ファミリーマートの決算にみる早期退職募集の理由

どうもコージです！
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのは株式会社ファミリーマートです。

早速ですがこんなニュースがありました。

ファミマ、1025人が希望退職、年間約80億円の経費減に
２月１９日、ファミリーマートは４０歳以上の社員を対象に募集していた早期退職優遇制度により、１０２５人（うち正社員は９２４人）が３月末で退職すると発表した。
　ファミリーマートは2月19日、1025人の社員が3月末で希望退職すると発表した。これにより、2021年2月期以降、年間約80億円の経費減につながる見込みだ。
同社は19年11月に加盟店支援と本部の構造改革に関する計画を発表。16年9月のサークルKサンクスとの経営統合に伴い本部の社員数が増加していたところから、全社員の約1割に当たる約800人の希望退職を募集するとしていた。
20年2月3日から7日までの募集期間には1111人の応募があったが、日常業務の継続に大きな影響を及ぼす可能性がある一部社員については早期退職優遇制度の適用外としたため、退職者数は1025人となった。内訳は正社員が924人、非正規社員が101人。
希望退職の対象者は、2月29日時点でファミリーマートに在籍する40歳以上の社員（他社への出向者を含む）で、割増退職金を加算する。割増退職金の総額は約150億円で、20年2月期決算に全額を費用計上する。

どうやらファミリーマートは全社員の1割超もの早期退職を行うようですね、募集は800人に対して1111人もの応募があり1025人が退職するという事です。
退職金は150億円で年間80億円の経費削減を見込むという事なので2年で回収できる計算になります。

さてファミリーマートで何が起きているのかを見ていきましょう。

まずこちらの資料をご覧ください。

今期は大幅な減収ながら、増益となっていることが分かります、利益率は10%から16%へと大きく改善しています。

ではどうして減収増益となったのでしょうか？

実はファミリーマートは前年度に不採算店舗の大規模な閉店を実行しています。今期に入ってからはコンビニ各社は不採算店舗の閉店を進め始めましたがファミリーマートでは一足早く進めていたのですね。
その結果として、今期は日商が改善している事が分かります。

このスピードの速さが、他社が利益水準の悪化に悩む中で増益を達成できた要因でしょう。

ここで、今回ファミリーマートが早期退職の募集に動いた理由が見えてきます。

店舗数を大きく減らして、規模の拡大路線から収益性の向上を目指す路線にシフトしたわけですから完全に人が余ってしまいます。
規模拡大のための人材と閉店した店舗のための人材がそのままそっくりいらなくなるという事なんですね。

でもその人員は新規事業に回せばいいんじゃないでしょうか？

これは、前回のミニストップの記事にも書きましたがファミリーマートは伊藤忠商事の子会社であり、独立性の低い会社です。
伊藤忠からしてみれば、新規事業はおれたちがやるからコンビニ事業で安定収益上げられるようにしておいてという話になるわけです。

さらに今期は収益性の改善に成功したことで、150億円ほど増益を果たしていますから割増退職金の150億円をそのまま吸収できるんですね。

ファミリーマートの未来！！

ファミリーマートは構造改革という意味では、完全にコンビニ他社の一歩先を行くことに成功しています。

今回の早期退職によるコスト削減で来期はさらなる増益になる可能性は極めて高いでしょう。
また、今後しばらくは事業を拡大していく可能性は低いので安定して高収益を上げられるようになっていくのではないでしょうか

ですが、いずれ余剰資金が貯まっていけば使い道を探さなければいけないわけです。
増配という事も考えられますが、伊藤忠からすれば約５０％を外部に持っていかれるのは痛いですから何かしらの会社を買わせる可能性が高いでしょう。

どのような会社を買う事になるのかに注目です！！

コンビニ各社の未来！！

ローソン・ミニストップはともに三菱商事・イオンという親会社持った企業でファミマから1年遅れで今年から積極的に不採算店舗の閉店を進めています。

という事は今後１,2年で早期退職の募集が始まる可能性は高いですね。

一方独立性があるセブンイレブンは人員を他の事業に回すことが出来るので早期退職に向かう可能性はそうは高くないのではないでしょうか。

この資本構造の違いが今後のコンビニ業界に影響を与えていきそうです。

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