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本業がある人こそ、「もうひとつの名前」を持つべきかもしれない。

「なんで『カラムーチョ伊地知』なんですか?」と質問をいただくことが、大変増えました。ありがたいことです。そりゃ当然の疑問ですよね。

もはや、最近はこのペンネームである『カラムーチョ伊地知』を名乗ることの方が多くなり、「予約した〇〇です」って本名を名乗った時の方がなんか言い知れぬ違和感があったり、カラムーチョ伊地知=僕のもう一つの"ペルソナ"的といいますか、"ガラスの仮面"的といいますか・・・。先日はうっかり郵便物の宛先氏名を『カラムーチョ伊地知』にしていたせいで、郵便屋さんに軒先きでこの名前を呼ばれるという辱めを受けました。

もはや、人前で本名を晒すことは、裸踊りを晒すことと同等レベルに恥ずかしい。なんか恥ずかしい。

しかしながら、僕は「ペンネーム」を名乗ることで確かなメリットも感じているのも事実でして。

そこで、今回は僕が自らを『カラムーチョ伊地知』と付けた由来と、ペンネームを名乗ることによって身の回りに起きた変化なんかをまとめてみます。ちょっと長いですがお付き合いください。

その朝、起きたら俺はカラムーチョ伊地知になっていた。

『カラムーチョ伊地知』を付けた日、俺は自宅で友人と宅飲みをしていて、かなり酩酊していまして。

その時、友人が「〇〇さんもゲーム配信してみたらどうですか?」と言いました。「おお、いいね。やろうやろう」と僕も二つ返事で、その提案に乗ってみたんです。もちろん、酩酊したまま。

ゲーム配信にはYou tubeのチャンネル開設が必要。本名は使えないので、アカウント名を作ることにしました。

そこで、酔ったテンションのまま付けたのが『カラムーチョ伊地知』。

妻の好きなあのお菓子+妻(僕もファンです)の好きなバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のドラマー伊地知潔さんから拝借しました。申し訳ありません。

(僕は伊地知さんのドラムではベタですが、やっぱり『ブルートレイン』が好きです。いつも思うんですがマジでどうやって叩いてるんですかね、これ)

僕ら夫婦は暇さえあれば(割と本当に)例のお菓子食べてます。つまみにもなるし、オヤツにもなる。しかも美味しい。パッケージのおばあちゃんも可愛い。愛されている。最高峰の逸品です!酸っぱいほうも最高です!

さて。

その日、Youtubeチャンネルを開設したのはいいものの、結局ほとんど配信せずに終わりました。

次の日も、次の日も、結局ゲーム配信はしませんでした。「カラムーチョ伊地知」の名だけが、次の日から空虚な存在となったんです。

カラムーチョ伊地知を名乗り始めると、肩書き以外にも覚えてもらえるようになった。

僕は主にパラレルキャリアをテーマにしたWebメディア『ニソクノワラジ』を運営・企画・編集をしておりまして、

『ニソクノワラジ』は僕にとってのパラレルキャリアでして、半分趣味的で、お金が発生する活動ではないものの、当時、副業禁止の企業でサラリーマンをやっていた僕は、やっぱり本名で活動するのにちょっと抵抗があったんですね。

そのため、『ペンネーム』が必要だったのですが、『チョリソー山田』にしようだとか『ジョン・ダッチョ』にしようだとか、かなり迷走をしていまして。

僕はもっとかっこいいペンネームをつけてやろう、と思っていたのですが、妻の「こっち(カラムーチョ伊地知)の方が面白いじゃん」の一言をきっかけに、もうなし崩し的に、半ばヤケクソ気味に、空虚な存在として二ヶ月ほど宙に浮いていた『カラムーチョ伊地知』を使うことにしました。

だから、ぶっちゃけ、『カラムーチョ伊地知』という名前に対して、さしたる思い入れも、というか意味すらないんです。「そこにあったから」以上の意味合いを持っていないんです。悲しいヤツですね。

しかし。

すると、どうでしょう。

『カラムーチョ伊地知』として活動すると、ほぼ必ず「なんでカラムーチョなんですか?」と聞いてくださいます。最初はこの得体の知れない名前なのに取材を受けてくださる方に申し訳なくて、説明するのに大変心苦しかったのですが、もはや今はその説明も我ながら板についてきたというか。最初は苦笑いを浮かべながら「いやあ、それはですねえ・・・」なんて言っていたのですが、今では「よくぞ聞いてくださいました!」というテンションで、もう自ら前のめりになって説明しています。

僕は今までの経歴で、それこそ"偶然的"に複数の肩書きを持つに至りまして、「編集者」「ライター」「ホームページ制作ディレクター」「映像ディレクター・編集マン」「インタビュアー」・・・などなどなど。

これだけ肩書きを複数所持してしまうと、「この人、結局、一体、何者なんだ?何ができる人なんだ?」と思われることも多くて。僕もそこにジレンマを感じることもあったんですね。

しかし、『カラムーチョ伊地知』を名乗るようになってから、肩書き以前に、この奇妙奇天烈なペンネームを先に覚えていただくことが多くなって、『カラムーチョ伊地知』とはこういう人なんだ、と認識してくださるんですね。

それはありがたいと同時に、僕にとって思わぬ副産物で、空虚な存在であったはずの『カラムーチョ伊地知』が僕のジレンマを解決してくれたんです。

本当に僕はコ◯ケヤさんには足を向けて寝られません。

本業がある人こそ、「もうひとつの名前」を持つべきかもしれない。

会社員で「僕、今日から『カラムーチョ伊地知』で仕事をします」なんて朝礼で報告して、実際に取引先などへメールなり電話なりした日には、上司からぶん殴られるか、重役室に呼び出されて、「君、どうした。職場で悩みでもあるのかね」と優しく諭されますよね。僕だってそうします。

でも、パラレルキャリアだったら、誰に気兼ねすることもなく、もうひとつの名前を冠することができる。

いくら世の中的に副業解禁の動きになったといっても、僕のように身バレを恐れて、なかなか本名で活動できない方もいらっしゃると思います。

そんな時はいっそ、『ペンネーム』をつけて、まずは活動をはじめてみるのはいかがでしょうか?

まずはペンネームで活動して、本名を開示しなきゃいけないタイミングになったら、しっかりと開示すればいいし、「本名でも大丈夫そうだな」ってなったら本名に移行すればいい。ペンネームが広まってきたら、そのままペンネームを使用して活動するのもアリだと思います。

「やりたいこと」があっても、社会的制約や肩書き、立場的に動き出せないこともある。そんな時は、いっそ本名を捨ててみる、のもひとつの選択肢なんじゃないかと。

肩書きっていうのは、多分、名前に乗っかっているものなんですよね。だから、肩書きの土台である名前を放棄してみれば、目の前の閉じた扉がパッと開いて、目の前に世界が広がることもあるんじゃないかな、と思います。文字通り、肩の荷が下りる、というか。

まあ、でも。

僕のように酔っ払って、『ペンネーム』をつけるのは、絶対にオススメしません(笑)

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