妖精大図鑑「魔女の一撃」終幕！

ノロノロがっちゃんがっちゃんと片付けていたらすっかり秋。
9月も26日になってしまいました。

9月23日、おかげさまで無事、妖精大図鑑「魔女の一撃」が終幕いたしました。
見にきてくださった皆様、応援してくださった皆様、スタッフ、キャスト、誠にありがとうございました。

なんだかんだ続けていくということは中々に難しく、こうやって皆様に支えていただけることは本当にありがたいことです。なんて運がいいんだ…

今回はぎっくり腰をテーマに脚本を書いておりました。
【魔女の一撃】とは、ドイツ語でいうぎっくり腰のこと。ご存知でしたか？
魔女の一撃って言い方、すごく可愛くて、でも恐ろしさを表現していて良いですね。
突如現れる激痛をよく表しています。
やったことある人はわかると思いますが、本当に辛い。どんな姿勢でいてもなんか痛い。立ってると痛い。かといって座っても痛い。横になっていても痛くてうまく眠れない。じゃあどうしてたらいいのさ？！となる恐ろしい怪我です。でも側から見てるとなんか滑稽で面白い。ぎっくり腰って名前が愉快さを演出しちゃう。いやだって「ぎっくり」て。

そして解決方法は特にない。風邪と一緒で特効薬があるわけでなし、対処療法をしながらただじっと待つ。その時が来るのを待つ。体の自己再生能力を信じるしかない。


さて、話は変わってある時のこと、飯塚は床に同化している時期がありました。
ちょっとした事件があってとても落ち込んでいたのです。
でもこれはぎっくり腰と一緒で、もちろん命に関わるようなことではなし、人に話せば「あらあらそれは大変ね！」と言われるくらいの出来事。

詳しく書くとあれか…と思ったので、例え話にしましょう。　
例えば、好きなドラマがあったとして、それを毎週楽しみに見てたのです。
月9だったとしたら、月曜日にはワクワクソワソワして、よっしゃ9時までにはやる事全部終わらせて正座待機するぞ！みたいな。で、うわー今週はこんな話か！来週どうなっちゃうの？と次の月曜日まで、また楽しみに、同じく月9を見てる友達とどうなっちゃうんだろうね？！と話しながら、いろんな予想をしながら待つ。それが楽しくて大盛り上がりで、月9友達なんかもできて。

わしゃあその時間がめちゃめちゃ楽しくてのう…

だがしかし、ドラマは途中からよく分からない方向転換を迎え、かつ放送期間はのびにのび、最終的には全ての伏線が回収されないまま最終回。
いい感じのBGM！ジャーン！
放心。
ひと繋ぎの秘宝を探しに行こうって言って始まったのに、そんなもんは無かったので最初の故郷で平和に暮らそう！やったね！と？？？？？？
何だこれ！？何なんだ！？途中まですごい宝物の匂いさせたたじゃん！伏線っぽいこといっぱいやったじゃない！？冷蔵庫を見せびらかして、中に何が入ってると思う？って聞かれたから「え？ケーキかな？もしかしてシュークリーム？いやいやお寿司？！」とワクワクして4クール待ってたら「正解は〜〜〜〜〜空っぽでした！」って言われた子どもの気持ち。
ガーン…

床に横たわりながら、ああそうだなあとこんなことを考えていました。
・楽しみにしていたものを無にされると辛い
・楽しみにしていたことを馬鹿にされると傷つく
・テレビの前で正座し続けた時間の分だけ足は痺れる
・いつ来るか分からないものを待ち続けるのは結構負担がでかい

私は全体重をかけてしまったんだな。
だからズコーってなった時に全身擦り傷まみれなんだな。
かけた時間の分だけ、
賭けた期待の分だけ、
ひっくり返った時にバッドエンドバッドエンド。
長期間同じ姿勢で居続けた負荷が爆発。
急性腰痛！ぎっくり腰です。わっはっは…

ぎっくり腰への対応は、基本的にはただ時間が過ぎるのを待つだけです。
血の巡りを良くして、体の自己回復能力を高めるのです。
じっとしていると血流が悪くなってしまうし、筋肉が衰えてしまうので、できる範囲で動いた方がいいんだとか。（勿論無理はしない！）

それって同じだな。
折れてしまった物語があるとして、何とか復活させるなら、止めたままではなんともならぬ。少しずつ動かして時間を流す。
人間の体には血が流れているけど、お話には時間が流れているのか〜
いいや、生きた体には血液と共に時間が流れているんだな…

そんなことを考えながら、今回のお話ができました。

他にも、魔女という役割とか、その変化。魔法の正体。体という不思議な乗り物。
なんかを行ったり来たりしながら迷走したので、その痕もきっと残っていることでしょう。

いつかある日がやってきて
傷跡は武器になり
誰かを助ける魔法になったりならなかったりして
悪い魔女とかいい魔女とか勝手に呼び名がつく

大変愉快なことです。

首肩足腰は連日の疲労でバッドエンドの予感をさせていますが、続けていればいつか復活の章がやってきますのでね。ええ。
風呂入って飯食って百年ほど寝るのです。

それでは、また次のお話でお会いしましょう。
大変大変ありがとうございました！