦しい事が多いです。
販売先を選ぶ余裕が無いということです。
それでは財務状況はどうなのでしょうか?
流動負債は2億8400万円ほどあることが分かります。
現預金や売掛金・受取手形を合計すると3億3600万円ほどある事が分かりますので、短期的には何とか資金は足りていますね。
しかし今期は、給与は減少、賞与はゼロに減ったにもかかわらず1億7500万円ほどの赤字の見通しですからコストカットの余地も少ないはずです。
となると来期も、少なくとも今期と同水準の赤字になる可能性が高いです。
赤字額と同程度のキャッシュアウトが起こると仮定するともう売るものもありませんし、近い将来資金不足になる可能性は極めて高いです。
さらに、この財務状況で商品(在庫)の増加が起きています、戦略的に増加させているというよりも販売計画も上手くいっていないと考えられるでしょう。
全てが上手くいっていない印象を受けますね。
五洋インテックスの未来!!
こちらの資料をご覧ください。
9996万円ほどの増資を受けていることが分かります、これである程度資金的余裕が出来たようですね。
しかしその使用目的として、「2020年3月期第2四半期報告書の訂正報告書の提出についてに関して、法廷提出期限までに四半期報告書を提出できなかったことを適切に開示しなかった」事を理由として2000万円ほどの上場契約違約金の支払いに充てられるようです。
これだけ資金がひっ迫した状況にも関わらず、このような事をしてしまうというのはガバナンス上の問題も考えられます。
個人的には、巣籠りカーテン需要があるのではないかと考えましたが、五洋インテックスは法人向けが主体でしょうし、現状があまりにも厳しすぎる、さらにガバナンス上の問題も考えられるという事から、今後も業績悪化、倒産も十分ありうることを予測します!!
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