土曜日はラテンエアロ

 いつも指定席が残されているラテンエアロ、昨日は塞がっていた。仲の良い上級者のオバサマが居た。
 全然OKである。イーズカは大きく過剰に動くので、この手の上級者はまったく問題ない。
 斜め右後ろの第2列に立った。その後ろに淡い顔系美人妻が立った。彼女はスタイル抜群で身長も高い。イーズカが173センチだが、イイ勝負である。

 「170センチくらいあるんじゃないの?」
 「いいえ、165センチです。このシューズは上げ底で5センチくらいあるから、見た目は170センチくらいです。」
 「ヒェ~、そんなクツ履いてたら、長い足がさらに長くなる。誇大広告で訴えられるよ。」
 「ヤバい、バレちゃった。」

 と相変わらず他愛もない会話が交わされた。レッスンが始まると今日から新しい内容に変わった。
 途中ハードな踏み込みが延々と繰り返される。全員のアゴが上がってしまった。イーズカも何とかこなすレベルであった。インストラクターがイーズカ対策で入れたに違いない。

 土曜日は雑用が多く、その後のキックボクササイズには出られなかった。金曜夜から徹夜していたので、ちょうど良い休憩になった。

 いま深夜の時間帯は、新たな危機管理セミナーの教材を作成している。毎晩パワポで10ページくらいは書いている。これを何とか8月中に仕上げて請求書を出さなくてはならない。
 カネが無くては作業も継続できない。

 そして9月1日(火)「友引」からの夏休みを取った。ホンダCBR650を借りて、葉山マリーナ経由で下田に行く。久しぶりのバイク・ツーリングである。
 連休明けに行こうと思っていたのに、毎日雨が降る梅雨に入ってしまい、バイクが借り出せない。
 あんな雨の中で走ってもツライだけである。

 下田には大学時代の先輩が住んでいて、これまでも何度もバイクで行って泊めてもらっている。下田の先の弓ヶ浜海岸では、大学時代に民宿のバイトで毎夏2か月間は住み込んでいた。バイクで行くので、その民宿も訪ねる。

 あのバイトは囚人のようなもので、逃げられないしカネを使う場所もないので、貯金ができた。大学時代に買ったステレオセットはそのカネで買った。だから結構ぜいたくな音を聴いていた。
 イーズカは2年目からは手配師も兼ねて、牢名主もやっていた。慶応の後輩を3名ほど引き連れて2軒の民宿を仕切っていた。
 『8月の濡れた砂』のようなラブロマンスと恋の駆け引きが毎晩繰り返されていた。
 イーズカたちは、背後のその他大勢のエキストラでしかなかった。ビンボー学生として指をくわえて見ていただけだ。

 下田の街はオシャレである。当時から好き者が作った店がたくさんあった。
 婚活に役立てたいが、いまはコロナ禍で「濃厚接触」はご法度である。

 不毛で甘酸っぱい記憶が蘇る。


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